尾骨筋
『病気治し入門』の校正をしていたら、私の「尾骨骨折」の話がでてきた。
骨折したのは、広島でセミナーを開催しているときのことです。
セミナーがおわり、一杯飲んでから友人宅に止めてもらったのですが、そこで誤って二階から転落して尾骨を骨折したのです。
セミナーは2日間だったのですが、初日の晩に骨折したものですから、二日目のセミナーは大変でした。
尾骨と一緒に、片足は骨折、片足は捻挫で、和式のトイレが使えないのです。
※ 腹筋の力だけで用を足しました。(^_^;)
それはさて置き、とりあえず近くの整形外科へ行ったのですが、医師は、
「尾骨の骨折は後遺症が残りますね」と簡単に言うのです。
そして、痛み止めの薬を出し、患部(尾骨)に、3㎝角ぐらいのシップ薬を貼っただけでした。
シップは女性の看護師さん(看護婦さん)にズボンを下ろされて、貼られたのですが、恥ずかしかったー!
それで、
「二度とお尻を見せるものか」と思ったし、
「尾骨は後遺症が残りますね」と云われた医師の言葉も脳裏に焼き付いていましたので、必死になって尾骨の治し方を考えました。
と言っても、まだ駆け出しでしたので、どうしたらいいのかわかりません。
そこで、お風呂に入る時に、かる~く、尾骨を触ってみたら、ぐらぐらしている感じがしたのです。
「ありゃー、やっぱり折れてしまったんやなー」と考えながら、
「何とか固定して治す方法はないものか」と、お風呂のたびに尾骨を触っていました。
そして考えたのです。
「歪んだ尾骨を正常な位置に戻せばいいのではないか」と。
その為には何をすればいいのかと、解剖学の本なども調べましたが、そこまで書かれた本は持ってなかったので、想像で矯正することを考えたのです。
後で考えたら、「よくそんなことが出来たものだ」と思いましたが、歩くと痛いし、看護婦さんにお尻を見られるのが嫌だったので必死だったのです。
そして、たまたま、『パーマー・カイロプラクティック』とかいう本を持っていましたので、その本で何かのヒントを得た記憶があります。
どのよにしたと思いますか?
尾骨筋は、腹部の筋肉のうち仙骨下部と尾骨外側縁との間に存在するもので、仙骨尖を起始とし、尾骨に付着します。
尾骨と仙骨の間の動きは人間に於いてほとんど退化しており、有効な作用はないとされますが、尾骨を折ったことのある人はわかると思いますが、歩くときに引き攣りが出て大腿内側が痛くて歩きにくいのです。
尾骨に関係する筋肉は、尾骨筋の他に、大殿筋、肛門挙筋、外肛門括約筋などがあります。
解剖学的なことは後にするとして、どのように治したかを説明し、6/30日の臨床実践塾で、骨模型を使って実技を解説していきます。
尾骨矯正のできる人は多分、そんなに居ません。
私も年に一人か二人程度ですが、悲惨な恰好でやって来る患者さんを見ていますと、「尾骨矯正テクニック」を伝承しておく必要がありそうなので、今回初めて公開することにしました。
アスタイルの上で滑って尾骨を捻挫した人、階段からお尻でドスンドスンとスベリ落ちた人、イスから滑り落ちて尾骨を骨折した人、自然に尾骨が巻き込んだ人(腎の関係)、といろいろいました。
腰が伸ばせない若い人でも、尾骨を矯正すると、その場で嘘のように治ります。
6/30の臨床実践塾は「スポーツ鍼灸」がテーマですので、それも含めることにしました。