巨大で無垢。
どこまでも見通せるように透明で、深い。
微動だにしない磐石の世界、
悠然としているが、見事なリズム感。
ロマン横溢する演奏だが、「ロマン主義」のかけらもない。
クレンペラーのつくる音楽は、おそろしく現実的であり、同時におそろしく形而上的。
まったく比較するものがない。
フルトヴェングラーなど彼と同時代の巨匠たちがみな小粒に見える。
このウイーンフィルとの8枚のライブCDには、心底打ちのめされた。
私の40年間の音楽人生で、これほどのアルバムを聴いた=体験したのは初めてのこと。
空前絶後の音楽を前にして、私は呆然自失。全身が痺れて総毛立つ。
とても一曲ずつの感想は書けない。
一生の宝になる人類の至宝、まったく比肩するもののない「超絶の世界」にぜひ浸ってほしい。音楽観どころか人生観まで変わってしまうのではないか?
ドイツレクイエム以外は、ステレオ録音で音質も大変よい。ほんとうにありがたい。
http://www.hmv.co.jp/news/newsdetail.asp?newsnum=506100001
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クレンペラー賛も見てください。
武田康弘