★さちゅりこん――渡邊史郎と縦塗横抹

世界が矛盾的自己同一的形成として、現在において過去と未来とが一となるという時、我々は反省的である。(西田幾多郎)

じゃぱーん

2017-05-16 23:30:37 | 思想
・朝、「ワイルドワイルドウエスト」の一場面をメモを取りながら振り返っていたのだが、やっぱりこの映画にみられるような文化は俺たちのものじゃないという感じがした。

・板坂剛がむかし、連合赤軍の霊がXジャパンに乗り移ってるとか言ってたが、確かにそうかもしれない。

・安倍晋三氏が「ジャパンファースト」とか言っていたらしいが、そこは日本語で言って欲しいものだ。わたくしは、
https://www.youtube.com/watch?v=wTRfVkZ3MXE
しか思い浮かばない。籠池なんちゃらもそうだが、頼むから、もう少しまじめに生きて欲しいものだ。政治や教育で遊ぶなよ。学芸会じゃねえんだよ。

・今日、ニュースになっていたセンター入試の改革案。テレビで特に取り上げられていたのは英語だったが、むしろ国語がとんでもない代物で、いったいこの国はどこまで墜落したら気が済むのかと思った。大学入試の国語で、公文書や頭の悪い会話文などをあつかうのがそもそも論外であるが、設問が完全に狂っている。この問題をみて、何も感じない心の死んだ連中だけが大学に入れるようになったらコトである。この設問が何をやっているかというと、微分積分の問題を解かせたあと、「微積が得意な人と得意じゃない人がいます。得意じゃない人はコンプレックスのため得意な人に意地悪をしようとしています。得意じゃない人の立場に立ってその意地悪のやり方を自分なりに考えて120字で答えよ」という感じなのである。違うか。一見批判的能力とかPISAに関連した問題のふりをしているが、実際は、お上の言うことをもっともらしい作文に仕立てる子役人になるための訓練にみえる。だいたい、日本では、PISA型の議論もアクティブラーニングの議論も、子役人的バカを批判できない空気を醸成しているだけである。

・いやー確かに、こういう教育やってる奴っているわ。go to hell



・あまりにも激怒したので、外薗昌也や関曠野を読んで心を静めていたのであるが、突然、「眞子氏が海の王子と婚約へ」というニュースをスマホが教えてくれた。go to hell スマホ。というか、こんなどうでもいいニュースをつかってまで共謀罪を通したいのであろうか。

・関曠野が3・11のあと書いた本が『フクシマ以後』だが、今の天皇と皇后が、いわばロックの自由主義(ローマ教会が生み出した「両性の自由で平等な契約」に支えられているらしいのだが……)を否定したヘーゲル式家族論の体現者であり、国民に家族像を教化する体制を完成させた云々と書いていた。これは面白い見方だと思う。

・これまた、眞子氏が「海の王子」と婚約というのも、なんかほぼ神話に出てきそうな感じである。安倍籠池夫婦の問題とからめても面白い問題なのであるが、とりあえず、眞子氏の結婚式は青島かな。ヘーゲルの歴史哲学に、注として加えてもいい感じの出来事だ。違うか……。まあ、何か隠したい事件でもあったんだろうね、政府には。加計の何かかな…

・とりあえず、カスタネダの影響下にありそうな『ワイズマン』への違和感の一端を、眞子氏の出来事で感じることができそうだ。

1984あたり

2017-05-15 23:50:30 | 映画


オーウェルではないが、1984年あたりについて考えている。

「フィラデルフィア・エクスペリメント」は楽しい映画である。しかしわたくしは、女は結婚して子どもを産むべしみたいな思想を持ってそうな主人公の戦前海軍兵(俳優の名前は知らん)と恋に落ちた、八〇年代の田舎娘のナンシー・アレンが、果たしてこのあとどうなったかが気になる。同じ頃の「バックツーざフューチャー」をみてもそう思うけど――、過去を悔やむことは簡単だが、未来を悔やむことは難しい、と言わざるを得ないからだ。タイムトリップしてそこまで忘れてしまっては困る。

この二作においても、主人公の車好きはなにか常軌を逸しているものがあり(誰かが言っていたように思うが、「フィラ~」の主人公の田舎はたしかサンタ・ポーラであり、とすれば車狂のマックィーンが示唆されているのであろう)、やっぱりこんな人たちにとっては車市場で日本に侵略されたのがかなり心の傷であったのかもしれない。何かの雑誌を読みながら「信じらんないねドイツと日本と仲良くなんて」とその海軍青年は言う。よく見えなかったが、車の雑誌じゃなかろうな……。海軍青年×ナンシーの子どもはやっぱり車狂になるのであろうか。「フィラデルフィア・エクスペリメント」のテーマは、歴史は単に繰り返すのではない、意図的に繰り返したら世界は終わる、である。「フィラデルフィア計画」のように。たぶん、海軍青年はそれを目の当たりにしたので大丈夫だろう。はじめは納得しなかったも知れないが、アメリカが日本とドイツと仲良くすることが、「フィラデルフィア計画」よりましだったことに気づくであろう。彼の息子は、日本のアニメオタクとなり、アキハバラで(ドイツ語が出てくる)エヴァンゲリオンあたりが好きな日本の女子と恋に落ちて、お父さんをいらいらさせるだろう。

ナンシー・アレンの未来は……、わからない。

40代、海へ

2017-05-14 23:08:24 | 思想


わたくしは、信州木曽で育っており、まさか「瀬戸内海べりの一寒」(壺井栄)、いや一寒街にたどり着くとは思っていなかった。いまでも海辺に行くと恐怖で後ずさりするのであるが、それは必ずしもわたくしが山とは違う海を得体の知れないモノとして認識してしまうからではないと思う。なぜなら、山育ちのわたくしをしていわしむれば、山は山なりに恐怖の対象だからである。ただ、なんとなく海を見て育ったやからとわたくしは違う気がしていたので、屡々、論文とか授業とかでそのことを気にかける発言をしている。

で、前から気になっていたのが川勝氏のこの本である。この人は、政治家でもありときどきあれな発言が伝えられているので偏見があって、山室信一の本のとなりで長らく眠りについていたのだが、今日少し読んでみた。非常に壮大な試みで、それ自体が海洋的な感じがする。わたくしは、そもそも日本を島国だと思っているのは海辺のやつらだけではないかと思うのだ。山は物のバラエティの密度に於いて恐ろしく濃く広く感じるので……。自分が孤独である感じがあまりしないのが山人の特徴であろう(そうでもない気がしてきたが……)対して、家に帰りたがるのは、安部公房の「砂の女」の主人公みたいな砂に憑かれてしまった人か、自分の土地を買ったり田んぼを持った連中なのではあるまいか。

そういえば、わたくしは海も苦手だが、空も苦手で、飛行機というものは100%墜落するものだと信じている。

どだい

2017-05-13 23:41:00 | ニュース


・そもそも、どだい無理な話というものがあるのであるが、ふるさと納税でヘラクレスオオカブトを返礼品にしていたところがあるそうである。早く言ってくれよ、わしも文学伝々で悩んでないでさっさと納税したかもしれないのに。

総務省はいちいちうるせえんだよ。

・兎が餌を食べる姿がかわいい

・直接民主政になるとかいっていた自治体はどうなったんだろう……

・少子化少子化ってうるせえな、もう人型ロボットを人口に数えることにしようぜ。コンビニ官庁学校でロボットみたいな奴増えてるから問題にならんだろう。みんな、くだらん職場で人間的であることをやめてるだけだ。問題なし。もちろん子作りもロボットに頼もう。恋愛は人世の秘鑰なり、人間様はこれに特化してがんばる!

・「バーバレラ」で、旧型セックスと新型セックスというのがでてきておもしろかった。前者は、いままでやつで、後者は手を合わせるだけで出来るのだ。

・憲法は権力の暴走を止めるための虚焦点的大目標だからきれい事並べといたほうがいいのではなかろうか。朝鮮ベトナムイランイラクと戦争には協力しまくるし、自衛隊はむろん違憲状態、基本的人権は守られず、天皇は総意に基づかず、結婚ばなしに親親戚がクソみたいな干渉をしまくり、法は弱者に不利に出来ており、冤罪はたくさん、女性の足は引っ張るし、そもそもいろんな不断の努力はしておらず、ほとんどいままでも違憲だらけの世界だったのである。ただ、総理大臣も含めた公務員がこれを守らなきゃいけないことになっていることで、どれだけ弱者が守られてきたことであろう。国家も学校に似ていて、永久に失敗はしつづけるのだが、高い教育目標を掲げるべし。そうでないと弁証法というものは働かず、みんなで仲良くできたふり、生きていてありがとう、などの地平で悩む事になる。たいがい、我々はこの教育の強いる背反状態に耐えられないのであるが、だらだらと耐える方法を見つけるのが人間の文化というものであろう。だいたい、我々の憲法は、様々な理由があって天皇の存在を象徴にしてもらっていたのであるが、――それはともかく、ホントの我々にとっての象徴的な何かは、「戦争やるほどのタマじゃなかったのでもうやめとく」「ていうかもうイクサはしんどい、殺すの大変」「死にたくない」「粗暴な馬鹿が威張るのにはもうウンザリ」という厭な「気分」だったのである。それがなけりゃ「日本」にはとっくに統合のシンボルはない。ただ、それが何か厭な気分というか、欠落の気分というか、とにかく後ろ向きのニュアンスがあった「平和主義」であったから、そこがあれといえばあれなのであって――ポジティブじゃなきゃアイデンティティが安定しない頭の傾向の方々が不安に駆られ、日本礼讃番組で必死にこいて何かを探しているが、いまもやっぱり特にないように思えますね。もっとも、その「気分」が安寧秩序第一優先にスライドして、我々の国は北朝鮮化してしまったのであるが……。そこは三島由紀夫の気分が当たってた。

・天皇一族はもうかわいそうだから一般人にもどしてあげるべき。だいたい、役柄によって人権が制限されて良いと考える発想が広まるとやべえんだよ。天皇じゃなくても、聖職、子ども、自衛官、貧乏人の分際、たかが選手、日本代表、芸能人、などの理由を以て人権などを制限して当然とかんがえる輩は沢山いるからだ。

・ヤクザもテロリストも一般人じゃねえの?

・あっ、そういえば、わたくしは授業などでしばしば「一般ピーポー」とか言って大衆を馬鹿にしていた。まことに申し訳ございません。

・光熱費が問題だということであるが、一番の解決策は、もう大学に出勤せず、出勤したとしても、パソコンでこちゃこちゃ遊ぶのをやめたらいいということになるであろう。

・いろいろな選挙のときに、候補者は偏差値が30ぐらい落ちているとみてよいであろう。

かわいいウサちゃんが飼いたい

2017-05-12 23:02:39 | 大学


今日は、授業の最初に、佐藤卓己の『青年の主張』と、島田裕己の『もう親を捨てるしかない』を紹介したのだが、後者の紹介が案外簡単なのに対して、前者がとても難しかった。後者は重大な深刻な問題であるわりに解が限られているような気がするのに対し、前者は何が問題なのか我々にとってまだはっきりしていないからだろう。本当は教育学部の学生はそのはっきりしない事を相手にしなければならないのである。しかし、どんどんそこからは遠ざかる学生が増えている。政府の方針に振り回されて未来を虐殺しないためには、そんなことを考える訓練が必要だと思う。

いま立ち止ったら 悲しみにおぼれてしまう

2017-05-08 23:51:55 | 漫画など


すすまなきゃ、とは、ナウシカ姫の言葉である。ナウシカのこういうところは、彼女がただの「弱者に寄り添う系」ではないことを示している。しかし、進んだ結果どうなったかは、賛否あるところだ。だいたい、現世では「(絶望せず、)前だけを向け」と言う輩は、前も後ろも区別が付かないファシストか、神秘的な跳躍が必要だと思ってしまったマルクス主義者か、運動会での教師だけである。ナウシカが戦争機械のようなやつだったことを忘れてはならぬ。

そういえば、イスラムの人が大統領になる結末を持つ、ウェルベックの『服従』は当時のテロ事件のあれもあって面白かった記憶があるが、今考えてみると、どうみてもグローバル人材の小型巨神兵みたいなマクロンが勝利するという現実の結末の方が、あとの反動も含めて恐ろしい気がしてきた。この作者、どうも「オラオラ」的な展開が好きな感じがするのであって、もしかしたら、うちの国で言えば、永遠に霊のあの方に近いのではあるまいか?我々の国では、本質的な問題が、あまりにも阿呆の相貌を持って現れるので気をつけなければならない。

「異次元SF映画」とわたくし

2017-05-07 22:05:51 | 映画


研究者や評論家には、SFマニアが少なくないが、わたくしはそれほどでもない。洋泉社が以前出した『異次元SF映画100』という本(……わたくしは、こういうなんとかベスト100という類の本が大好きだ――)があったが、読んでみると、残念ながら、15本ほどまだ観ていないものがあることが判明した。『白痴』と『悪霊』を混同していた時以来の屈辱である。『Xファイル』全話制覇などやってないで、ちゃんとまじめなSFを制覇すべきだったのだ。

昨日から佐藤卓己氏の『青年の主張』を読んでいるのだが、なんだかいつもの著者の勢いがないような気がした。対象がさすがにあれという感じがするけれども、これは京大のグローバルなんちゃらの科研費「心が活きる教育のための国際的拠点」の一部だそうだ。まったく、科研費への応募自体がまさにですね「青年の主張」でありますから(以下略)

昔から弁論部などに入って「青年の主張」に出場したりする人がいたし、今も似たような番組はある。赤軍派のあの女リーダーも出場していたらしく、たしかに、なんかよくわからんが納得である。科研費も自民党も赤軍派も精神的には似たようなものだ。まったく私には理解できない世界である。

私は、それよりもSF小説に夢中である学生時代の方がましだと思う。

……と思いたいところだが、わたくし自身は、勉学ほったらかしで吹奏楽に淫しており、高校で行われた弁論大会では、一年生の時に二位になったことがある。三年生の優等生に負けたのである。わたくしのは、真の反抗とは真実追究だとかなんとかヘタレな内容であり、それを知った学生運動世代の父が会場のヤジを心配していたが、ブルーハーツ尾崎豊ユーミンの世代の田舎者にはそういう真の愛国者などおらず、――というより、当時はまだそんなわたくしのような心情的反抗者を理解する教員がいて、たぶんわたくしはそれに媚びたのである。

真の異次元SFとは、わたくしのような半端な若者を宇宙人が殺すところから始まるのである。そうすりゃ話は加速して面白いかも知れないが、スピード感を持ってとか、政治的加速主義とかわたくしは優等生のあれとしか思えん……が……


愛の暮らし 同棲時代

2017-05-06 23:44:55 | 漫画など


昔読んだつもりになっていたが、どうやら読んでなかったので、改めてめくってみたが、なんだこりゃいい漫画じゃないか……。やはり、こういう世界を相対化する時にわれわれはいろいろと間違えてきてしまったのだと思う。

黄金週間記念――大山牧場に遊びに行く

2017-05-05 22:55:48 | 日記
今年も牛さん達に会いに行きました。

馬さん


そこの人間ども、調子こいて見に来てんじゃねえぞ、寝てんだから


おいそこの人間ども、こちとら鉄の棒が大好きですよぺろぺろ


お尻向けてますが何か文句ある?


ぺろぺろ


羊は群れるに決まってんだろうがよ


人間の皆さん、アパシーって知ってますか?


何知らない?


草くれよ――注:わたくしのスマホを草と間違えて誰かの舌(耳かも)が特攻したようです


草くれよ草くれよ


このスマホくれよ


草くれよ


草くれよ


草くれよ(危うく喰われそうになった私)

社会的連絡網

2017-05-04 23:51:20 | 映画


ちょっと前に評判になっていた「ソーシャルネットワーク」を観た。音楽がいいな。

あと、この映画の良さは、フェイスブック(←なんか面倒なのでやめたが)とかのソーシャルネットワークが、所詮ナンパ用連絡網だったということを示し、主人公が初めにやってつぶされた、女への復讐の手段としての「女の子の人気投票」みたいなものとは別だということをちゃんと示したことにあると思う。今のネットの世界をみると、この二つの世界が拮抗しているのをみることができるように思う。が、この現象自体は大した問題とは思えない。

むしろ学長のLawrence Henry Summersの発言の方が問題だ。倫理よりモチベーションだ、みたいな……。主人公の考えはどうなのか?トランプが、ときどき習近平や金さんを「クール」だとか言っているのは、私は案外本気だとみている。