メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ソーグのひと夏 福音館日曜日文庫 オリヴィエ少年の物語 3 ロベール・サバティエ/作 福音館書店

2024-12-15 16:16:32 | 
1998年初版 堀内紅子/訳 茂田井武/ジャケット・イラストレーション


夏休みが3ヶ月後くらいあるんじゃないかってボリュームだけど、数週間のことなのか?

両親を早くに亡くしたオリヴィエにとって
田舎でたくさんの人に会って家族団欒を経験する貴重な経験だったんだろうな
労働を苦にせず、どこまでも歩くのが好きなのは祖母に似たのかも

それにしても、みんな毎日よく酒を飲むなあ!
水のように飲んでいて、どこからがアルコール依存症か分からないくらい

祖母が作ってくれる料理はどれもものすごく愛情がこもってて美味しそう
鳥も首をはねて、羽をむしるところから調理するのだから、とても見れないけど・・・↓↓↓
オリヴィエはどんな動物も大好きで、殺す場面は耐えられないが、食べるのは好きなんだよね

川の水を飲むシーンもよく出てくるけれども、衛生面が不安
上流ならキレイなのかもだけど、いろいろ考えるとちょっと躊躇してしまう


【内容抜粋メモ】

登場人物
オリヴィエ 10歳 両親を亡くして伯母夫婦の家に養子となる
ピエール 父 36歳
ヴィルジニー 母

アンリ・デルソー伯父 製紙業の社長
ヴィクトリア伯母 オリヴィエの父ピエールの姉
マルソー 長男 肺病を患っている 16歳
ジャミ 次男
マルグリット 女中
ブランシュ 女中
ジュリエンヌ 両親を亡くしたいとこ
アルフォンス マルソーの家庭教師 通称パパ・ガトー

祖父
祖母マリー
マリア 20歳で亡くなった娘
ヴィクトール 鍛冶屋








初めて汽車に乗り、駅にはヴィクトール伯父が迎えに来ていて、一緒にバスに乗り、ソーグの村に着く
ブーグラが「そこだよ、おまえの行くべきところは!」と言ったのを思い出す







初めて会う祖父はブーグラを思い出させる
オリヴィエ専用のナイフをくれる
長年の過酷な労働で脚を傷めて歩くのが不自由

祖父:ここらへんの人間は、みんな裸で何も持たずに生まれてくるんだ

祖母マリーは無口で素っ気なく、歩くのが大好き
夜なべ仕事の寄り合いに出かけて、愚痴ったり、噂話をするのが楽しみ
家族が歌ったり、キスしたりしようとすると露骨に嫌がる

ヴィクトールは蹄鉄を打つのが仕事で力持ち
ソーグの男たちはみな大地と深くかかわりあって暮らしている農民が多い

祖母はオリヴィエを村人に「可哀想なみなしご」だと紹介して周る
村人の中には、オリヴィエの父母のことを知ってる人も多く
オリヴィエの知らない話を聞かせてくれる

それによると、父ピエールは戦争から帰ってきた時、すっかり性格が変わってしまい
村にいられず、結婚していたヴィルジニーと結婚してパリに住んだ

ヴィルジニーの夫は兵役から帰って、それを知り、パリに行き
ピエールを撃ち、牢屋に入れられたが、後に店を開いて、まだ生きている
オリヴィエのことを心配して、ヴィクトリア伯母の養子になってひと安心した

キレイな服は日曜用で、普段使いの服と木靴(ゼスクロ)を用意してくれる祖母
それでもパリっ子とバカにされ、モンディヨンとケンカになるが、その後親友となる








オリヴィエはすぐに日焼けし、近所の手伝いも積極的に参加する
ソーグにはいとこや伯父、伯母がたくさんいて、特有の方言を話している

祖父は若い頃に猛烈に勉強して読み書きを覚えた
6歳で孤児になった祖母は、使用人市でお金と引き換えに1年間働き手として貸されていた
結婚後、祖母にも読み書きを教えて、自分の境遇を知ってから今の性格になった
祖父は子どもたちを宗教教育しない学校に入れたことで周りから酷い目にあった

オリヴィエは牛に角砂糖を食べさせようとして拒否られ、祖母は大笑いする
馬は角砂糖が好きだが、牛は塩が好きで、塩水をかけた草をよく食べる/驚

床屋のシャデスさんがたくさん本を持っていると教えてもらい
オリヴィエはソーグでも本に没頭する
ソーグ出身のファーブル牧師が書いた『ジェヴォーダンの獣』って映画観たな→here

祖父:
戦争に行きたがっていた人間は1人もいない
村を離れることほど辛いことはないんだ
あのヒットラーとかいう男は危険だ
子どもにまで制服を着せたりしている
お前のお父さんが戦争から戻った時、わしにはそれがピエールだと分からなかった
(ピエールも“戦闘神経症”だったのかもしれないな

これからの時代は鍛冶屋は必要なくなるだろうと予測する祖父

祖父:
わしらと一緒にここに住むかい?
ああ、いけない、お前はこんなとこにいちゃダメだ
蹄鉄工はじきに用なしになる
わしはもう過去の人間だ
わしの脚はもう治らんよ

(自分が心底力を入れてきた仕事が時代の流れでなくなるってどういう気持ちだろう

夫役(税金を払う代わりに労働する)に行くヴィクトール
ランチにワインを飲んで酔っ払って昼寝して、その日はもう終わりってのんびりしてるな

オリヴィエはヴィクトールから自転車を借りて乗れるようになる
牛追いも日課となる

マルカードに子牛が生まれる時の介助をして得意になる
後に子牛市で食べられるために売られる子牛たちを見て、いたたまれなくなる
ヴィクトール:太らせるための牧場に行くか、ほとんどは、すぐ潰されるんだ

ウサギのシチューとか恐ろしいな・・・↓↓↓
首を切り落としたアヒルが首がないまましばらく駆け回ったり

ブタのと殺を子どもに見せたりするのも耐えられない
切ったしっぽをオリヴィエに渡し、しばらく呆然となる
腸や内臓をかき出し、子どもに食べさせる脳を取るって!

パパ・ガトーが帰省し、オリヴィエにこの土地の歴史や伝説などを教える
アルフォンス:立派なエスクーラだ! はオリヴィエにとって最上級の褒め言葉

アルフォンス:
私たちの言葉はずっと迫害されてきた
国は、国民をひとつにまとめなくてはならなかった

アルフォンスは石、虫、草花も集めていて、とても博識
「これだけは教えておきたいんだ・・・」とオリヴィエに話して聞かせる

9月
ヴァカンスに来ていたたくさんの人が次々と帰っていく
アルフォンスは一足先にパリに帰ってしまう

ヴィクトリア伯母に手紙で聞いて、夏休みを延ばして10月半ばに帰ることに決まる
オリヴィエはソーグに残りたい自分と、パリの人々に会いたい気持ちが交錯する
祖父:ここの冬は慣れてない者にとっては辛すぎるほど厳しい

オリヴィエが帰る日
村のみんなに挨拶して周るのも偉いなあ
さよなら、全盛期の貧しい少女マリーよ さよなら、若き日々よ

祖父:
人生で一番いい日々は子ども時代にあるんだ
これっきり会えなくなっても、おじいちゃんのことを忘れないでおくれ

祖母ですらふた筋の涙を流して見送ってくれる
庭に立つ祖父母は、時とともにはかなく消えてしまう写真のように見える



はしばみとりんどうの国で ソーグ・おなかいっぱい日記 山脇百合子(児童図書挿絵画家)
今作の舞台となったソーグを訪ねた旅日記
民宿ブランジエは牧草地に囲まれている








朝食は、パン、バター、濃い牛乳とコーヒー、ジャム、ハチミツ
3回のキスは「父と子と聖霊」の意味があるのか











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