画・江嵜 健一郎
西宮自然保護協会の能登康夫会長を講師に「西宮の自然の中で出会った草花や樹木の紹介」と題して西宮文化協会二月行事が令和5年2月13日(月)午後1時半から西宮神社会館であり楽しみにして出かけた。いつものように会場の様子をスケッチした。
はじめに吉井良明、当会会長から「奈良市富雄丸山遺跡から魔除けと見られるわが国初の二メートルを超える鉄剣と盾形の鏡が発見された驚きのニュースで始まる今年は記念すべき年でもあります。講師の能登康夫先生は昭和49年のお生まれ。教鞭の傍ら西宮市内の花や樹木の調査、観察、多くの写真を撮ってこられ、西宮自然保護協会会長として、浜・川・山の自然たんけん隊会員としてもご活躍です。楽しみです。」と冒頭挨拶があった。
会場正面に、①浜の植物(砂浜に生きる植物)、②川の植物(夙川の植物)、③山の植物(六甲山のブナ、甲山湿原の植物、西宮北部地域の植物)がパネルに映され、御前浜・香櫨園浜の植物の花としてハマビシ、ハマヒルガオの写真の紹介から始まった。
次に今津浜・甲子園浜・潮芦屋ビーチの花が映された。雄と雌の株が別々のコウボウムギが甲子園浜で見つかった。ほとんどが帰化植物である。メリケンムグラは種が流れ着いた。アメリカネナシカズラは根がない。他の植物にからみついて咲く。樹木ではキヨウチクトウ、ムクゲが咲いている。
次に川の花は夙川に咲いている。セリ,ジュズダマが見つかる。夙川の河川敷にはシマスズメノヒエがある。夙川の石垣で見つかる花にヒメツルソバがある。夙川のつる植物にヒルガオがある。
イヌノフグリを探していたら2022年3月30日に神原小学校の石垣で見つけた。環境は石垣。特に学校や市役所の石垣が好きなようです。「名前の由来は?」と会場に問いかけ能登先生は写真を見せた。次に街中で見つかる植物としてシンテッポウユリ、タカサゴユリを映した。
山の植物に移った。湿原の植物として甲山湿原、剣谷湿原の花を紹介した。絶滅危惧種のムラサキミミカキグサが咲いている。モウセンゴケ、センブリ、キセルアザミ、キキョウ、リンドウを紹介した。知らない花が続く中、馴染みの花が出てくると正直ほっとする。
西宮北部の植物でヨコグラの木は牧野富太郎が大倉山で見つけた。六甲山地域の植物、西宮で一番高いところ、898.6メートルでブナ,イヌブナがある。ブナには白ブナとクロブナがある。「今ある木がなくなると再び見られ無くなる。」と話した。
予定時間の午後3時を回ったところでお開きとなった。吉井良明会長は「紹介いただいただけで232あった。西宮市にこんなに沢山の花や植物があることに驚いた。質問の時間が取れないのでひとつだけお聞きしたい。」と「植物の名前は見つけた人の名前がつけられるのか」と質問した。
能登先生は「学名は決まっています。よく付けられるのは別名として見つけた人の名前がつきます。」と答えられた。
貴重な機会を用意いただいた西宮文化協会事務局にひたすら感謝である。(了)