※「作家別」カテゴリー内「酒井駒子」に追加します
イタロ・カルヴィーノ
1923年キューバ生まれの現代イタリアを代表する作家 1985年没
翻訳/関口英子
1966年埼玉県生まれ イタリア文学翻訳家
「世界のむかしばなし絵本」シリーズは
他にもスウェーデン、ロシアなど第2期まで続いている
2020年9月10日初版の出来立てホヤホヤの本
これからもどんどん酒井さんの絵による
こうした絵本が楽しめるのはとても楽しみ
酒井さんが自分で描きたいと思うお話を選んでいるのか
物語を選ぶセンスも素晴らしくて
新しい出会いがあるのが嬉しい
■訳者あとがき
このお話の生まれたイタリアは
四季のある温暖な気候など
日本によく似たところもあります
1956年イタリアを代表する作家カルヴィーノが
全国を巡って集めた200篇の民話を
「イタリア民話集」という本にまとめました
原題は「梨と一緒に売られた女の子」
モンフェッラートに伝わるお話
イタリア北部の豊かな丘陵地帯で果樹栽培が盛んです
果物はイタリア語で女性名詞なので
女の子の姿が多いようです
この話に魅せられたという酒井さん
特にかまどの女や血のような川といった描写が面白いと感じたそうです
【内容抜粋メモ】
昔1本の梨の木を育てている男がいました
毎年カゴ4つ分王様に納めなければならないが
ある年、3つ半しか実らず
途方に暮れて末の娘をかごに入れて宮殿に出す
(ひどすぎないか?!
王様の蔵に運ばれた女の子は
梨をかじっていると
召使いたちに気づかれて王様の台所で働く
みんなはこの子をペリーナと呼んだ
梨の子という意味
とても賢く、他の召使いより仕事をこなせるようになり
同じ年頃の王子様ととても仲良くなる
周りがやきもちを焼いて
ペリーナは魔女の宝物を取って来られるんだ
という噂を流したため王様が呼びつける
王様は宝物を持って帰るまで中に入れないと宮殿から追い出す
途方に暮れて歩いていると
梨の木に出会って、木の上でぐっすりと眠る
この絵がとても綺麗
まんまるなお月様はここだけ抜いて他を塗ったのかな?
酒井さんの絵は毎回どういう順番で描いているのか
色を積み重ねているのかとても気になる
朝になると木の下におばあさんが立っていて
事情を話すと肉の脂3ポンド、パンを3ポンド
もろこしの穂を3ポンド持ってまっすぐ歩いて行くんだよ
おまじないも教えてくれる
やがてかまどの女たちが髪の毛をむしって掃除をしている(!?
ものすごい光景だけれども
当時のヨーロッパって
なんでもありそうな気がして怖い…
ペリーナはもろこしの穂を渡すと
それで掃除を始めて通してくれる
3頭の番犬にパンを投げてやると通してくれる
血のように赤い水が流れる川に突き当たり
おばあさんのおまじないを唱える
綺麗な川のお水さん
私がこれほど急いでなければ
お椀にたっぷり飲みたいくらいよ
道ができて渡ることができる
立派なお城について扉が開かないので
脂を塗るとゆっくりと開く
宝箱を持って帰ろうとすると
宝箱:扉よこの子を挟んでおしまい
扉:嫌だね 長いこと塗ってくれなかった脂を塗ってくれたんだ
宝箱:川よ この子を溺れさせておしまい
川:いやよ この子は私にキレイなお水さんって言ってくれたんですもの
宝箱:番犬よ この子を食べておしまい
番犬:嫌だね この子は俺たちにパンをくれたんだ
宝箱:かまどの女たちよ この子を焼いておしまい
女たち:
お断りだね
もろこしの穂のおかげで髪の毛をむしらずに掃除ができるんだもの
好奇心の強いペリーナは宝箱の中を覗くと
めんどりと金の雛が飛び出して捕まらない
梨の木のところにおばあさんがいて
宝箱の中に戻してくれる
宮殿に戻り
王子さま:
褒美に何が欲しいと聞かれたら
地下室の大きな炭箱が欲しいと返事をするんだよ
王様は喜んで「望み通りの品をやるぞ」
ペリーナは王子さまに言われたように言うと
箱の中から王子さまが飛び出してきた
それを見た王さまは2人の結婚を認めてくれました
とっても可愛いハッピーエンド
イタロ・カルヴィーノ
1923年キューバ生まれの現代イタリアを代表する作家 1985年没
翻訳/関口英子
1966年埼玉県生まれ イタリア文学翻訳家
「世界のむかしばなし絵本」シリーズは
他にもスウェーデン、ロシアなど第2期まで続いている
2020年9月10日初版の出来立てホヤホヤの本
これからもどんどん酒井さんの絵による
こうした絵本が楽しめるのはとても楽しみ
酒井さんが自分で描きたいと思うお話を選んでいるのか
物語を選ぶセンスも素晴らしくて
新しい出会いがあるのが嬉しい
■訳者あとがき
このお話の生まれたイタリアは
四季のある温暖な気候など
日本によく似たところもあります
1956年イタリアを代表する作家カルヴィーノが
全国を巡って集めた200篇の民話を
「イタリア民話集」という本にまとめました
原題は「梨と一緒に売られた女の子」
モンフェッラートに伝わるお話
イタリア北部の豊かな丘陵地帯で果樹栽培が盛んです
果物はイタリア語で女性名詞なので
女の子の姿が多いようです
この話に魅せられたという酒井さん
特にかまどの女や血のような川といった描写が面白いと感じたそうです
【内容抜粋メモ】
昔1本の梨の木を育てている男がいました
毎年カゴ4つ分王様に納めなければならないが
ある年、3つ半しか実らず
途方に暮れて末の娘をかごに入れて宮殿に出す
(ひどすぎないか?!
王様の蔵に運ばれた女の子は
梨をかじっていると
召使いたちに気づかれて王様の台所で働く
みんなはこの子をペリーナと呼んだ
梨の子という意味
とても賢く、他の召使いより仕事をこなせるようになり
同じ年頃の王子様ととても仲良くなる
周りがやきもちを焼いて
ペリーナは魔女の宝物を取って来られるんだ
という噂を流したため王様が呼びつける
王様は宝物を持って帰るまで中に入れないと宮殿から追い出す
途方に暮れて歩いていると
梨の木に出会って、木の上でぐっすりと眠る
この絵がとても綺麗
まんまるなお月様はここだけ抜いて他を塗ったのかな?
酒井さんの絵は毎回どういう順番で描いているのか
色を積み重ねているのかとても気になる
朝になると木の下におばあさんが立っていて
事情を話すと肉の脂3ポンド、パンを3ポンド
もろこしの穂を3ポンド持ってまっすぐ歩いて行くんだよ
おまじないも教えてくれる
やがてかまどの女たちが髪の毛をむしって掃除をしている(!?
ものすごい光景だけれども
当時のヨーロッパって
なんでもありそうな気がして怖い…
ペリーナはもろこしの穂を渡すと
それで掃除を始めて通してくれる
3頭の番犬にパンを投げてやると通してくれる
血のように赤い水が流れる川に突き当たり
おばあさんのおまじないを唱える
綺麗な川のお水さん
私がこれほど急いでなければ
お椀にたっぷり飲みたいくらいよ
道ができて渡ることができる
立派なお城について扉が開かないので
脂を塗るとゆっくりと開く
宝箱を持って帰ろうとすると
宝箱:扉よこの子を挟んでおしまい
扉:嫌だね 長いこと塗ってくれなかった脂を塗ってくれたんだ
宝箱:川よ この子を溺れさせておしまい
川:いやよ この子は私にキレイなお水さんって言ってくれたんですもの
宝箱:番犬よ この子を食べておしまい
番犬:嫌だね この子は俺たちにパンをくれたんだ
宝箱:かまどの女たちよ この子を焼いておしまい
女たち:
お断りだね
もろこしの穂のおかげで髪の毛をむしらずに掃除ができるんだもの
好奇心の強いペリーナは宝箱の中を覗くと
めんどりと金の雛が飛び出して捕まらない
梨の木のところにおばあさんがいて
宝箱の中に戻してくれる
宮殿に戻り
王子さま:
褒美に何が欲しいと聞かれたら
地下室の大きな炭箱が欲しいと返事をするんだよ
王様は喜んで「望み通りの品をやるぞ」
ペリーナは王子さまに言われたように言うと
箱の中から王子さまが飛び出してきた
それを見た王さまは2人の結婚を認めてくれました
とっても可愛いハッピーエンド