※「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します
図書館で借りられるジュヴェナイルのミステリーを制覇しつつあって
一般向けの小説も一緒くたにまとめに入れちゃってるのは、どうしようかなあ?
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
・論創海外ミステリ - Wikipedia
いろんな解説の中に出てきた“ソーンダイク博士”の事件を読むのは初めて
ホームズよりさらに偏屈な変わり者かと思っていたら
意外とフツーに朗らかな科学者?
ワトソン的役割となる医師ジャーヴィスが関わった気味の悪い事件が謎すぎて引き込まれる
この2人が組むことになったきっかけぽい『赤い拇指紋』も読んでみたい
本作はジャーヴィスがソーンダイクのもとで正式に働く出発点となった事件
インフルエンザの流行とかで日にちがあいたとはいえ
あんなに奇妙な体験とその後の相談案件を結び付けないって妙だな
客観的に抜粋して見ているからシンプルだけど
実際の日常生活からだと結びつかないものかもしれないが
<半分まで読んだ私の推理>
兄が弟をアヘン漬けにして遺言書を書き換えさせた
ニューインの管理人は当時の御者
2/3まで読んでも展開は変わらず
ソーンダイクは助手にしつこいほど関連性を問いているのに
気づかないのはフシギでイライラするほど
ワトソンならもうとっくに気づいてるのでは?
どんなに意外でも、最後に残ったことが事実て手法もホームズと同じ
同じ時代に書かれたミステリはすべて似通ってしまうのか?
【内容抜粋メモ】
登場人物
ジョン・イヴリン・ソーンダイク 法医学者、法廷弁護士
ジャーヴィス ジュニア・パートナー
ポルトン 助手
H.ヴァイス 病の主人
グレーヴズ 友人
ミセス・シャリバウム 家政婦
ジェフリー・ブラックモア 東洋学者
ジョン 兄
ウィルソン 姉
スティーヴン 甥
マーチモント 事務弁護士
ウィルウッド パートナー
ドクター・スティルベリー 一般診療医
ジュリエット・ギブスン ジャーヴィスのフィアンセ
■序文
完全なリアリズムこそが探偵小説を面白くする必須要素
ソーンダイクが軌跡図を作成する方法は現実に利用されている
私が考案した方法を修正したもの
物語の背景であるニュー・インは、400年以上も維持された法曹院内の住居棟の1つだったが
最近取り壊された
門前を通りかかった時、簡単なスケッチをした(上手い!驚
■第1章 謎多き患者
ジャーヴィスは以前からソーンダイクに一緒に働こうと誘われつつも保留して
ドクター・スティルベリーの代診をしている
馬車の御者がH.ヴァイスからの手紙を渡す
友人グレーヴズの往診に来てほしい
気難しく、家から遠い医師じゃなきゃダメだという条件を出した
馬車は外からカギをかけられて、景色が見えないが
車体の震動、音などから橋をわたったり、汽笛の音が聞こえる
「屋敷」
シャリバウムという家政婦がロウソクを持って部屋に案内する
普段使われていない部屋にグレーヴズが寝ている
ヴァイスいわく、ほとんど寝ていて、たまに正気に戻る
見ると極度にやつれて、右目の視力はない
典型的なアヘンかモルヒネ中毒の症状だが
ヴァイスは「睡眠病」ではないかと推す
グレーヴズは外国にいて感染した可能性があり
必ず死に至る病だと話していた
なにもかも怪しくて、疑いを消せないまま帰宅
御者には告げずにアヘン中毒に対処するクスリを渡す
かつての学友ソーンダイクに相談しようと決意する
■第2章 ソーンダイク、陰謀を企てる
ソーンダイクは気持ちよく迎えて、フィアンセのためにも
ジュニア・パートナーになることを承諾してくれ、と再び頼む
事件については、いつも時系列に聞きたがる
睡眠病は黒人しかかからないと言われるが
2人とも専門知識がないため確定できない
そして、薬物を投与したとなれば、ヴァイスの仕業に違いない
判断力を低下させて、遺言書などを作成させる場合がある
彼らが変装で、御者や家政婦も共犯の可能性も高い
医者は刑事じゃないが、法の順守に協力する義務がある
証人として呼ばれるまでは誰にも話すな
次に呼ばれたら、読書用の明かりと方位磁石を持って
出発した時間、周りの音などを詳細に記録して
「軌跡図」を作れば、大体の場所が分かる とアドバイスする
■第3章 “汝らの内に、書き記さる子あり”
言われた通りに記録するジャーヴィス
グレーヴズは瀕死の状態で、濃いコーヒーを持ってくるよう指示すると
紅茶しかなく、御者に頼まずにシャリバウムが取りに出る
彼女は外斜視と分かるが、それを隠そうとしている
いつもヴァイスは遅れて登場
ジャーヴィスがモルヒネ中毒と断定すると、死後の検視対象になるため
蘇生処置にしぶしぶ協力する
彼のメガネのレンズから見えた壁の景色に違和感を感じる
グレーヴズが寝てしまわないよう声をかけ続けるのに
ヴァイスは途中で止めて、急ぐ仕事があるからと部屋を出たのに驚く
シャリバウムにあとを頼むと、意識が戻ったグレーヴズはポールンと呼ぶ
絶対に眠らせないと約束して、帰るよううながされる
グレーヴズはずっと「私を間違えている」と言っていたが何のことか?
謎が残るが、もう呼ばれることはないだろうと残念に思う
■第4章 公式見解
“ハツカネズミであれ、人間であれ、計画はしばしば損なうもの”『二十日鼠へ』
インフルエンザが流行り、多忙を極めて
事件に構っていられなくなるジャーヴィス
ドクター・スティルベリーも帰宅して、2人で診察に奔走する
“誰かにとって悪い風も、別の誰かを喜ばせる”(イギリスの諺
スティルベリーにも事件について報告し
一緒に警察に届け出てくれることになったが
証拠もなく、場所も人名も分からないと何も出来ないと言われてしまう
警官:警察は、犯罪が行われるか、試みられた後にのみ出動できるのです(意味ないよね/汗
■第5章 ジェフリー・ブラックモアの遺言書
スティルベリーの仕事がひと段落ついたところで
ソーンダイクと契約を交わして、正式にジュニア・パートナーとなる
事務弁護士マーチモントに会い、スティーヴン・ブラックモアを紹介される
“ビールを飲むやつは、頭の中までビールだ”(イギリスの言い習わしwww
叔父ジェフリー・ブラックモアは2年前に遺言書をつくり
スティーヴンにすべて遺すと書いてあった
3月に自室で死亡した時、昨年、新たに作成した遺言書が見つかり
そこには兄ジョンが遺言執行人、残余遺産受取人に指定されていた
ジェフリーの財産はそれほどではなかったが
彼が死ぬ2日前、姉のエドマンド・ウィルソンが亡くなり
遺言書に3万ポンドの動産すべてジェフリーに遺したため
ジョンに大金が入ることになる
姉がジェフリーに遺すことは本人は知らなかったと推測される
新しい遺言書が無効にならないか調べているがカンペキなため
ソーンダイクに相談
「ニュー・イン」
昨年11月12日、ジェフリーは管理人ウォーカーと甥に
遺言書の証人を頼んで2人は署名した
ジェフリーとジョンはあまり仲が良くなかったが
ジェフリーがニュー・インに住んでいたことを知っていたのはジョンだけ
ジェフリーは片目を失明している
(こんなに共通点があるのに気づかないジャーヴィス
■第6章 故ジェフリー・ブラックモア
ジェフリーの第一発見者は、建設作業員
様子がおかしいと管理人を呼んで入ると死んでいた
注射器を握り、右大腿に注射の跡があり
死因はストロファンチンの中毒死
モルヒネも相当量検出された
視力の低下に悩んだ末の自死と判断された
兄は弟のアヘン中毒を知っていたため驚かなかった
ジェフリーは東洋学を研究していた 兄とは全然違う性格
ジョンは競馬に通い、ギャンブル好き
役者も演り、もぐりのブローカーだった
ウィルソンはジョンが大嫌いだった
■第7章 楔形文字の碑文
ソーンダイクとジャーヴィスはニュー・インの現場を見に行く
ソーンダイク:部屋そのものから住人の個性が伝わるものだ
だが、部屋には生活感がなく、荒れ果てて、故人ぽいところが全然ない
それはクスリでヤラれていたせいか?
長方形の額縁に楔形文字が飾られているが、逆さまのまま飾られていた
金具は最近取り付けられたもの
ガラスの欠片などを拾い、ブリキの小箱にしまう
ジャーヴィスにも証拠品を入れるために必要だとアドバイス
■第8章 軌跡図
ジャーヴィスの体験した事件は殺人だと断定して
馬車で移動した記録を軌跡図にすると
ぐるぐる寄り道していて、実際は徒歩10分以内だと分かる
(この手法もホームズであったよな
■第9章 謎の家
近所だから歩いて行ってみると「貸家」とある
その不動産屋で聞くと、借りたヴァイスはドイツへ帰った
住んでいたのは半年ほど
家政婦は玄関のカギを持っている
時々郵便物が来るから取りに来る
ポストを覗くと手紙があり、ヨハンとある
寝室のドアには外から閂がかけられていたらしく
その跡は消されている
窓にも南京錠がかけられている
ソーンダイク:
悪魔の所業だ 冷酷な犯罪で僕はけして許すことができない
神から課せられた使命とするよ
暖炉で焼かれたゴミからメガネの一部が見つかる
2本の葦の棒が何に使われたのか問われても見当もつかないジャーヴィス
シャリバウムが手紙を取りに来て、2人に気づいたと思われる
2人は分かれて帰ることにする
■第10章 追われる追跡者
ジャーヴィスは乗り合い馬車の2階から周囲を警戒する
フィアンセのジュリエットに会いに行くと留守でガッカリ
1人で演劇を観て、喫茶店に入ると
女性客が派手にビーズ細工をばらまいて、拾うのを手伝う間
ティーカップに角砂糖を入れられて怪しむ
女性が外斜視なため、シャリバウムの変装だと気づくと逃げてしまう
今度は徹底的にまいて、事務所に帰る
ソーンダイク:
乗り合い馬車の1階にシャリバウムが乗っていたんだ
演劇を観ている間に家に戻り、君を毒殺する準備をした
ということは彼女が今住んでいるのは近所と推定される
角砂糖を調べるとトリカブトがしみこませてある
ジャーヴィスは唯一の証人のため、2人に今後も狙われるから
1週間は外に出ないよう注意される
ジュリエットの家も監視されるから連絡を取らないこと
■第11章 ブラックモア事件の調査
ジェフリーがニュー・インに住んでから書いた小切手23枚の署名を調べるため
全部の写真を撮るのを手伝うよう言われる
縮小して撮り、署名を拡大する
ソーンダイク:
人相は単に顔つきだけじゃない
体のあちこちにその人固有の特性がある
ノドの特性により、個別の声が出る
話し方やアクセト、筆跡も同じ
法律の仕事を始めたばかりの頃、時間つぶしにさまざまな完全犯罪を空想して
次は捜査する側から見て、弱点を見つけ出す訓練は実に価値あるものになったよ
(ホームズもそうだけど、探偵にならなきゃ天才的な犯罪者になってたな
■第12章 ポートレート写真
最初の遺言書と比較してみると、時々古い特徴に戻っていると分かる
視力の低下は徐々に進行するのに、筆跡の変化は断続的
御者とヴァイスが同一人物説を推すソーンダイク
■第13章 サミュエル・ウィルキンズの証言
ソーンダイクはポルトンをヴァイスそっくりに変装させたが
見破れなかったジャーヴィス
メーキャップは照明を効果的に使う&見る者との距離をあけることが重要
男女を乗せた馬車の御者ウィルキンズの証言
ニュー・インまで送ると、ヴァイスは目が見えていないかのようによろけていた
ジェフリーが死んだ夜、その女もいたと分かる
■第14章 ソーンダイク、爆弾を仕掛ける
ソーンダイクの唯一の楽しみはトリチノポリ葉巻
特別な祝いの時だけに味わう
2通目の遺言書は偽造だと分かり、ブラックモア事件は解決したと
マーチモントに手紙を出す
■第15章 ソーンダイク、爆弾を炸裂させる
翌日、マーチモントは短気なパートナーのウィンウッドと
スティーヴンを連れてやって来る
ソーンダイクはみんなに分かりやすいように話していく
謎の棒は日本の筆!
瓶は変装用のヒゲなどをつけるための糊が入っていた
御者が見た事件当夜の女はジェフリーの女装!
ジョンが朦朧としているジェフリーに着せた
ニュー・インにいたのは兄ジョン
ジェフリーは別の屋敷に監禁され、アヘン漬けにされていた
■第16章 解説、そして悲劇
ウィルソンはがんに侵され、大体の寿命が親族に知られた日から事件は始まった
遺産が欲しかったジョンが仕組んだ犯罪
毎晩、午前1時まで明かりがついていたのはロウソク
ニュー・イン、ジェフリーのいた屋敷にも
変装用のメガネレンズの欠片が落ちていた
ジャーヴィスを乗せた御者もジョンの変装
ジョンはジェフリーに女装させてニュー・インに運んだ
シャリバウムは妻と思われる 元女優
犯罪捜査局のミラー警視を呼ぶと
2人は逃亡中の急行で毒を飲んで死んだ
■訳者あとがき
20世紀初頭に早くも“科学捜査を用いた探偵”として人気を博したソーンダイク
(これが科学なら、ホームズもそうでは?
本作は時系列的に第3作目にあたる
1.赤い拇指紋 2.オシリスの眼
ロンドンにある4つの法曹院
グレイズ・イン、リンカーンズ・イン、インナー・テンプル、ミドル・テンプル
ソーンダイクの事務所があるキングズ・ベンチ・ウォークはインナー・テンプルにある
(こんなに法律に近い場所でわざわざ殺人をしなくてもいいだろうにね
図書館で借りられるジュヴェナイルのミステリーを制覇しつつあって
一般向けの小説も一緒くたにまとめに入れちゃってるのは、どうしようかなあ?
【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください
・論創海外ミステリ - Wikipedia
いろんな解説の中に出てきた“ソーンダイク博士”の事件を読むのは初めて
ホームズよりさらに偏屈な変わり者かと思っていたら
意外とフツーに朗らかな科学者?
ワトソン的役割となる医師ジャーヴィスが関わった気味の悪い事件が謎すぎて引き込まれる
この2人が組むことになったきっかけぽい『赤い拇指紋』も読んでみたい
本作はジャーヴィスがソーンダイクのもとで正式に働く出発点となった事件
インフルエンザの流行とかで日にちがあいたとはいえ
あんなに奇妙な体験とその後の相談案件を結び付けないって妙だな
客観的に抜粋して見ているからシンプルだけど
実際の日常生活からだと結びつかないものかもしれないが
<半分まで読んだ私の推理>
兄が弟をアヘン漬けにして遺言書を書き換えさせた
ニューインの管理人は当時の御者
2/3まで読んでも展開は変わらず
ソーンダイクは助手にしつこいほど関連性を問いているのに
気づかないのはフシギでイライラするほど
ワトソンならもうとっくに気づいてるのでは?
どんなに意外でも、最後に残ったことが事実て手法もホームズと同じ
同じ時代に書かれたミステリはすべて似通ってしまうのか?
【内容抜粋メモ】
登場人物
ジョン・イヴリン・ソーンダイク 法医学者、法廷弁護士
ジャーヴィス ジュニア・パートナー
ポルトン 助手
H.ヴァイス 病の主人
グレーヴズ 友人
ミセス・シャリバウム 家政婦
ジェフリー・ブラックモア 東洋学者
ジョン 兄
ウィルソン 姉
スティーヴン 甥
マーチモント 事務弁護士
ウィルウッド パートナー
ドクター・スティルベリー 一般診療医
ジュリエット・ギブスン ジャーヴィスのフィアンセ
■序文
完全なリアリズムこそが探偵小説を面白くする必須要素
ソーンダイクが軌跡図を作成する方法は現実に利用されている
私が考案した方法を修正したもの
物語の背景であるニュー・インは、400年以上も維持された法曹院内の住居棟の1つだったが
最近取り壊された
門前を通りかかった時、簡単なスケッチをした(上手い!驚
■第1章 謎多き患者
ジャーヴィスは以前からソーンダイクに一緒に働こうと誘われつつも保留して
ドクター・スティルベリーの代診をしている
馬車の御者がH.ヴァイスからの手紙を渡す
友人グレーヴズの往診に来てほしい
気難しく、家から遠い医師じゃなきゃダメだという条件を出した
馬車は外からカギをかけられて、景色が見えないが
車体の震動、音などから橋をわたったり、汽笛の音が聞こえる
「屋敷」
シャリバウムという家政婦がロウソクを持って部屋に案内する
普段使われていない部屋にグレーヴズが寝ている
ヴァイスいわく、ほとんど寝ていて、たまに正気に戻る
見ると極度にやつれて、右目の視力はない
典型的なアヘンかモルヒネ中毒の症状だが
ヴァイスは「睡眠病」ではないかと推す
グレーヴズは外国にいて感染した可能性があり
必ず死に至る病だと話していた
なにもかも怪しくて、疑いを消せないまま帰宅
御者には告げずにアヘン中毒に対処するクスリを渡す
かつての学友ソーンダイクに相談しようと決意する
■第2章 ソーンダイク、陰謀を企てる
ソーンダイクは気持ちよく迎えて、フィアンセのためにも
ジュニア・パートナーになることを承諾してくれ、と再び頼む
事件については、いつも時系列に聞きたがる
睡眠病は黒人しかかからないと言われるが
2人とも専門知識がないため確定できない
そして、薬物を投与したとなれば、ヴァイスの仕業に違いない
判断力を低下させて、遺言書などを作成させる場合がある
彼らが変装で、御者や家政婦も共犯の可能性も高い
医者は刑事じゃないが、法の順守に協力する義務がある
証人として呼ばれるまでは誰にも話すな
次に呼ばれたら、読書用の明かりと方位磁石を持って
出発した時間、周りの音などを詳細に記録して
「軌跡図」を作れば、大体の場所が分かる とアドバイスする
■第3章 “汝らの内に、書き記さる子あり”
言われた通りに記録するジャーヴィス
グレーヴズは瀕死の状態で、濃いコーヒーを持ってくるよう指示すると
紅茶しかなく、御者に頼まずにシャリバウムが取りに出る
彼女は外斜視と分かるが、それを隠そうとしている
いつもヴァイスは遅れて登場
ジャーヴィスがモルヒネ中毒と断定すると、死後の検視対象になるため
蘇生処置にしぶしぶ協力する
彼のメガネのレンズから見えた壁の景色に違和感を感じる
グレーヴズが寝てしまわないよう声をかけ続けるのに
ヴァイスは途中で止めて、急ぐ仕事があるからと部屋を出たのに驚く
シャリバウムにあとを頼むと、意識が戻ったグレーヴズはポールンと呼ぶ
絶対に眠らせないと約束して、帰るよううながされる
グレーヴズはずっと「私を間違えている」と言っていたが何のことか?
謎が残るが、もう呼ばれることはないだろうと残念に思う
■第4章 公式見解
“ハツカネズミであれ、人間であれ、計画はしばしば損なうもの”『二十日鼠へ』
インフルエンザが流行り、多忙を極めて
事件に構っていられなくなるジャーヴィス
ドクター・スティルベリーも帰宅して、2人で診察に奔走する
“誰かにとって悪い風も、別の誰かを喜ばせる”(イギリスの諺
スティルベリーにも事件について報告し
一緒に警察に届け出てくれることになったが
証拠もなく、場所も人名も分からないと何も出来ないと言われてしまう
警官:警察は、犯罪が行われるか、試みられた後にのみ出動できるのです(意味ないよね/汗
■第5章 ジェフリー・ブラックモアの遺言書
スティルベリーの仕事がひと段落ついたところで
ソーンダイクと契約を交わして、正式にジュニア・パートナーとなる
事務弁護士マーチモントに会い、スティーヴン・ブラックモアを紹介される
“ビールを飲むやつは、頭の中までビールだ”(イギリスの言い習わしwww
叔父ジェフリー・ブラックモアは2年前に遺言書をつくり
スティーヴンにすべて遺すと書いてあった
3月に自室で死亡した時、昨年、新たに作成した遺言書が見つかり
そこには兄ジョンが遺言執行人、残余遺産受取人に指定されていた
ジェフリーの財産はそれほどではなかったが
彼が死ぬ2日前、姉のエドマンド・ウィルソンが亡くなり
遺言書に3万ポンドの動産すべてジェフリーに遺したため
ジョンに大金が入ることになる
姉がジェフリーに遺すことは本人は知らなかったと推測される
新しい遺言書が無効にならないか調べているがカンペキなため
ソーンダイクに相談
「ニュー・イン」
昨年11月12日、ジェフリーは管理人ウォーカーと甥に
遺言書の証人を頼んで2人は署名した
ジェフリーとジョンはあまり仲が良くなかったが
ジェフリーがニュー・インに住んでいたことを知っていたのはジョンだけ
ジェフリーは片目を失明している
(こんなに共通点があるのに気づかないジャーヴィス
■第6章 故ジェフリー・ブラックモア
ジェフリーの第一発見者は、建設作業員
様子がおかしいと管理人を呼んで入ると死んでいた
注射器を握り、右大腿に注射の跡があり
死因はストロファンチンの中毒死
モルヒネも相当量検出された
視力の低下に悩んだ末の自死と判断された
兄は弟のアヘン中毒を知っていたため驚かなかった
ジェフリーは東洋学を研究していた 兄とは全然違う性格
ジョンは競馬に通い、ギャンブル好き
役者も演り、もぐりのブローカーだった
ウィルソンはジョンが大嫌いだった
■第7章 楔形文字の碑文
ソーンダイクとジャーヴィスはニュー・インの現場を見に行く
ソーンダイク:部屋そのものから住人の個性が伝わるものだ
だが、部屋には生活感がなく、荒れ果てて、故人ぽいところが全然ない
それはクスリでヤラれていたせいか?
長方形の額縁に楔形文字が飾られているが、逆さまのまま飾られていた
金具は最近取り付けられたもの
ガラスの欠片などを拾い、ブリキの小箱にしまう
ジャーヴィスにも証拠品を入れるために必要だとアドバイス
■第8章 軌跡図
ジャーヴィスの体験した事件は殺人だと断定して
馬車で移動した記録を軌跡図にすると
ぐるぐる寄り道していて、実際は徒歩10分以内だと分かる
(この手法もホームズであったよな
■第9章 謎の家
近所だから歩いて行ってみると「貸家」とある
その不動産屋で聞くと、借りたヴァイスはドイツへ帰った
住んでいたのは半年ほど
家政婦は玄関のカギを持っている
時々郵便物が来るから取りに来る
ポストを覗くと手紙があり、ヨハンとある
寝室のドアには外から閂がかけられていたらしく
その跡は消されている
窓にも南京錠がかけられている
ソーンダイク:
悪魔の所業だ 冷酷な犯罪で僕はけして許すことができない
神から課せられた使命とするよ
暖炉で焼かれたゴミからメガネの一部が見つかる
2本の葦の棒が何に使われたのか問われても見当もつかないジャーヴィス
シャリバウムが手紙を取りに来て、2人に気づいたと思われる
2人は分かれて帰ることにする
■第10章 追われる追跡者
ジャーヴィスは乗り合い馬車の2階から周囲を警戒する
フィアンセのジュリエットに会いに行くと留守でガッカリ
1人で演劇を観て、喫茶店に入ると
女性客が派手にビーズ細工をばらまいて、拾うのを手伝う間
ティーカップに角砂糖を入れられて怪しむ
女性が外斜視なため、シャリバウムの変装だと気づくと逃げてしまう
今度は徹底的にまいて、事務所に帰る
ソーンダイク:
乗り合い馬車の1階にシャリバウムが乗っていたんだ
演劇を観ている間に家に戻り、君を毒殺する準備をした
ということは彼女が今住んでいるのは近所と推定される
角砂糖を調べるとトリカブトがしみこませてある
ジャーヴィスは唯一の証人のため、2人に今後も狙われるから
1週間は外に出ないよう注意される
ジュリエットの家も監視されるから連絡を取らないこと
■第11章 ブラックモア事件の調査
ジェフリーがニュー・インに住んでから書いた小切手23枚の署名を調べるため
全部の写真を撮るのを手伝うよう言われる
縮小して撮り、署名を拡大する
ソーンダイク:
人相は単に顔つきだけじゃない
体のあちこちにその人固有の特性がある
ノドの特性により、個別の声が出る
話し方やアクセト、筆跡も同じ
法律の仕事を始めたばかりの頃、時間つぶしにさまざまな完全犯罪を空想して
次は捜査する側から見て、弱点を見つけ出す訓練は実に価値あるものになったよ
(ホームズもそうだけど、探偵にならなきゃ天才的な犯罪者になってたな
■第12章 ポートレート写真
最初の遺言書と比較してみると、時々古い特徴に戻っていると分かる
視力の低下は徐々に進行するのに、筆跡の変化は断続的
御者とヴァイスが同一人物説を推すソーンダイク
■第13章 サミュエル・ウィルキンズの証言
ソーンダイクはポルトンをヴァイスそっくりに変装させたが
見破れなかったジャーヴィス
メーキャップは照明を効果的に使う&見る者との距離をあけることが重要
男女を乗せた馬車の御者ウィルキンズの証言
ニュー・インまで送ると、ヴァイスは目が見えていないかのようによろけていた
ジェフリーが死んだ夜、その女もいたと分かる
■第14章 ソーンダイク、爆弾を仕掛ける
ソーンダイクの唯一の楽しみはトリチノポリ葉巻
特別な祝いの時だけに味わう
2通目の遺言書は偽造だと分かり、ブラックモア事件は解決したと
マーチモントに手紙を出す
■第15章 ソーンダイク、爆弾を炸裂させる
翌日、マーチモントは短気なパートナーのウィンウッドと
スティーヴンを連れてやって来る
ソーンダイクはみんなに分かりやすいように話していく
謎の棒は日本の筆!
瓶は変装用のヒゲなどをつけるための糊が入っていた
御者が見た事件当夜の女はジェフリーの女装!
ジョンが朦朧としているジェフリーに着せた
ニュー・インにいたのは兄ジョン
ジェフリーは別の屋敷に監禁され、アヘン漬けにされていた
■第16章 解説、そして悲劇
ウィルソンはがんに侵され、大体の寿命が親族に知られた日から事件は始まった
遺産が欲しかったジョンが仕組んだ犯罪
毎晩、午前1時まで明かりがついていたのはロウソク
ニュー・イン、ジェフリーのいた屋敷にも
変装用のメガネレンズの欠片が落ちていた
ジャーヴィスを乗せた御者もジョンの変装
ジョンはジェフリーに女装させてニュー・インに運んだ
シャリバウムは妻と思われる 元女優
犯罪捜査局のミラー警視を呼ぶと
2人は逃亡中の急行で毒を飲んで死んだ
■訳者あとがき
20世紀初頭に早くも“科学捜査を用いた探偵”として人気を博したソーンダイク
(これが科学なら、ホームズもそうでは?
本作は時系列的に第3作目にあたる
1.赤い拇指紋 2.オシリスの眼
ロンドンにある4つの法曹院
グレイズ・イン、リンカーンズ・イン、インナー・テンプル、ミドル・テンプル
ソーンダイクの事務所があるキングズ・ベンチ・ウォークはインナー・テンプルにある
(こんなに法律に近い場所でわざわざ殺人をしなくてもいいだろうにね