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結婚は人生の墓場か? : 近藤剛、神戸国際大学教授、大いに語る(スケッチ&コメント)

2017-02-27 10:36:50 | スケッチ


結婚は人生の墓場か? : 近藤剛

江嵜企画代表・Ken



「振り込め詐欺」の話を聞いたあと同じ日の25日(土)午後1時半から神戸国際大学で開かれた近藤剛、神戸国際大学教授による「結婚は人生の墓場か?」というタイトルの講演会へ楽しみにして足を延ばした。いつものように会場の様子をスケッチした。お召し物でひとを判断してはいけないが、つい2時間ほど前と比べて場所柄のせいもあろう、会場の雰囲気も併せてだが、まるで違った。

「世俗化が極まった現代社会では、伝統的な冠婚葬祭の意味は希薄化、形骸化した。」という言葉で講演は始まった。「現代人の結婚観も変わった。未婚率が上昇している。単身化、晩婚化が加速し、それが少子化をもたらしている。未婚化が進行して孤立化する結果「家族難民」が生まれてきている。歴代政府は急激な変化に手が打てない。それが結婚問題をめぐる現状だ」と、話は頭から刺激的だった。

さらに刺激的だったのは「人生100年時代が来る」という言葉だった。薬と手術が進化して人は102歳まで生きられるというのだ。未婚率25%の世界が到来する。年間20万人が孤独死する。月3万の年金では生きられない。お金がない。健康でない。身寄りがない。2050年には日本の労働人口は5,000万になる。真剣に移民を検討しなければならなくなる。一方、現在4万の100歳以上の人口は2050年には70万に増える。そのため150兆円財政が不足する。みなさん、そんな事態が来ないよう祈りましょうと近藤先生は話した。

平成27年版「厚生白書」は未婚当然時代を予見している。2034年には男性の29%,女性の19%が単身と宮沢あき子さんの予測がある。「ソロ男」という言葉は博報堂が使った。「おひとり様」と言うことばは評論家の樋口さんの造語である。山田昌弘さんは「婚活」という言葉を造った人だ。「交際の機会の増大で自由恋愛が進んでいるが20%ははじかれる」と書いた。「身近な例だが」と前置きして「当大学の卒業生で600万の学生ローン残を抱えている。とてもパートナーを見つけてさあ結婚と行かない。奨学金地獄である。」と近藤先生はふと漏らした。

ようやく本論に入る。マルティン・ルターの「ハイデルベルグの討論」(1518)第28編の解説に「愛されるから美しい」という言葉がある。ひたむきな努力を怠ると結婚は修羅場となり墓場となる。生き地獄になるから注意が必要だと書いている。これから結婚しようと考えている本日も席に座っている学生さんには申し訳ないが」と近藤先生はつぶやいた。

旧約聖書コリント1347の日本語訳に「愛は寛容なり」とあるが、マクロスーモスというギリシャ語だ。マクロは「長い」、スーモスは「想い」を意味する。「物事が起こるまで時間がかかる」という意味だ。愛とは辛抱強いという意味だ。怒り出すまで時間がかかる。直面する現況に堪えることを教えている。」と解説した。

「吉田兼好は「徒然草」で結婚について「諦念」と「忍耐」という言葉を残している。亀井勝一郎も印象的な言葉を残している。遠藤周作の「結婚論」が今改めて注目されている。福田恒在の「私の恋愛教室」は是非読んでほしい。エーリッヒ・フロームは「愛するということはArt(技術)である。」と書いた。技術だから怠らずトレーニングする事が求められる。トレーニングすれば成果は出てくる。ボーとしていれば愛は身に着かない。①配慮、②尊敬、③責任、④理解が愛の4大要素である」と近藤先生は解説した。「トランプ米大統領は4つのいずれも持ち合わせていない人だと個人的には思う」と一言。その時の近藤先生の真剣な顔が印象に残った。

この日の講演会は二部構成になっていた。刺激的な近藤先生の1時間の講演のあと桑田政美先生の「竜馬ハネムーンと観光地づくり」が休憩10分のあと午後2時40分から1時間あった。言葉は悪いが、正直、息抜きが出来た。メモなしで気楽に話を聞いた。宮崎が新婚旅行ブームに沸いた良き時代が日本にもあったのだなと改めて思った。

神戸国際大学の公開土曜講座は3月4日も結婚をテーマに続く。フレンドシップ会員には定期的に案内をいただく。しかも無料である。六甲ライナーに乗れば自宅から30分も見ておけば十分だ。余りに刺激的な話は程度問題だが、機会ある限り楽しみにして参加したいと思っている。(了)

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