原作:徳田秋声
監督:成瀬巳喜男
出演:
(鶴さん)上原謙
(お島)高峰秀子
(浜屋)森雅之
(小野田)加東大介
(木村)仲代達矢
(お島の父)東野英治郎
(母)岸輝子
(兄・壮太郎)宮口精二
(姉・おすず)中北千枝子
(養父・喜助)坂本武
ほか
※「森雅之さん出演作」に追加
神保町シアターで観られなかったが、U-NEXTで観られてよかった
【内容抜粋メモ】
前観た作品と対照的に真四角の画面
手書き文字が味わい深い
これまた豪華キャスティング
近所の奥さん:ゆうべ来たお嫁さん 前より若いじゃないの
鶴:
丈夫で働く女であれば みっちり稼いで取り返さないと
牛、馬のように働いたことを思えば、この店は極楽だよ
お島:手の傷は母親から折檻されたの 養女に出てからはマシでした
(昔は、女は牛・馬といっしょで、虐待も当たり前だったのか
今はいくらかマシになったけど
そんなお嫁さんを世話する女性までいるって、とんだ階級社会
ツルはシマが派手だとくどくど言う
シマ:10歳も年上の(先妻)ものなんか
2人でシマの養父母を訪ねる
養父は元は庄屋で ぜんそく持ち 兄が働いている
養母:シマは相手が気に入らないと祝言の日に逃げ出したワガママなコですから
養父:今度はいい人で拾われて
養母:どうぞこき使ってくださいまし
夜にそろばんをはじくシマ
ツルは帰らない 女から電話が来て名前も言わず切られる
酔って帰るツル
昔の蚊帳って広くてイイなあ あれなら夏でもぐっすり眠れそう
今、このタイプを探してもないんだよね
子どもが出来たと言うと
以前、籍を入れた男を怪しむツル
明日は北海道の工場に行く 理由も言わず、泣くシマ
シマ:女から電話がかかってきて 人のこと言えませんよ
姉に北海道の芸者の手紙を見せる
私をひかせてくれると言ってくれたお礼が書いてある
姉:
前の女将さんが患ってる間に遊びグセがついたんじゃない
私なんか貧乏の所に行かされてさ
姉に着物などをあげる
ゆう:
私、毎日泣いているんですよ
おっかさんが体が悪くて、旦那?がたえず付き添っている
幼馴染のあんたの所に行ったほうがよっぽど
ツル:缶詰の工場をしている男に見向きもしないだろう
シマが訪ねてくる
ツル:
仲人の隠居さんに聞いてもらいたい
化粧がごて塗りで、勘定も取れないと悪口を言うツル
2人を仲直りさせようとするユウ
泣いて帰るシマ
姉に愚痴るシマ
シマ:おゆうが一番怪しい
姉:いい男が旦那ならしょうがないわよ
シマ:働けば女っ気がないって言われるし、あんなヘナヘナした男ダイキライよ
額に舐めて貼ってるのは頭痛のクスリ?
ツルが夜中に一生懸命手紙を書いているのを見る
シマ:女の手紙でしょ!
ツル:誰の子か知らないが、オレが立派に育ててやるつもりだ
シマ:私の悪口はおゆうに聞いてもらいなさい!
もみあいになり「出てけ!」と言われ、階段から落ちるシマ
まだ家に置いて欲しいと頼みに来た実父 断る養父母
養母:
取っ組み合いだなんて
早産して、ツルも懲り懲りした
養父:息子も嫁をもらったし・・・
実父:
養女に出して10年も経ち、実母とも性が合わないし
なんとか落ち着く所をどうか・・・
養母:
息子の壮太郎さんも風来坊みたいに旅に出てしょうがないねえ
女房は里へ預けたきりかい?
里へ兄と帰るシマ
シマ:仕事見つけて、みっちり働いて、お金儲けて帰ろう
千葉へ行くという兄と駅で別れる
浜屋に借金がある兄の代わりに働くことになったシマ
浜屋:博打に手を出すからだ 芸者を引いて千葉に行ったそうだ
シマ:じゃあ兄はもう帰ってこないつもりだわ
女将さんに頼まれて、兄が世話になった精米所の旦那に挨拶するシマ
ハマノには2人の子どもがいて、妻は病気療養中
シマに本を貸すハマノ
精米所の旦那が来る
胸を触って大きいだのセクハラもいいとこ
風呂上りに歌うシマにいきなり抱きつくハマノ
実父から手紙が来る
女将さん:
人の口があるから 私が後妻だから、しばらく山奥の温泉に移ってくれないか
ここの嫁も戻ってくる 子どもの手前もあるから
さらに山奥へ出されるシマ
ハマノが会いに来て喜ぶ
シマ:
東京から実父が来てすぐ連れて帰るって
会わない工夫はないものかしら
一生世話にならないと言い切ったのに 仕方ない
実父と会うシマ
実父:どうやっても引っ張っていかなきゃ 支度しろ!
父:借金なら50両ある
ハ:当分、どこかに家に建てて
父:囲い者にするつもりか? きれいサッパリ話をつけてくれ!
シマ:
私は妾なんぞ死んだって出来ません 自分で食べるくらいのことは
忙しい6月いっぱいまでいて お盆には帰ります 挨拶だってあるし
酔ってハマノの部屋に来る
シマ:私は行かないわ
ハマノ:
女房が戻れば、ここへもこれなくなる お前が可哀相だ
いつまでも慰みものにしてるのは悪いから 別れる時かもしれない
シマ:こんな山奥へ追い出してまだ世間の目が気になるんですか!
夜中に目を覚まして、自分が暴れたことを知って驚くシマ
荷物をまとめるというシマ
ハ:もし行く所がなくて困ったらいつでも来て
謝って出て行くシマ
実父と里へ帰る
小野田:また戦が始まりましたね 軍服で儲かる
手早く縫い物をするシマ
シマ:ミシンでもあれば・・・工場に行こうかしら
小野田に見合い写真を見せるとシマと比べる
海でハマノと歩き、映画を観る
「金色夜叉」 弁士が男女の声音をかえて上手い
いい所で途中でフィルムが切れる
ハマノ:
また出て来る時は手紙を書く
山ではケンカ別れみたいになったから会えてよかった
(少し訛ってるところがまたイイ
今いるのは叔母のウチ 娘が芸者に出てやっと暮らしている
気を長く待っていてくれ 一緒に連れていければいいがな
シマ:汽車を見送るのはイヤだからここで見てるわ
金を渡すハに断るシマ
シマ:お妾なんてやなこった と泣くシマ
足踏みミシンで男の中で一人働くシマ
役所で文句を言われて大量に返される
シマ:私が言ってあげようか
(自分で商売やったほうが似合うかも
全部売れて喜んで小野田と帰る
シマ:私にも洋服屋がやれそうだねえ
小野田:自分でやるには元がいる
小野田も誘うと喜ぶ
洋服の店を始めたシマ おゆうを見かけて声をかける
おゆう:
ずっとキレイになって 私はもうダメですよ 私は離縁しちゃって
嫁入り道具を売ったりして大変だった
あなたはツルさんと別れてよかったよ
喫茶店に入る
おゆう:
借金に着物を質に出したりした
男に振り回されたりしたらダメですよ
店では小野田は仕事を途中でやめてコタツで寝ている
シマ:
正月まで3日 私の着物は全部質屋に入れた
ミシンの借り賃も返さなきゃならないし
(2人は結婚したの? シマの暮らしもおゆうと似たり寄ったり
小野田:
工賃払ったらとても商売続かない
どんな商売も気長にやればいいんだ
シマをぶち、またもみあいになり、ホースの水をかけるw
通りには金魚屋や、いろいろ通るのが風情
ミシンも取られて、家も明日には出ていかなきゃならない
夏枯れでどこにも仕事がない 今さら里にも帰れない
シマ:
小野田の前に働いてた所に頼めない? 前借りがあるし
あんた一人なら頼んでごらんよ 私は2階を探すよ
小野田にハンテンを買ったと渡す
シマ:久しぶりに一緒にゴハンを食べよう
小野田:まるで新婚だなあ
ミシンが届く 月賦でひと月はタダ
小野田:これでお前さんとも一緒に暮らせるよ
小野田洋服店
いい身なりをした小野田は父を東京見物させに出掛ける
女将さんと呼ばれているシマは昼まで寝ている
シマ:体中だるくて でもこうしちゃいられない やっぱり夏はダメねえ
手紙が来て喜び、小僧に驕るという
ハマノと会う
ハマノ:肺が悪いから当分、逗留しようかと思って
シマ:
女将さんのが伝染ったんでしょ 私は一緒にならなくてよかったかも
あんたが肺病なら私が看病しますよ
(この頃の長い病といえば、全部結核だなあ
昔の仲間が集まる
シマ:ご吹聴お願いします(口コミ?
舅が酔って絡む
小野田:舅に向かって引っ込んでろとはなんだ!
またぶつ小野田
ハマノ:
一緒に行くか? 今のお前さんじゃ山で暮らすのは退屈だろう
景気が直ったら温泉でも来るさ
シマ:
のるかそるか 最後の運試しをするつもりです
少し貸してくださいよ
洋服で大学でチラシを配るシマ 怒られるがお金を渡して黙らせるw
自転車の練習をして仕事するシマ
ようやくいい店を持つ
木村:旦那の型は古い
2階で花を生けている先生
遅れたシマの代わりに習う小野田
花の先生と旦那がイチャイチャしてるのを聞いて
今月でもういいと金を渡してやめさせる
また夫婦で取っ組み合いの大ゲンカになる
おゆうは店で小野田に酒を出す
小野田:男みたいな女で生傷が耐えたことがないんだ
おゆう:洋服の取引なら私のほうが上手くやりますわよ
白山にいい家があるとすすめる女将
兄に金を渡すシマ
兄:女が病気になった ハマヤの旦那が悪いそうだね
小野田は朝帰り ハマノに金を返しに行ったシマに怒る
自分も浮気帰りでなぜ妻に妬く?
シマが行くともうハマノは亡くなった後
妻と会って挨拶する
妻:
元の女中の所までいちいち電報打つわけにいかなかった
お墓はここから半日 今からじゃ帰りの汽車に間に合わないでしょう
墓参りに行き、金を置くシマ
それを花を持ってくれたおじいさんに渡す
シマが戻ると小野田が出掛けるところで人力車で後を尾ける
白山の家に着くとおゆうがいる
小野田:1週間、国に行ってることにしたからゆっくりできるよ
そこにシマが入って来て慌てて裏から出る小野田を見る
おゆう:そんなに悔しいならもっと大事にすればいい
シマ:あんなヒゲダルマが欲しけりゃくれてやるから礼を言いな
今度はおゆうと大立ち回り ぶったり蹴ったりで逃げるおゆう
雨の中、傘もささずに歩く
途中で傘を買う 1円30銭
電話を借りて木村を呼ぶ
シマ:
お前さんに店を頼むから閉めておしまい
温泉でゆっくり相談しましょうよ
なんとも逞しい後姿で終わり
「あらくれ」ってこのヒロインのことだったのか
あらゆる役をこなす高峰秀子さんに似合う役柄