カラー版・世界の幼年文学 15『青い鳥』 メーテルリンク/作 偕成社
今西祐行/文 遠藤てるよ/絵
※「絵本・児童書」カテゴリー内に追加します
本当はこのシリーズではなくて
別のシリーズの挿絵で読もうとしていたが
同じ偕成社からの児童文学シリーズだったため
区内にあった「世界の幼年文学」が手元にやってきた
こころがあったかくなる挿絵がたくさん入っていたけれども
本書に関しては、それぞれの心の中で想像して読んだほうが楽しいと思う
「ひかり」がどれほど美しいか
「青い鳥」はどんな姿形をしているか
世界中に知られたこの名作を
なぜこれまで読まなかったのかフシギ
でも、大人になった今のタイミングがベストだったのだろう
もとは戯曲ということで、お芝居で観てほしいとあった
飽食、贅沢、便利なのに幸せを探し続けている人が多いため
「青い鳥症候群」なんて言葉も聞いたことがある
大人も子どもも「ほんとうの幸せ」がどこにあるか
大事な哲学的セリフがいっぱい詰まった本書を読んで思い出すといいよね
「いま、ここ」ということ
生まれるのを待っている赤ちゃんたちとか
今のスピリチュアルで話されていることとリンクする部分も多々あるのもフシギだった
【内容抜粋メモ】
■きこり小屋のきょうだい
クリスマスイヴの晩
けして裕福ではないチルチル、ミチルの兄妹は夜中に起きてしまう
ミチル:サンタクロースさん、もう来たかしら?
チルチル:今年は忙しくて、サンタさんに頼めなかったってお母さんが言ってたろう
窓の外のお金持ちの家を見ると
大きなクリスマスツリーがあり
食べきれないほどのお菓子がたくさんで
羨ましくて仕方ない2人
■まほうつかいのおばあさん
いかにもな魔法使いって感じのおばあさんが部屋に入って来て
おばあさん:
幸せの青い鳥はいないかね
長いことふせっている娘の病気も治るんだ
2人は知らないと答える
おばあさん:思い出の国にいると思う
そこでは亡くなった祖父母、弟と妹にも会えると言う
おばあさんはダイヤモンドのついた緑色の帽子を渡す
■ふしぎなダイヤモンド
おばあさん:
ダイヤモンドを左に回すと、見えないものが見えるんだ
お前たちの目は本当に見えてない
ちょっと飾りがあると立派な家
ちょっとキレイな服を着ているとお金持ち、幸せに見えるんだ
私がどう見えるか言ってごらん
醜いとは言えずにもじもじしていると
ダイヤを回すよう言われ、すっかりキレイなお姫様に見えて驚く
時間も可愛い子どもの姿で駆けて行く
犬のチロウ、猫のチレットも立ち上がって驚く(w
ストーブの火、水道の水の精、牛乳の精(!)、パンの精、砂糖の精
最後にとても美しい光の精も現れる
■青い鳥をさがしに
みんなで魔法使いの立派な御殿に行って旅の準備をする
ズルいチレットは、人間に自分たちの心が見透かされたら
いじめられるだろうとみんなに言うが
チロウ:
僕は人間の味方だ
たまにぶたれるのは、僕たちの心が分からないからだ(可哀想に・・・
チレット:
人間は私たちの敵です
ずっと昔は自由に楽しく暮らしていたのに
火、水も昔は王様だったのに
今じゃ人間にこき使われている
■おもいでの国
思い出の国は森の中にある
みんなは入口で待ち、きょうだい2人だけで行くことになる
ひかり:
9時までに帰っていらっしゃい
いつまでも思い出の国にいてはいけません
昔のまんまの家に祖父母が昔のまんまでいる
幼くして病気で亡くなった弟と妹とも再会する
2人も昔のまんま
おじいさん:なんだか明るくなった気がするね
おばあさん:誰かが私たちを思い出してくれているんですよ
2人は抱きついて喜ぶ
おじいさん:お前たちが思い出せば、私たちはいつまでも生きているのさ
昔から飼っているツグミが青いことに気づいてカゴに入れる
おばあさんが昔の通り、砂糖を倹約した酸っぱいアンズパイを焼いてくれたが
時計が鳴って、帰る時間
おばあさん:
行くがいい
生きていると、いろいろ心配事があるからね
思い出の国を出るともらった鳥は黒くなって動かなくなる
■夜のごてんへ
夜の御殿には夜の奥さんが住んでいて、ひかりが苦手
夜:
人間はどうして私たちが隠しているものを照らして探そうとするのか
幽霊も逃げたし、病気は病気になって寝込んでしまった(w
夜の子どもは「眠り」
鍵を貸してもらい、いろんな部屋に入って鳥を探す
ダイヤモンドは人間の知恵の印だから夜も怖くない
病気の部屋には天然痘、チフス、ペストなどがいるが
クスリが発明されてからすっかり弱ってしまった
小さくて元気なのは風邪(!
■ゆめのにわ
開けてはいけないと言われたのは「戦争」の部屋
夜:昔よりどんどん大きく強くなるばかりだ
影、ホタル、露の部屋はとても感じが良く
夢の部屋は月の光がさすキレイな庭で、夢の花が咲いている
そこに無数の青い鳥が飛んでいて、かき集めてカゴに入れるが
御殿を出るとみんな死んでいる
夢はさめるとそれでおしまい
■森の中で
チレットはここでも先回りして、人間たちが来ることを警告する
チレット:青い鳥をとられたら、みんな伐り荒らされてしまうでしょう
人間を追い払おうと獣たちが集まってくる
おじいさんのような老木は激怒している
老木:
お前の親父は、わしらの仲間を1万3675殺した
獣もいつも人間に追われている その敵をとるんだ
裁判だ! いや、お前たちはみんな死刑だ!
でもなんだかんだ言ってもみんな人間が怖くて手が出せない
オオカミに襲われそうになり
チルチルはミチルをかばってナイフでオオカミを刺す
光に言われて慌ててダイヤモンドを回すと
みんな元の木に戻り、獣も消える
鳥を探せずガッカリする2人だが
ひかり:
幸せの鳥を手に入れるには、時には一人で戦わなければなりません
それが分かればいいのです
■おはかへ
魔法使いから手紙があり、お墓に行く
ダイヤモンドを回すと死人が墓から出てくると言う
牛乳:なんだか胸が酸っぱくなってきましたわ(w
ここにも2人きりで行くよう言われる
ミチル:何を食べて生きているのかしら?
チルチル:バカだな 死んだ人は生きていないよ(ww
青い鳥を探すには勇気も必要と分かる
ダイヤモンドを回すと、死人ではなく
白い花がたくさん出てきて花畑になる
ひかり:
人は時々、お墓に幸せがあると思うのです
でも、ここに青い鳥はいないと知る必要があります
■ぜいたくのひろま
魔法の御殿は幸せや喜びがたくさんいる楽しい所
耳が聞こえなくなるほど賑やかで
みんな食べて、飲んで、踊って、太った人たちばかり
ひかり:
あれは目に見える贅沢です
青い鳥は一度くらいあの中にいたかもしれません
一度ご馳走になれば大切なことをみんな忘れてしまいます
一番のお金持ちの贅沢:
窓から見たでしょう? 私はあそこにいたんです
私のきょうだいは愉快ですよ
大地主、見栄、ノドが乾いていないのにお酒を飲む贅沢
お腹がいっぱいでも食べる贅沢、何もしない贅沢もいます
贅沢は見ているだけじゃ分からない
仲良くなりましょう
青い鳥? たしか食べても美味くないはずですよ
(十戒みたいなものか 飽食、怠惰、、、
チロウ、パン、砂糖はついご馳走になり、呼んでも気づかず
カラダがぼろぼろ崩れても分からなくなっているのを見て
贅沢は恐ろしいと分かる2人
ダイヤモンドを回すと、みんな裸で痩せて、みすぼらしくなる
ひかり:
あれが本当の姿です
奥の部屋に不幸せの谷があって、みんなそこに堕ちるでしょう
■しあわせとよろこび
静かになった部屋には本当の幸せ、喜びが見えるようになる
みんな可愛い子どもの天使の姿で数えきれないほど大勢!
天使:
僕たち、いつでも君たちと一緒にいるんだよ
いつも笑ったり、歌ったりしているけど
あなたたちには見えも聞こえもしないんだもの
丈夫な体の幸せ、光る星を見る幸せもいる
ひときわ背の大きな「大喜び」も集まる
正直の喜び、考える喜び、音楽を聴く喜び、絵を観る喜び、、、
青い鳥を探していると言うとみんな大笑いして
天使:
まだ分からないんだ
だから人間はいつになっても幸せじゃないんだね
あの人がなんでも教えてくれますよ
やって来たのは「お母さんの喜び」
本物のお母さんより若く見える
キレイな服は、キス、抱っこ、優しい顔つきで出来ている
天使たちは光がいることに気づいて
黒いベールをとって照らしてくれたら
人間も気づいてくれるだろうと頼む
ひかり:
幸せや喜びが人間にはっきり分かるようになるのはずっと先のこと
そしたらまた帰ってきます
(それが今ならいいなあ!
■みらいの国
未来の国はすべてが美しい空色
御殿には数えきれないほどの赤ちゃんが産まれるのを待っている
ひかり:赤ちゃんが欲しくなると、扉が開いて、降りて行くんです
赤ちゃんの1人と話す
帽子ってなあに? 寒いってなに?と興味津々
赤ちゃん:産まれると面白い? 地上ってキレイ?
2600年に産まれる予定の赤ちゃんは発明の準備で大忙し
地上でみんなのためになるものを発明することになっていて
死なないクスリを見せてくれる
不公平をなくすために必死に考えている赤ちゃんもいる
■時のおじいさん
きょうだいの弟になる赤ちゃんから声をかけられる
持っている袋の中身は、はしか、しょうこう熱、百日咳
弟:
それで死ななきゃならないんだ
死ぬためには、産まれなきゃならないだろ
産まれるには、時のおじいさんが船に乗せるのだと話す
片手に砂時計、もう片方には寿命が来ると命を刈り取る大きな鎌を持つ怖い顔の老人
産まれるのを嫌がる子もいて、代わってあげると言う子もいるが
老人:人間は身代わりに産まれたり、死んだりは出来ないのだ
(自分の人生を生ききらないとね
■おわかれ
ある扉の前に来て、自分の家を忘れてしまっているチルチル
ひかり:
お別れです
私たちは青い鳥を探し終わったのですから
どこにも見つからなかったというのが分かればいいのです
本当の幸せの鳥は遠い所にはいないのですよ
水の精:
私のことを忘れないで
水道や井戸を大切にしてください
ひかり:
私は月の光、星の中にもいつもいます
でも、本当はあなたたちの心の中にいたいのを忘れないで
さようなら
■めざめ
2人が目覚めると、お母さんが起こしに来る
1年も経ったと思われたのに、たった1晩の出来事だった
隣りのおばあさんが入ってきて、魔法使いそっくり
おばあさん:昨夜は月の光に照らされて寝たに違いない
隣りの娘さんは病気で、チルチルたちの鳥を前から欲しがっていたから
クリスマスプレゼントにくれないかと頼まれる
ミチル:あの鳩、青いわ 青い鳥はうちにいたんだわ
チルチル:
こんな所にいるなんて どうして気づかなかったんだろう
あげますよ 幸せを
2人は自分の家ほど素晴らしいものはないと気づく
病気の娘さんもやって来て、ひかりにそっくりだと分かって驚く
鳥にエサをあげようとして鳥をカゴから出した途端、窓から逃げてしまう
幸せはあっという間に逃げてしまい
また捕まえるのは難しいもの
みなさんも探してください
私たちみんなが幸せになるために大切な鳥ですから
■解説
メーテルリンク
1862年ベルギー生まれ
彼の家はベルギーの国史に残る有名な家柄で
父は役人でしたが仕事をあまりしないで別荘でのんきに遊んで暮らしていた
メーテルリンクは少年時代を恵まれた家庭で過ごした
大学では父の希望で法律を勉強
卒業後、弁護士になるがあまり興味がなく
友達のグレゴワール・ルロワと文学の勉強するためパリに出た
ルロワは後に立派な詩人になった
「温室」という詩集、「マレーヌ姫」という戯曲などを書くが
メーテルリンクも悲しみを知り、「闖入者」などの戯曲を作り続ける
自分の考えを表すのに人形芝居が一番適していると考えた
人間の生きる道は自分で切り開かねばならないと考えるようになり
1908年「青い鳥」を書いた
6幕12場からなる戯曲で、のちに童話に書き換えた
人間の本当の幸福は、過去を懐かしがったり、未来を夢見たりするのではなく
身近な日常の中で自分で作り出すものだということ
1911年ノーベル文学賞受賞
それから間もなく第一次世界大戦、第二次世界大戦を経験
妻と一時アメリカに逃れる
その際、実際に青い鳥を持っていたが
アメリカの港で動物の入国が許されず
手放さなければならなかったと言う話が新聞で伝えられた
戦後はまたフランスに戻り
1949年フランスのニースで亡くなった
今西祐行/文 遠藤てるよ/絵
※「絵本・児童書」カテゴリー内に追加します
本当はこのシリーズではなくて
別のシリーズの挿絵で読もうとしていたが
同じ偕成社からの児童文学シリーズだったため
区内にあった「世界の幼年文学」が手元にやってきた
こころがあったかくなる挿絵がたくさん入っていたけれども
本書に関しては、それぞれの心の中で想像して読んだほうが楽しいと思う
「ひかり」がどれほど美しいか
「青い鳥」はどんな姿形をしているか
世界中に知られたこの名作を
なぜこれまで読まなかったのかフシギ
でも、大人になった今のタイミングがベストだったのだろう
もとは戯曲ということで、お芝居で観てほしいとあった
飽食、贅沢、便利なのに幸せを探し続けている人が多いため
「青い鳥症候群」なんて言葉も聞いたことがある
大人も子どもも「ほんとうの幸せ」がどこにあるか
大事な哲学的セリフがいっぱい詰まった本書を読んで思い出すといいよね
「いま、ここ」ということ
生まれるのを待っている赤ちゃんたちとか
今のスピリチュアルで話されていることとリンクする部分も多々あるのもフシギだった
【内容抜粋メモ】
■きこり小屋のきょうだい
クリスマスイヴの晩
けして裕福ではないチルチル、ミチルの兄妹は夜中に起きてしまう
ミチル:サンタクロースさん、もう来たかしら?
チルチル:今年は忙しくて、サンタさんに頼めなかったってお母さんが言ってたろう
窓の外のお金持ちの家を見ると
大きなクリスマスツリーがあり
食べきれないほどのお菓子がたくさんで
羨ましくて仕方ない2人
■まほうつかいのおばあさん
いかにもな魔法使いって感じのおばあさんが部屋に入って来て
おばあさん:
幸せの青い鳥はいないかね
長いことふせっている娘の病気も治るんだ
2人は知らないと答える
おばあさん:思い出の国にいると思う
そこでは亡くなった祖父母、弟と妹にも会えると言う
おばあさんはダイヤモンドのついた緑色の帽子を渡す
■ふしぎなダイヤモンド
おばあさん:
ダイヤモンドを左に回すと、見えないものが見えるんだ
お前たちの目は本当に見えてない
ちょっと飾りがあると立派な家
ちょっとキレイな服を着ているとお金持ち、幸せに見えるんだ
私がどう見えるか言ってごらん
醜いとは言えずにもじもじしていると
ダイヤを回すよう言われ、すっかりキレイなお姫様に見えて驚く
時間も可愛い子どもの姿で駆けて行く
犬のチロウ、猫のチレットも立ち上がって驚く(w
ストーブの火、水道の水の精、牛乳の精(!)、パンの精、砂糖の精
最後にとても美しい光の精も現れる
■青い鳥をさがしに
みんなで魔法使いの立派な御殿に行って旅の準備をする
ズルいチレットは、人間に自分たちの心が見透かされたら
いじめられるだろうとみんなに言うが
チロウ:
僕は人間の味方だ
たまにぶたれるのは、僕たちの心が分からないからだ(可哀想に・・・
チレット:
人間は私たちの敵です
ずっと昔は自由に楽しく暮らしていたのに
火、水も昔は王様だったのに
今じゃ人間にこき使われている
■おもいでの国
思い出の国は森の中にある
みんなは入口で待ち、きょうだい2人だけで行くことになる
ひかり:
9時までに帰っていらっしゃい
いつまでも思い出の国にいてはいけません
昔のまんまの家に祖父母が昔のまんまでいる
幼くして病気で亡くなった弟と妹とも再会する
2人も昔のまんま
おじいさん:なんだか明るくなった気がするね
おばあさん:誰かが私たちを思い出してくれているんですよ
2人は抱きついて喜ぶ
おじいさん:お前たちが思い出せば、私たちはいつまでも生きているのさ
昔から飼っているツグミが青いことに気づいてカゴに入れる
おばあさんが昔の通り、砂糖を倹約した酸っぱいアンズパイを焼いてくれたが
時計が鳴って、帰る時間
おばあさん:
行くがいい
生きていると、いろいろ心配事があるからね
思い出の国を出るともらった鳥は黒くなって動かなくなる
■夜のごてんへ
夜の御殿には夜の奥さんが住んでいて、ひかりが苦手
夜:
人間はどうして私たちが隠しているものを照らして探そうとするのか
幽霊も逃げたし、病気は病気になって寝込んでしまった(w
夜の子どもは「眠り」
鍵を貸してもらい、いろんな部屋に入って鳥を探す
ダイヤモンドは人間の知恵の印だから夜も怖くない
病気の部屋には天然痘、チフス、ペストなどがいるが
クスリが発明されてからすっかり弱ってしまった
小さくて元気なのは風邪(!
■ゆめのにわ
開けてはいけないと言われたのは「戦争」の部屋
夜:昔よりどんどん大きく強くなるばかりだ
影、ホタル、露の部屋はとても感じが良く
夢の部屋は月の光がさすキレイな庭で、夢の花が咲いている
そこに無数の青い鳥が飛んでいて、かき集めてカゴに入れるが
御殿を出るとみんな死んでいる
夢はさめるとそれでおしまい
■森の中で
チレットはここでも先回りして、人間たちが来ることを警告する
チレット:青い鳥をとられたら、みんな伐り荒らされてしまうでしょう
人間を追い払おうと獣たちが集まってくる
おじいさんのような老木は激怒している
老木:
お前の親父は、わしらの仲間を1万3675殺した
獣もいつも人間に追われている その敵をとるんだ
裁判だ! いや、お前たちはみんな死刑だ!
でもなんだかんだ言ってもみんな人間が怖くて手が出せない
オオカミに襲われそうになり
チルチルはミチルをかばってナイフでオオカミを刺す
光に言われて慌ててダイヤモンドを回すと
みんな元の木に戻り、獣も消える
鳥を探せずガッカリする2人だが
ひかり:
幸せの鳥を手に入れるには、時には一人で戦わなければなりません
それが分かればいいのです
■おはかへ
魔法使いから手紙があり、お墓に行く
ダイヤモンドを回すと死人が墓から出てくると言う
牛乳:なんだか胸が酸っぱくなってきましたわ(w
ここにも2人きりで行くよう言われる
ミチル:何を食べて生きているのかしら?
チルチル:バカだな 死んだ人は生きていないよ(ww
青い鳥を探すには勇気も必要と分かる
ダイヤモンドを回すと、死人ではなく
白い花がたくさん出てきて花畑になる
ひかり:
人は時々、お墓に幸せがあると思うのです
でも、ここに青い鳥はいないと知る必要があります
■ぜいたくのひろま
魔法の御殿は幸せや喜びがたくさんいる楽しい所
耳が聞こえなくなるほど賑やかで
みんな食べて、飲んで、踊って、太った人たちばかり
ひかり:
あれは目に見える贅沢です
青い鳥は一度くらいあの中にいたかもしれません
一度ご馳走になれば大切なことをみんな忘れてしまいます
一番のお金持ちの贅沢:
窓から見たでしょう? 私はあそこにいたんです
私のきょうだいは愉快ですよ
大地主、見栄、ノドが乾いていないのにお酒を飲む贅沢
お腹がいっぱいでも食べる贅沢、何もしない贅沢もいます
贅沢は見ているだけじゃ分からない
仲良くなりましょう
青い鳥? たしか食べても美味くないはずですよ
(十戒みたいなものか 飽食、怠惰、、、
チロウ、パン、砂糖はついご馳走になり、呼んでも気づかず
カラダがぼろぼろ崩れても分からなくなっているのを見て
贅沢は恐ろしいと分かる2人
ダイヤモンドを回すと、みんな裸で痩せて、みすぼらしくなる
ひかり:
あれが本当の姿です
奥の部屋に不幸せの谷があって、みんなそこに堕ちるでしょう
■しあわせとよろこび
静かになった部屋には本当の幸せ、喜びが見えるようになる
みんな可愛い子どもの天使の姿で数えきれないほど大勢!
天使:
僕たち、いつでも君たちと一緒にいるんだよ
いつも笑ったり、歌ったりしているけど
あなたたちには見えも聞こえもしないんだもの
丈夫な体の幸せ、光る星を見る幸せもいる
ひときわ背の大きな「大喜び」も集まる
正直の喜び、考える喜び、音楽を聴く喜び、絵を観る喜び、、、
青い鳥を探していると言うとみんな大笑いして
天使:
まだ分からないんだ
だから人間はいつになっても幸せじゃないんだね
あの人がなんでも教えてくれますよ
やって来たのは「お母さんの喜び」
本物のお母さんより若く見える
キレイな服は、キス、抱っこ、優しい顔つきで出来ている
天使たちは光がいることに気づいて
黒いベールをとって照らしてくれたら
人間も気づいてくれるだろうと頼む
ひかり:
幸せや喜びが人間にはっきり分かるようになるのはずっと先のこと
そしたらまた帰ってきます
(それが今ならいいなあ!
■みらいの国
未来の国はすべてが美しい空色
御殿には数えきれないほどの赤ちゃんが産まれるのを待っている
ひかり:赤ちゃんが欲しくなると、扉が開いて、降りて行くんです
赤ちゃんの1人と話す
帽子ってなあに? 寒いってなに?と興味津々
赤ちゃん:産まれると面白い? 地上ってキレイ?
2600年に産まれる予定の赤ちゃんは発明の準備で大忙し
地上でみんなのためになるものを発明することになっていて
死なないクスリを見せてくれる
不公平をなくすために必死に考えている赤ちゃんもいる
■時のおじいさん
きょうだいの弟になる赤ちゃんから声をかけられる
持っている袋の中身は、はしか、しょうこう熱、百日咳
弟:
それで死ななきゃならないんだ
死ぬためには、産まれなきゃならないだろ
産まれるには、時のおじいさんが船に乗せるのだと話す
片手に砂時計、もう片方には寿命が来ると命を刈り取る大きな鎌を持つ怖い顔の老人
産まれるのを嫌がる子もいて、代わってあげると言う子もいるが
老人:人間は身代わりに産まれたり、死んだりは出来ないのだ
(自分の人生を生ききらないとね
■おわかれ
ある扉の前に来て、自分の家を忘れてしまっているチルチル
ひかり:
お別れです
私たちは青い鳥を探し終わったのですから
どこにも見つからなかったというのが分かればいいのです
本当の幸せの鳥は遠い所にはいないのですよ
水の精:
私のことを忘れないで
水道や井戸を大切にしてください
ひかり:
私は月の光、星の中にもいつもいます
でも、本当はあなたたちの心の中にいたいのを忘れないで
さようなら
■めざめ
2人が目覚めると、お母さんが起こしに来る
1年も経ったと思われたのに、たった1晩の出来事だった
隣りのおばあさんが入ってきて、魔法使いそっくり
おばあさん:昨夜は月の光に照らされて寝たに違いない
隣りの娘さんは病気で、チルチルたちの鳥を前から欲しがっていたから
クリスマスプレゼントにくれないかと頼まれる
ミチル:あの鳩、青いわ 青い鳥はうちにいたんだわ
チルチル:
こんな所にいるなんて どうして気づかなかったんだろう
あげますよ 幸せを
2人は自分の家ほど素晴らしいものはないと気づく
病気の娘さんもやって来て、ひかりにそっくりだと分かって驚く
鳥にエサをあげようとして鳥をカゴから出した途端、窓から逃げてしまう
幸せはあっという間に逃げてしまい
また捕まえるのは難しいもの
みなさんも探してください
私たちみんなが幸せになるために大切な鳥ですから
■解説
メーテルリンク
1862年ベルギー生まれ
彼の家はベルギーの国史に残る有名な家柄で
父は役人でしたが仕事をあまりしないで別荘でのんきに遊んで暮らしていた
メーテルリンクは少年時代を恵まれた家庭で過ごした
大学では父の希望で法律を勉強
卒業後、弁護士になるがあまり興味がなく
友達のグレゴワール・ルロワと文学の勉強するためパリに出た
ルロワは後に立派な詩人になった
「温室」という詩集、「マレーヌ姫」という戯曲などを書くが
メーテルリンクも悲しみを知り、「闖入者」などの戯曲を作り続ける
自分の考えを表すのに人形芝居が一番適していると考えた
人間の生きる道は自分で切り開かねばならないと考えるようになり
1908年「青い鳥」を書いた
6幕12場からなる戯曲で、のちに童話に書き換えた
人間の本当の幸福は、過去を懐かしがったり、未来を夢見たりするのではなく
身近な日常の中で自分で作り出すものだということ
1911年ノーベル文学賞受賞
それから間もなく第一次世界大戦、第二次世界大戦を経験
妻と一時アメリカに逃れる
その際、実際に青い鳥を持っていたが
アメリカの港で動物の入国が許されず
手放さなければならなかったと言う話が新聞で伝えられた
戦後はまたフランスに戻り
1949年フランスのニースで亡くなった