10月17日、高階秀爾東大名誉教授、元西洋美術振興財団理事長・大原美術館長が心不全で亡くなったとの報があった。享年92歳。
近いうちに田中優子との共著「江戸への新視点」(2006年)を手に入れようと考えていた。以下私が勉強させてもらった著作をあげてみた。実に多くのことを学ばせてもらった。
☆「近代美術の巨匠たち」(岩波現代文庫)
☆「名画を見る眼 Ⅰ:油彩画誕生からマネまで」・「名画を見る眼 Ⅱ:印象派からピカソまで」(岩波新書)
☆「近代絵画史 上:ロマン主義、印象派、ゴッホ」・「近代絵画史 下:世紀末絵画、ピカソ、シュルレアリスム」(中公新書)
☆「ルネッサンスの光と闇:芸術と精神風土 上・下」(中公文庫)
☆「芸術のパトロンたち」(岩波新書)
☆「バロックの光と闇」(講談社学術文庫)
いづれも啓蒙書ではあるが、啓蒙書に見られがちな説教臭さを感じさせない著述に思えた。豊富な知識と思考の柔軟さに敬服していた。つい最近も日曜美術館で辻惟雄氏との同年代(ともに1932年生まれ)対談があったばかりである。
追悼の意を込めて、早めにその他の著書にも目を通したい。