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森雅之出演映画『男嫌い』@池袋 新文芸坐(11.27

2021-11-27 18:53:53 | 映画
「森雅之さん出演作まとめ」カテゴリー内に追加します


シック・モダン・エレガンス 昭和モード女優祭








『男嫌い』(1964/83分/35mm)
監督:木下亮
脚本:井手俊郎、八木柊一郎、伊奈洸

出演:
越路吹雪、淡路恵子、岸田今日子、横山道代、坂本九、森雅之、神山繁、
青島幸男、京塚昌子、中尾ミエ ほか






毎日のように素晴らしいラインナップを次から次へと
2本立てでかけている池袋の新文芸坐

昭和の邦画特集の出演者をチェックすると
ウィキにも載っていない森雅之さんや久我美子さんの出演作が観られるから
気が抜けない

今回も端役ながらダンディさが十分堪能できる1本

女性が働くようになり、「結婚しなきゃいけない」という世間体に負けずに
社会で自立して生きるモダンガールの話で
とにかく映像が奇抜、斬新なスラップスティックコメディに徹底している

青島幸男さんが出ていることから
テレビ初期のコントと音楽が融合した
エンターテインメント番組を観ている感じ

途中、高齢男性が1人出て行ってしまったけれども
イメージしてたのと違って、ノリについていけなかったのかもw

たまにはこうした脱力コメディを
大きなスクリーンで観るのもいいじゃん

いつ森さんが出てくるのか
どちらかと言うと神山繁さんのシーンのほうが多いなと思っていたら
最後に出て来る大ボス的な登場!

当時53歳か
渋さと色気、品と遊びも備わってる独身貴族役がハマってる
大人の女性も若いコも夢中になってしまうのも納得ですv

クセの強い4姉妹の中でも岸田今日子さんの独特なトーンの喋り方が
なぜかツボってクセになるww

家政婦役の千石規子さんのなんとも飄々としたキャラクターも好き

越路吹雪さんは、昨日、歌ってる映像を見たばかりだったから
こうして映画で女優としても活躍していると知って多才だなあ
キャラクターはそのまんまな感じで一番異彩を放ってる













【内容抜粋メモ】

上下赤い服を着た女の子が男の子を泣かせてしまうシーンからもう唐突
画面割り、色使い、ファッションなどが1970年代のカラフルで自由な雰囲気

父が亡くなって四十九日の法要
主な親戚は揃ったのに、肝心の娘4人が来ない

この家の内装がどこか『ぼくの叔父さん』ぽい!


和尚は一番に来ていたからあくびを押し殺し
そのうちタバコをふかしているw

末男の修(坂本九さん!)はいつも姉らにやりこめられている
バイク好きでいつもどこか骨折して包帯を巻いている

鑑賞魚が好きで、水層に飼っている魚に姉らの名前をつけている

修:この魚はどれもメス オスを入れると食いちぎって殺してしまうんだ

和尚:アマゾンのピラニアとどっちが強いかね?

修:
それは興味深い質問だ
電気ショックでしびれさせるのが早いか
ピラニアの獰猛なアタックのほうが早いか

この話はそのまま姉らにも通じる

親戚連中は姉妹を早く片付けようと見合い写真を2枚用意している
この時代はまだそういう風習が残っていたんだね

将来有望そうな若い男・片山(青島幸男)と
仕事を優先してきた独身貴族の井沢(森雅之)

この段階では写真の表紙の赤と黒を対照的に見せて顔は見せない

親戚:20歳過ぎた娘が4人もごろごろしているなんて世間様に恥ずかしいですよ

長女・綾子(越路吹雪)はデザイナー(だっけ?
次女・郁子(淡路恵子)はお茶・お花の先生
三女・歌子(岸田今日子)はテレビの脚本家?
四女・悦子(横山道代)と修はまだ学生

4人は親戚を待たせて何を着るかもめている

歌子:女が一番美しいのは黒い喪服に身を包んだ時

親戚が見合いの話で盛り上がっているうちに4人は消える


父が遺したのは大きな屋敷と土地
上の3人は自活して家を出ている

選択肢は2つ
5人でこの家に住むか
上の3人が下の2人の面倒をみるかで話し合い後者に決める

しつこい仲人から電話がかかり
とりあえず見合いには出ることにする



当日、高速道路はモーレツに混んで、仲人の2人は缶詰状態
運転手は新聞を読んだり、弁当を食べたり
挙句は編み物を始めて、セーター1枚編んでしまうww

仲人のおばちゃんはいつも誰かの結婚式、葬式などに呼ばれたり
空港に誰かを迎えに行かなきゃならないとかで忙しいのも可笑しい



ホテルで待つ姉妹
向こう側に座っているのは、見合い相手の片山
母親から「そんなにジロジロ見ちゃいけません」
「貧乏ゆすりはやめなさい」といちいち注意されてる

「きっと小さい頃から優しくて女の子にモテただろうけど
 言いなりになるタイプ」などと辛口の分析をする姉妹

同じホテルに井沢(森雅之)も来るが
綾子:近眼がすすんでよく見えないわ

隣りにいるポール岡村(神山繁)のほうがハンサムだと浮き立つ
なぜか外国人訛りの日本語を喋ってるから
「きっとハーフかクオーターよ」

井沢は仕事で呼ばれて行ってしまう
「見合いより仕事を選ぶタイプね」



家政婦が娘のミツコ(中尾ミエ)を連れて来て
一目ぼれしてしまう修

ミツコの出身地?が八丈島と聞いて
疲れて眠い姉らは即効、飛行機に乗って八丈島へ飛び
ホテルで眠り続ける

その間にいろんな観光地が映る

飛行機にポールも乗っているのを見かけた悦子
同じホテルにいるのも見つけて声をかける

ポール:いつも目の前のあなたしか見えないです
と軽い言葉に簡単にひっかかっている悦子

3人の姉も次々と起き出して
とびきりのオシャレをしてポールに出会うと
「あなたが一番美しい」と調子が良い

悦子:私が最初に気づいたのよ!

急に黒人バンドがノリノリに演奏しだして
いろんな音楽で4人と踊る
1人1人に「君が一番」と囁くプレイボーイっぷり




修から電話があり
修:バイク仲間3人が世話になるからよろしく

若い頃の峰岸徹さんもいる!
3人ともどこかしら骨折して包帯を巻いている

3人が見ていたのは、ポールの本
洋書で「女を簡単にクドくには」というタイトル

悦子:こんなインスタントな付け焼刃で落とそうとしていたなんて許せない!



ディナーに呼ばれた4人はとんでもない格好で登場して周囲の宿泊客はビックリ
「おらお腹が空いただあ~!」などと騒いだためポールは逃げ出す
テーブルをひっくり返したのを合図にケーキ投げ合戦のような騒ぎとなる

修の友人3人を恋人に仕立てて、ポールをやっつけてもらう
お礼に「なんでも言うことを聞いてあげるわよ」
3人:オレたち、お腹が空いてるんです!

悦子は顔を真っ白に塗ってピエロなのかな?
セリフが「ビャッ!」(だっけ?)を繰り返していたのはさすがに可哀想

当時、本人はどんな思いでこのシーンを演じたのかな
楽しんでいたならいいけど



歌子のところに遊びに来る姉妹
原稿を取りに来るヒゲづらの編集者は
クラブのママに入れこんでいて
4人には挨拶もしないのが気に食わない

歌子:
女は1人じゃないのよ あなたは男でしょ?
言ってごらんなさい 僕は自由だ!

4人のお色気迫力の魔法にかかってすっかり変わる編集者
編集者:俺は男だ! 自由だ! 女が好きだーーー!

歌子:ちょっとやり過ぎちゃったかしらね



そのクラブに行ってみると、ママが井沢を紹介する
事情を聞いて、どちらにもサプライズでお見合いの場を用意した

井沢の手慣れた女性の扱いや容姿にすっかり夢中になってしまう4人
(そりゃそうだよね~

井沢はそれぞれを食事、狩猟(!)、ダンス、居酒屋のデートに誘い
「金曜の8時に」と次の約束を交わす

すっかりのぼせあがる4人



言われた場所に行くと、4人が鉢合わせる
そこにボーイが来て井沢からのメッセージだと手紙を渡す

井沢:
4人とデートして、独身貴族で通していたが止めました
4つの宝石の中から1つだけ選ぶことは出来ない
そんなことをすればポールのように恨まれるからね
私は今夜8時に船でハワイへ発つ
そこの窓から見えるだろう
では、さようなら



ガッカリした4人が帰宅すると
ミツコが結婚したと電撃報告して夫を連れて挨拶に来る
なんだか冴えない容姿だけど優しそう

ミツコ:
23も歳が離れてるから、先に死なれたらまた再婚する!
それでも私たち恋愛結婚だから
修さんのバイクにも乗ってみたかったけど
旦那さんが焼くからやめとく


ミツコが好きだった修はガッカリして
また高速をバイクで飛ばして、今度は足を骨折して包帯を巻いている

最後はまた女の子と男の子のやりとり
持っていた風船が飛んでいってしまい泣く女の子
風船が割れて「終」という謎のエンディング


***



「結婚したくないわけじゃない
 ただ理想の相手が現れないだけ」


って、現代の独身さんも言ってそうなセリフ

もうそういう契約的な縛りやルールは要らないと思うけどね
同居とか、通いとか、週末だけでもなんでもありだし
パートナーがいないのも全然あり

自由に選ぶことができるってことが大事

はあ~、今日も森さんのステキな姿が観れて眼福、眼福v



今後もこの時期恒例の『忠臣蔵』もあるし
まだまだ名作が目白押しの新文芸坐が気になる





















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