※「絵本・児童書」カテゴリー内に追加します
子供が思うとめどもないシンプルな質問に対して
シンプルで的確、子どもがすぐに分かる言葉で答えるお母さん
それは、すべてが循環していて
終わりは始まりという宇宙のことわりでもある
「おしまいになってしまうものは、なにもない」
子どもは「今」に生きていて
目に見えるところまでで
その先を想像する力がまだないけれども
母親のストーリーでとても腑に落ちたことだろう
こうした時間、触れ合いがどれほど豊かか
「そんなこといいから、早く寝なさい!」
じゃないのが素晴らしい
いつもそばにいる黒猫も可愛い
【内容抜粋メモ】
男の子は昼間がおしまいになって残念だなと思う
今日は友達と1日庭で遊び、とてもいい日だった
夜、お父さんはベランダで本を読んでくれた
お母さんが寝かしつけに来てくれた時
男の子はいろんなことを聞いてきて
その1つずつに答えていく
どうして昼がおしまいになってしまうの?
夜が始められるようによ
お星様が出て
お前が楽しい夢を見て眠れるようにね
昼がおしまいになったら、おひさまはどこへ行っちゃうの?
昼はおしまいにならないわ
別のところでまた始まるの
おしまいになってしまうのは何もないの
風は止んだらどこへ行くの?
遠くへ吹いて行って
どこかでまた木を揺らすのよ
たんぽぽのふわふわはどこへ行くの?
誰かのお庭に種を運んで花を咲かせるの
道は見えなくなったらどこへ行くの?
向こうで別の子が見ていて
あそこから道が始まったなって思うのよ
山はてっぺんまでいったらどこへ行くの?
また谷が始まるのよ
波は海岸にぶつかってくだけてどこへ行くの?
また海の中に吸い込まれて、新しい波になるの
雨の水はどこへ行くの?
また雲に戻って、別の雨になるの
木の葉っぱは、秋になって落ちてしまったら?
土に戻って、新しい木や葉の栄養になるのよ
その葉っぱも落ちたら、秋はおしまいだよね
ええ、でも秋の終わりは冬の始まりよ
本当にぐるぐる続いていくんだね
おしまいになっちゃうものは何もないんだね
今日は行ってしまった
明日が来たらお月様は遠い所へ行って
そこでは夜が始まるし
お日様はここへ来て
新しい一日を始めるのよ
***
ムーミンママがムーミンに言う言葉で私が大好きなフレーズがある
なにかしんぱいごとでもあるの? ムーミンママが聞きました
いや とムーミントロールが答えました。
さあ、明日も長い、よい一日になるでしょう
しかもはじめからおわりまで全部おまえのものなのよ
それはとても楽しいことじゃない!
と、 ムーミンママは言いました。
(小野寺百合子訳)