「尚歯会」第百十回記念大会風景
尚歯会第百十回記念大会が住吉公園グランド特設LIVE会場で令和5年10月7日(土)午後4時30分開演、楽しみに出かけた。プログラム1番、神戸市立住吉中学校吹奏学部演奏の様子をスケッチした。司会者が「今年、阪神タイガースがセントラルリーグ優勝しました。」と紹介、アンコール曲として「六甲おろし」を演奏、出席者も歌い、会場は大いに盛り上がった。
旧住吉村の場所に現在住む70歳以上全員を一般財団法人住吉学園が無料招待、この日3,500人が参加した。同地区の今年最高齢者は105歳で5人。その内のひとり池田とし子さんのビデオ・インタビューの様子が特設舞台左右の画面に映された。池田さんは大正8年(1919)生まれ。「長生きの秘訣は」と聞かれ「ただ食べてよく寝ることです」と答えた。会場がどっと沸いた。
次に旧住吉村の変遷がビデオ映像で紹介された。六甲山から多くの渓流が流れていた。沢山の水車があり精米など「水車産業」として白鶴はじめ多くの酒蔵から清酒が江戸へ積み出された。そうめん流しも行はれていた。昭和13年(1938)7月3~5日の間降り続いた豪雨で住吉川が氾濫した。家屋ごと流され多くの犠牲者が出た。その時の様子は谷崎潤一郎小説の「細雪」に詳しい。旧住吉村には住友、安宅、乾など多くの旧財閥の邸宅があった。谷崎潤一郎が住んだ倚松庵は昔の姿のまま残されている。
住吉村は昭和25年(1950)、神戸市に吸収合併され今日に至る。尚歯会は明治43年(1910)年に始まる。太平洋戦争で2回、阪神淡路大震災で1回、都合3回休んだ。「尚歯会」参加者は第50回、882人が参加した。第110回の今回は9,924名が招待された。挨拶に立った中田裕子、東灘区長は「今年、東灘区で90歳以上の方は1,154人、百歳以上は49名」と紹介した。竹本喜造、神戸市長が登壇「今年神戸市の百歳以上の方は1,339人。2030年に神戸空港が国際空港として開港します。是非皆様と神戸国際空港でお会いしましょう。」と挨拶した。
15分ほど休憩のあとプログラム2番、THE G.SグループサウンズスペッシャルLIVE,三原綱木、今井久、ミッキ吉野の演奏に移った。平均年齢74.4歳、最高齢は78歳の今井久さん。「歳をとりました。しかし、こうして演奏し歌っていると少年に戻ります。」と挨拶した。プログラム3番は漫才。大木こだま、ひびきは年寄りがテーマ。トイレが近くなる切実な話を笑い飛ばして会場を沸かせた。
プログララムのトリは伍代夏子、藤あや子、長山洋子が二曲歌っては交代、それを複数回繰り返した生演奏。加えて野外ということもあって圧巻だった。「3人が同じ舞台で並んで歌うのは40年の歌歴ではじめて」と長山洋子さん。長山洋子さんは「歌手の仲間入りした最初の歌です」とデビュー曲「ひぐらし」を歌った。「演歌歌手の前はアイドル歌手でした。屋外でのステージは本当に久しぶりです。神戸はおいしいお酒。いいですね」と前おきして「おいしいお酒飲めやいい」を歌った。伍代なつ子さんは「ここは神戸東灘区です」と前置きして、前川清の「そして神戸」を歌った。藤あや子さんは秋田出身と前置きし「10歳で秋田手踊りをはじめ10年。あと歌手となった。」と紹介、秋田民謡を歌った。
お開きは午後8時だったが、ここ数日の神戸は昼間は凌ぎやすいが7時半を過ぎるとさすがに冷えた。3人そろって歌う舞台を横目に席を立った。次回第百二十回記念大会は2033年に開催される。(了)