★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

若一王子神社を訪ねる(香川の神社41)

2017-09-13 00:52:22 | 神社仏閣

大学の近くにある若一王子神社を訪ねました。数年前まで、ここをお寺だと勘違いしていました。入口に鳥居がなく、薬医門がでんとお出迎え。長野の若一王子寺神社も神仏習合時代の意匠を残すものとして知られているけれども、ここもそんな感じがします。若一王子は熊野十二所権現の一人で、アマテラスしかしその実体はっ十一面観音でござる。いやその実体はアマテラス、いやその実体は十一面観音、……まったく、神と仏の争いは面白いです。

とれはともかく、案内板での由縁の文章でも、いついつの天皇の頃、としっかり記述していました。注連石の裏には「征露第二年」とあり。祭神は、菟道稚郎子命。確かに王子なんだが、なんとも、……。応神天皇の子どもで超優秀だったしいのですが、異母兄の仁徳天皇に皇位を譲るため自殺したというとんでもないお方。あるいは一説によると仁徳天皇に暗殺されたとか……。文春砲も恐ろしすぎて、この手のスキャンダルは扱い切れまい。匹夫の浮気なんかどうでもいいから、もっと本丸を狙えよ、瓦版は……。

案内板曰く、「伝説によると老人夢見らく神黒馬に召され往行すと御轡の音のみは正しく現はに聞し人数人ありと云う。馬はこれ神馬なり此の神馬も四足に泥土に觸し踏あり、その踏も時を経て損せり。又昔当神社の広場に男女の童子集りて遊ぶ祭神はその中に交りて遊ぶ童子互に顔を見合せると必ず見知らぬ一人の童子が交りて居た。然しその容貌を記憶して者はないと云う。祭神が幼児に交りて それとなく擁護し給うたのである。」

……夢の中で行われる「おれを祀れ」的なエピソードよりよほどいいと思います。

 
庭園みたいなところのなかに、江戸時代の燈籠とか狛犬がいます。神社ではなく、お寺とか屋敷という感じです。

 
境内社。こちらには明確に鳥居があります。稲荷神社と多賀神社かな?

 
瓦以外は結構古くなっているようでした。


拝殿と本殿


本殿


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