
男一匹狼がへたれ社会を相手にがんばり抜く話かと思っていたら、いまのところ全く違い、ガキ大将が無産階級千人をなぜか味方につけて株で大もうけする(ために暴力を使う話)であった。男千匹株大将としか言いようがない。つまり、きわめてふつうの意識の話であった。
水戸のばあちゃんという、敏腕経営者が出てくるが、これも「羅生門」の老婆みたいなもので、下人に「仕方がない」やくざな商売を教えるにすぎない。今のところ。
俺は大物だ、他人も俺を大物と見抜く、俺は大物を見抜く、親分ついていきやす、やっちまえ…
何か最近の殺人事件を思い出させるが――とにかくよくわからんが、こんなスピリットで日本の経済が成り立っていたとしたら、没落するのは当然である。