シューベルトの交響曲は実に久しぶりに聴く。このCDは1981年の録音でかつ廉価版ではないので、1980年代の半ばまでには購入したように思われる。シューベルトの交響曲の全曲録音でCD4枚のシリーズとなっている。ということは1980年代半ばにはシューベルトの交響曲を聴いていたことになる。あまり記憶にないのだが‥。
この曲の発見の経過から第7番とも第9番とも云われているが、近年は第8番として定着したようである。このCDが発売されたころは第7番とても云われた板。当時から番号の複雑さから「ハ長調の交響曲」と呼びならわされていた。
最初の楽章は、ホルンの伴奏を伴うユニゾンでおおらかに始まる。第2楽章はオーボエのソロで始まる。
このCDを購入したころにはまだこの交響曲を聴く機会は余りなかったように思う。あまりに未完成交響曲のイメージが強すぎたせいだと思われるる。
シューベルトらしいと云われる息の長い旋律で全体がおおわれている。第1楽章の冒頭のホルンは一度聴いたら忘れることのできない旋律である。第2楽章のオーボエも忘れることができない。第3楽章のつんのめるような、そして息せき切ったリズムはこれまたとてもユニークである。第4楽章は威勢のいい出だしから始まり、1155小節という長大な曲として有名である。
4つの楽章それぞれに特徴があり、変化に富んだ曲でもある。同時にシューベルトらしい雄大な旋律が統一的なイメージを貫いてもいる。私はとても気に入っている曲である。
指揮はヘルベルト・ブロムシュテット、ドレスデン国立管弦楽団。1978年から81年にかけてレコーディングしたシューベルトの交響曲全集に含まれている。