■ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代
久々、渋谷の美術館に行ったら
渋谷とは思えないほど空いてた/驚
コロナの追跡調査のためにネットでの予約を推奨していて
会場でチケットを買った私は、入る時に検温して
任意ではあるが、連絡先の情報登録の紙を渡された
本人の写真が1枚だけ絵に混ざって飾られていた
とてもハンサムで、穏やかな眼差し
ココロに闇を抱え続けていたとは思えない
巨大な作品が多くて驚く
揺るぎない真っ直ぐな線をどう引くのかずっと気になった
「父と息子」
最初に飾ってあったのは
17歳で母を亡くして、父は多忙だったため
取り残された少年と父の姿が命のない人形のような絵
「キリストの十字架降下 1948」
キリストの磔を描きつつ、母の死を見つめる父と子も描かれている
初期の頃は色数も少なく重い絵が続く
「肘をつく男」
くだけた格好の男性 これが初めて売れた1枚
初期の頃から才能を認められていた
「緑の服を着たピエロ」
ビュフェと言えばピエロ
いろいろなピエロが描かれていた
「ネクロフォビア(死体愛好家)」のシリーズは目を背けたくなる
「肉屋の男」肉を切る男と吊るされた牛の肉塊
「二羽のひな鶏のある静物」ニワトリの生々しい頭
「皮を剥がれた人体:頭部」顔の皮を剥がされた男の顔
「顎の骨」大きな馬の口 見開かれた目に憎悪を感じる
幼い頃から興味を持っていた昆虫ですら
薄気味悪い死の香りが漂ってくる
動物の絵もいろいろ描いていて、どれもビュフェ風味
「ピエロの顔」(トップ写真
間近で観ると絵具の盛り上がり、テリ、重ね塗りがよく分かる
真っ直ぐこちらを見据えて、目が合うと金縛りにあったようになる
20代の頃、知人と行った展覧会で観て釘付けになり
なかなか都内で今回のような大々的な個展はないだろうから
もう一度来たらぜひまた会おうとずっと思っていた
この絵をこんなに間近に観るのはこれが最後かもしれないなあ
間に合ってよかった/感謝
しっかり目に焼き付けた
こうして絵具が盛り上がるくらいの油絵が大好き
一体、どれだけの絵具を使ったのか!?
何度も何度も引いた黒いふちどり線をずっと観ていると
描いている時の本人と同化しそうになるほどの迫力
この時点では私のほかに数人いた客もどんどん流れて
いつまでも時間をかけて観ている私ひとりになり
貸し切り美術館のような贅沢な時間をもらえた/感謝×5000
「赤い花」
赤絵具を惜しげもなく点々と置くことで花びらを表現している
知り合いの結婚式に贈ったと思われる絵だそうだが
贈られた夫婦はコレを新婚の家の壁に飾るだろうか?
歌手やモデルとして活躍していたアナベルと結婚し
絵に情熱的な赤が加わる
一方、人嫌いのビュフェに代わり
長年マネージャー的役割をしていたパートナー
ピエール・ベルジェと別れる
彼は後にイヴ・サンローランの生涯のパートナーとして支えることとなる
「夜会服のアナベル」
「カルメン 1962」
『悲しみよ、こんにちは』のサガンとも親交があり
日本で発行された単行本の表紙画がすべてビュフェ!
これは揃えたくなるなあ
サルトル、コクトーらとの交流もあった
ジャン・コクトーが愛弟子の死を乗り越えて戯曲を書いた際の絵コンテ?も描いた
創作への悩み、躁鬱、アルコール依存症などと
生涯闘っていたとは思えないほど力強い線!
線が描きたくて、絵を描いているのではないかと思えるほど
1973年には日本に世界唯一のベルナール・ビュフェ美術館が開館
開館式には人嫌いを理由に欠席 代わりにアナベルが出席した
1980年に初めてビュフェ美術館を訪れ日本を堪能した
結婚、成功してもなお、ココロの闇を抱え続け
ふり払うように引っ越しを繰り返す
ビュフェとは思えない風景画もあった
線のように美しくデザインされたサインがなければ分からない
「ドン・ジョバンニ」
アルコール依存症の時の自画像に似ていたためアナベルは心配したが
ジョバンニの目の穏やかな輝きを見て大丈夫だと思ったそう
1997年にパーキンソン病になり、絵が描けなくなり
「死」シリーズを描いた後、絵筆が執れなくなる
「絵画は私の命です。これを取り上げられてしまったら生きていけないでしょう」
という自身の言葉を証明するかのように自死を選んだビュフェ
骸骨の「死」シリーズで展示は終わる
*
なぜ私はビュフェ、ユトリロのような
狂気をはらんだアーティストにばかり惹かれるのだろうと
ずっと自問しながら観ていた
最後まで観て、もう一度1940年代の最初に戻り
1点ずつ観て、感じてから会場を出た
鑑賞後は必ずミュージアムショップに寄るが
ポストカードを買うのもやめたし、何も買わずに出る
静岡にあるビュフェ美術館も行きたいなあ
***
映画館ではカポーティの自伝的映画をかけていて
時間を調べたら夕方の1回しかなかったから、配信で観よう
●映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』
※「作家別」カテゴリー内「トルーマン・カポーティ」参照
最寄駅近のスーパーがリニューアルして
やっと初めて行ってみたら
けっこうオーガニック系に変わってて
ヴィーガン商品もあって嬉しい♪♪♪
前はどんよりした雰囲気だったけど
周囲にマンションが増えて、客層に合わせたのかもと
自然食品屋さんの奥さんが教えてくれた
久々、渋谷の美術館に行ったら
渋谷とは思えないほど空いてた/驚
コロナの追跡調査のためにネットでの予約を推奨していて
会場でチケットを買った私は、入る時に検温して
任意ではあるが、連絡先の情報登録の紙を渡された
本人の写真が1枚だけ絵に混ざって飾られていた
とてもハンサムで、穏やかな眼差し
ココロに闇を抱え続けていたとは思えない
巨大な作品が多くて驚く
揺るぎない真っ直ぐな線をどう引くのかずっと気になった
「父と息子」
最初に飾ってあったのは
17歳で母を亡くして、父は多忙だったため
取り残された少年と父の姿が命のない人形のような絵
「キリストの十字架降下 1948」
キリストの磔を描きつつ、母の死を見つめる父と子も描かれている
初期の頃は色数も少なく重い絵が続く
「肘をつく男」
くだけた格好の男性 これが初めて売れた1枚
初期の頃から才能を認められていた
「緑の服を着たピエロ」
ビュフェと言えばピエロ
いろいろなピエロが描かれていた
「ネクロフォビア(死体愛好家)」のシリーズは目を背けたくなる
「肉屋の男」肉を切る男と吊るされた牛の肉塊
「二羽のひな鶏のある静物」ニワトリの生々しい頭
「皮を剥がれた人体:頭部」顔の皮を剥がされた男の顔
「顎の骨」大きな馬の口 見開かれた目に憎悪を感じる
幼い頃から興味を持っていた昆虫ですら
薄気味悪い死の香りが漂ってくる
動物の絵もいろいろ描いていて、どれもビュフェ風味
「ピエロの顔」(トップ写真
間近で観ると絵具の盛り上がり、テリ、重ね塗りがよく分かる
真っ直ぐこちらを見据えて、目が合うと金縛りにあったようになる
20代の頃、知人と行った展覧会で観て釘付けになり
なかなか都内で今回のような大々的な個展はないだろうから
もう一度来たらぜひまた会おうとずっと思っていた
この絵をこんなに間近に観るのはこれが最後かもしれないなあ
間に合ってよかった/感謝
しっかり目に焼き付けた
こうして絵具が盛り上がるくらいの油絵が大好き
一体、どれだけの絵具を使ったのか!?
何度も何度も引いた黒いふちどり線をずっと観ていると
描いている時の本人と同化しそうになるほどの迫力
この時点では私のほかに数人いた客もどんどん流れて
いつまでも時間をかけて観ている私ひとりになり
貸し切り美術館のような贅沢な時間をもらえた/感謝×5000
「赤い花」
赤絵具を惜しげもなく点々と置くことで花びらを表現している
知り合いの結婚式に贈ったと思われる絵だそうだが
贈られた夫婦はコレを新婚の家の壁に飾るだろうか?
歌手やモデルとして活躍していたアナベルと結婚し
絵に情熱的な赤が加わる
一方、人嫌いのビュフェに代わり
長年マネージャー的役割をしていたパートナー
ピエール・ベルジェと別れる
彼は後にイヴ・サンローランの生涯のパートナーとして支えることとなる
「夜会服のアナベル」
「カルメン 1962」
『悲しみよ、こんにちは』のサガンとも親交があり
日本で発行された単行本の表紙画がすべてビュフェ!
これは揃えたくなるなあ
サルトル、コクトーらとの交流もあった
ジャン・コクトーが愛弟子の死を乗り越えて戯曲を書いた際の絵コンテ?も描いた
創作への悩み、躁鬱、アルコール依存症などと
生涯闘っていたとは思えないほど力強い線!
線が描きたくて、絵を描いているのではないかと思えるほど
1973年には日本に世界唯一のベルナール・ビュフェ美術館が開館
開館式には人嫌いを理由に欠席 代わりにアナベルが出席した
1980年に初めてビュフェ美術館を訪れ日本を堪能した
結婚、成功してもなお、ココロの闇を抱え続け
ふり払うように引っ越しを繰り返す
ビュフェとは思えない風景画もあった
線のように美しくデザインされたサインがなければ分からない
「ドン・ジョバンニ」
アルコール依存症の時の自画像に似ていたためアナベルは心配したが
ジョバンニの目の穏やかな輝きを見て大丈夫だと思ったそう
1997年にパーキンソン病になり、絵が描けなくなり
「死」シリーズを描いた後、絵筆が執れなくなる
「絵画は私の命です。これを取り上げられてしまったら生きていけないでしょう」
という自身の言葉を証明するかのように自死を選んだビュフェ
骸骨の「死」シリーズで展示は終わる
*
なぜ私はビュフェ、ユトリロのような
狂気をはらんだアーティストにばかり惹かれるのだろうと
ずっと自問しながら観ていた
最後まで観て、もう一度1940年代の最初に戻り
1点ずつ観て、感じてから会場を出た
鑑賞後は必ずミュージアムショップに寄るが
ポストカードを買うのもやめたし、何も買わずに出る
静岡にあるビュフェ美術館も行きたいなあ
***
映画館ではカポーティの自伝的映画をかけていて
時間を調べたら夕方の1回しかなかったから、配信で観よう
●映画『トルーマン・カポーティ 真実のテープ』
※「作家別」カテゴリー内「トルーマン・カポーティ」参照
最寄駅近のスーパーがリニューアルして
やっと初めて行ってみたら
けっこうオーガニック系に変わってて
ヴィーガン商品もあって嬉しい♪♪♪
前はどんよりした雰囲気だったけど
周囲にマンションが増えて、客層に合わせたのかもと
自然食品屋さんの奥さんが教えてくれた