膝痛の手技療法
前回の臨床実践塾で、指(趾)回旋での診断・治療を説明しましたが、回旋は指(趾)だけに限らず、上腕・前腕、大腿・下腿にも応用しています。
昨日、膝が痛いという方が来られまして、普段なら、鍼灸で対応するのですが、きのうは回旋で治療をしてみました。
もちろん、手技だけだと再発するのが早いので、後で鍼灸治療も加えました。
上の写真のように、下腿を回旋させるのですが、五十肩の治療と同じように、面白い治療ができます。
おもしろいと言ったら失礼ですが、やっているこちらまで「ええーっ!」と思うほどの矯正力です。
触りながら回旋させるので、手に「動いている」という感触が伝わってきます。
で、その方は、膝を曲げた時に痛みがあったのですが、そのまま曲げてもらっても、ベッドから降りて膝を曲げてもらっても痛みは出ませんでした。
そして、「膝が軽くなった」と言っていました。
後は、この状態がどれだけ維持できるかですが、家庭での矯正法も教えておきましたので、極端に戻ることはないと思います。
そして、この治療と軽い鍼治療を何回か繰り返して、元に戻らなないようにするわけです。
何故、鍼治療が加えるかというと、関節の痛みなどの治療には、
① 骨・関節
② 筋肉・腱・膜
③ 臓腑
の治療をする必要があると考えるからで、特に「③臓腑」の治療をすることが再発させないポイントのようです。
何故なら、疾患の種類にもよりますが、特別に関節や筋肉などの治療をしなくても、臓腑の治療をするだけで治せることが多いからです。
骨格や関節の治療は、その場で変化を出すことができるので、術者も患者さんも得心する場合が多いのですが、「再発しやすい」という欠点は否めないと思います。
ですから、鍼が嫌な人には鍼をしませんが、鍼もOKという人には、鍼灸を加えるわけです。