メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

世界の名作全集 22 あくたれジャンの日記 ヴァンバ/原作 国土社

2024-04-10 17:26:10 | 
1990年初版 安藤美紀夫/訳 依光隆/挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


やることなすこと、あまりに度の過ぎた心無いことばかりで
イタズラと呼ぶにはどぎつくて、サイコパスぽい/汗

動物にペンキを塗るのも、虐待だし
サイコパスって、動物虐待と関係深いよね

自分の起こした騒動を全部他人のせいにして
自分がどれほど不幸か嘆くのも徹底していてコワイくらい

同じ家にこんな子どもがいたら、私は耐えられないが
そう育ったには、素地になる家庭環境があったのかも

そもそも家族が他人の悪口を言ったり、噂を流したりするのが好きっぽい
子どもは周囲をよく見てマネする生き物だから、家庭や社会の投影とも言える

ジャンの言う通り、子どもに体罰で教えても何も身につかない
自信をなくし、他人のせいにしたり、八つ当たりするほうに逃げるのも無理ないかも

ジャンを子どもだからって理由だけでのけ者にしているから
なんとか注目を浴びて、たとえ怒られてでも
家族にかまって欲しいだけなのかもしれないし

挿絵の依光隆さんは「少女・世界推理名作選集」でも描いてたな
1926年 高知県生まれ



【内容抜粋メモ】

登場人物
父母
長女 アダ
次女 ビルジーニア
三女 ルイーザ
ジャン 9歳

コルラルト 医者 ルイーザの婚約者
マラルリ 弁護士

カテリーナ お手伝い
ベッティーナおばさん


●日記
誕生日にもらったプレゼントの中で、母からもらった日記が気に入り
何を書いたらいいか分からないから、アダ姉さんの日記を持ち出して写す(!

「カピターニみたいなイヤなおじいさん、もう二度とこなきゃいい」

お金持ちだから、両親はアダと結婚させようとしている

カピターニが来て、みんなの前でジャンの日記を読み
姉の気持ちを知って激怒し、縁談がなしになる



●あくたれジャン
釣りに行くと、川に落ちて、ジジおじいさんに助けられ
みんなに世話をされて嬉しいジャン

カーテンの影に隠れていると、ルイーザ姉さんが
医者のコルラルトといつ婚約を発表しようかと話していて
ジャンはみんなの前で発表してしまう



●ダンスパーティー
姉たちの写真を盗み、裏にそれぞれの悪口が書いてあるため
本人のもとへ持っていくと、みんな怒りだす

ジャン:子どもなんてものは、いたずらするためにこの世に生まれてきたようなものだぜ

ベッティーナおばさんがダンスパーティーの日にやって来ると分かり
お金持ちだが、田舎者でみっともないから恥ずかしいと話す姉たちを助けるために
「パーティーの前に帰って」と頼むと「もう二度とこない」と怒って帰ってしまう

パーティー当日、女性客はたくさんいるのに、男性は3人きり
写真の件で怒ったのが原因とバレて、また体罰をくらうジャン

ジャン:
ひっぱたいて子どもを苦しめることはできても
考えまで変えてしまうことはできない









●ベッティーナおばさん
おばさんの家に行こうとして、汽車賃もないため、見張り室にもぐりこむ
ひどい風雨になり、割れた窓から雨風が吹き込む

トンネルに入ると煙でむせる
駅で降りると、駅長室に連れていかれ、真っ黒な顔と服について聞かれ
無賃乗車と不正乗車で罰金になる

ベッティーナおばさんは割れた窓の弁償まで払うハメになる







おばさんは、白アザミをとてもかわいがっているため
鉢の土を出して、棒とヒモをつけて、おばさんが見るたびに伸びたように見せて笑う

イタズラがバレて怒られるが、「愛しいフェルジナンド様の魂が宿る」
と言っていたのを聞いていたのが知られて、誰にも喋るなと約束させるが
ジャンは聞かれるたびにみんなに喋ってしまう



●動物園
畑仕事をしている農家の子どもに「動物園をつくろう」と言って
イヌやヒツジにペンキを塗っていく

最後には子どもにもペンキを塗って、木に縛り、泣いてしまう
親が来ると、ロバに乗って逃げる

おばさんは父に電報を打って、連れて帰ってもらう
ルイーザはコルラルトと結婚が決まり、ローマに行くことになる



●花火
2人の結婚式に花火をあげてお祝いしようとたくさん買い込む

ベッティーナおばさんは手作りのダサい毛布をプレゼントして
姉たちは、ダイヤモンドのほうが良かったと言ってたと話すと
また怒って帰る

コルラルトさんのコートのうしろに花火を仕掛けたら
とんでもない騒ぎになって、部屋に閉じこめられる

ジャン:なにかどでかいことをして、ボクをこんな目に遭わせた大人たちに思い知らせてやらなきゃ


姉は同情して食べ物を持ってきてくれる






●転落
部屋から脱走しようとして、敷布をさいてロープにして
窓から出たら、布が切れて転落し、頭を打ち失神

ちょっと厳しくしすぎたと後悔して、手品を観に連れて行ってもらって感動し
手品師になると決める

友だちの前で近所のオルガさんの金時計を粉々にくだいて(!
元通りになると思ったら失敗して、お母さんの時計を渡すと驚いて持って帰る子どもたち

帽子の中に卵を割って入れてオムレツを作ると言ったが
自分の帽子だと分かったネルリさんは激怒する

おもちゃのピストルに弾が入っていてビックリした
弁護士のマラルリ氏の目に弾が当たって大怪我を負わせた







ネルリ:あいつは生まれつきの悪党だ!

ジャン:ただの災難だよ 大人なんて、みんなそうなんだ



●時計
オルガさんがお母さんの時計やハンカチを持っているのを見て
なんでも珍しいものが欲しくなって収集する
“クレプトマニア”なんだとアダと話しているのを聞いて
おかしくてたまらないジャン

母はオルガさんの夫にワケを話すと、夫は有名な医者にみせて
医師は神経を休める治療をすすめる
ジャンはさらに大量のハンカチを姉の所からオルガさんの家に届ける

怪我が治ってきたマラルリさんのもとに社会党の委員たちがお見舞いに来る
母は“異教徒”と呼んで嫌っている



●学校
ジャンは前の席にマツヤニを塗って、服とくっついて離れない

「動くんじゃない 顔をぴくぴくさせるんじゃない」が口癖で
“ぴくぴく先生”とあだ名されている先生に怒られて、校長にも呼び出される







マラルリさんがビルジーニア姉さんと結婚することになる
アダ姉さんは、貧しいデ・レンツィス氏との結婚に許しが出ずに泣く



●姪フローラ
マラルリさんの姪フローラが1週間遊びに来る

フローラが大事にしている人形をバラバラにして、組み立て直すと
寝かせても目が開きっぱで泣き出す

ジャンが主人、フローラが黒人奴隷になって
森に置いてくる、という遊びをするために
顔を真っ黒に塗り、髪の毛を切ってしまう(!

森に置いたまま忘れていたが、カミナリが鳴り
カミナリ嫌いのフローラを心配した親に話すと大騒ぎになる

ジャン:
あんな、たいしたこともないちびっ子のために
ウチじゅが大騒ぎをしてるのを観てると腹が立ってきた


フローラは早めに家に帰ることとなる



●どろぼう
両親がいない夜 ビルジーニア姉さんが「どろぼうがいる!」と叫んで
近所の人もやって来る







ジャン:
姉さんは、いつもベッドの下にどろぼうがいると思っているから
一度くらい本物がいてもおかしくないと思ったんだ

おもちゃのピストルを持ったわら人形をつくって、姉のベッドの下に置いたジャン
ビルジーニア姉さんは両親に出かけ先から早く帰ってきてとSOSの電報を打つ

ジャンは大嫌いなスープだけの食事の罰となったのが悔しくて
シチューの鍋に塩をいっぱい入れる



●結婚式
マラルリとビルジーニア姉さんの結婚式に
あくたれジャンを連れて行かないよう計画していたのを知り
馬車に飛び乗って教会に行って泣いてしまう







今度は暖炉が急に爆発する事件が起きる
残った花火を隠しておいたジャンのせい

ジャン:
子どもは大人を敬わなくてはいけない
だったら、大人も子どもを敬ったらいいじゃないか


粉々になった金時計が出てきて、手品で遊んだことを話すと、また父から体罰を喰らう
ジャン:済んだことだもの、もう忘れちゃったよ

オルガさんに謝ると、小説のネタになると笑って許してくれる
ジャン:子どもの扱い方をオルガさんから教わるといいや



●代議士
クラスメイトからマラルリさんが代議士などなれるわけがないとバカにされて怒るジャン

1人で運転もできると自慢したのが信じられず
運転手が銀行に行ってる間、運転を見せてもらうと
クルマは暴走し、友だちは失神、家につっこんで、2人とも大怪我を負う









同情したコルラルトは、ローマで電気療法を受けるといいとすすめる
ローマに行くのが夢だったジャンは大喜び

鼻声の侯爵夫人をマネして待合室で喋っているのを見て
コルラルト:今度、患者さんと話したら絞め殺すぞ



●電気療法
侯爵はジャンの事故についてバカにした態度をとるため
光線浴をしている箱に入ってる時、タマネギをこすりつけてやると
機械の中で動けない侯爵は顔をくしゃくしゃにして苦しむ
医者:ひどく神経がたかぶっている 冷水浴をさせなさい!







コルラルトの姉マチルデが可愛がっているカナリヤをカゴから出してあげると
愛猫が食べてしまう(!

猫をこらしめるために水道に頭をつっこむと痙攣をおこして
逃げた拍子にベネチアガラスの花瓶を割って
高級なペルシャじゅうたんを水びたしにしてしまう

召使いのピエートロ:
マチルデさんがとても大事にしているものが5つあった
カナリヤは食われて
子どもの頃に拾ったネコは黄色いヘドをはき
友だちの形見のベネチアガラスの花瓶はこなごな
教会におさめる刺繍もめちゃくちゃ
叔父がお土産で買ってきたペルシャじゅうたんは色が変わってしまった・・・

父はとうとうジャンを寄宿舎のある学校へ入れる決心をする(やっぱり

マラルリ:
私たちが結婚したきっかけになってくれた
友だちとケンカしたのも、ボクの悪口を言ったから
私ならちゃんとした子にしてみせますよ

ジャンは試しに1か月、マラルリ宅に預けられることになる








解説





ヴァンパ 本名ルイージ・ベルテルリ
1860年 フィレンツェ生まれ 1920年死去
王政に批判的で、マンガ入りの風刺詩などを書いた

結婚し、2人の子どもが産まれてから児童文学に関心を持つようになった
『チョンドリーノ』

1906年『日曜新聞』を創刊 本書はそこに連載された
形式や見栄にとらわれた社会に対する批判をこめた
全国的に広がった子どもの読者を「こおろぎとロンドの会」に任せた

『鼻の話』
『おかしな光景』
『ながいながいお話』

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topics~歯医者で型取り ほか

2024-04-09 11:41:31 | 日記
4.8 歯医者で型取り
朝のラッシュ時間帯に久々地下鉄に乗って、普段行かない方向に行ったから
不安度が高く、おまけにお腹が痛くて
文字通り、心臓が飛び出るのでは?てくらいバックバックになって死ぬかと思った

ソラナックス1錠で効かず、最近もらった錠剤を1錠+胃腸薬1錠投下
クスリが効いてくると、足元がふらつくほど眠い・・・

院長さん?とその奥さんが義歯について丁寧に説明してくれた
型取りは私の苦手なピンクのゴムみたいなやつ/汗

歯全体でなく前の部分だけだから、負担が少し減るけど
2分半、目の前のモニターの熱帯魚の映像などを見て、なんとか堪えた

1週間後、歯が出来上がり→調整 対応が早いのは助かる


モバイルバッテリー購入
Amazonで注文したら、届くのが今週末で、それまで待っていられないため
キャンセルして、電気屋行って、ざっくりと説明を聞いて買ってきた

CALON
“持ち運びに便利 コンパクトなのに高出力”












いろんな色があったから、ペイルグリーン?にしてみた
小型といえども、スマホと同じくらいの重さ

その他は、スマホをもう1台持つくらいの大きさと重さ/汗

室内で試してみたら、ちゃんと充電してくれてる
外せばまたすぐに電池が切れちゃうから
モバイルバッテリーをつねにフルにして持ち歩くのを忘れないようにしなきゃ


特定疾患更新手続き
更新の書類+診断書を持って手続き終了
とはいっても、クスリで朦朧としていて記憶がない/汗



voicy
わたぬき社長のYouTube動画をよく観るようになって
社長がvoicyもやってると知って、DLしてみた

メルアドで登録

 


八卦診断
LINEオプチャメンバが教えてくれた

あなたのトーテムは「鳥」です。





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少女名作シリ-ズ 6 バレエ物語 伊藤 佐喜雄/編著 偕成社

2024-04-09 10:50:03 | 
1972年初版 1981年 第23刷 伊藤佐喜雄/編著
山下一徳/カバー図案 西村保史郎/カバー絵・口絵・挿絵

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バレエの名作のストーリーを改めて読むことができて勉強になった
一度は実際に観てみたいなあ

ロシアが起源と思っていたけど、発展させたということか?


【内容抜粋メモ】

白鳥の湖

【歴史】
1877年 モスクワのボリジョイ劇場で初演
ロシアの大作曲家チャイコフスキーの音楽も有名
帝政ロシアにうまれた古典バレエの第一の名作

王子ジーグフリードが成年になったお祝いの日
家庭教師のウォルフガング、親友のベンノらも陽気に酒を飲む







明日の舞踏会で花嫁を選ばなければいけないと母に言われて憂鬱になる






気晴らしに白鳥狩りに行くと、湖のほとりで
白い羽のついた服を着た美しい少女を見て、互いに惹かれる
それはある国の王女オデットが悪い魔法使いにより白鳥に変えられた姿









舞踏会で6人の姫たちと踊っていると、魔法使いロートバルトが娘オディールを連れて来る
オディールは魔法によりオデットそっくりだったため、王子は気づかず踊り、花嫁にしてしまう
魔法使いは騙したことを明かす







影で見ていたオデットは悲しみに暮れていると、王子が来て、魔法使いと戦って勝つ
オデットは湖に身を投げると、王子もあとを追う
真実の愛が魔法を解き、2人は真珠貝の船に乗って戻る







コッペリア

【歴史】
1870年 パリのオペラ劇場で初演
ドリーブの音楽が素晴らしい
『ジゼル』とともにフランスバレエを代表する作品

上手な人形つくりコッペリウスの家の2階には
いつも本を読んでいる美しい少女コッペリアが見える







町の若者たちはこぞって見に来て、挨拶したりするが全く動じない
そのはず、コッペリアはコッペリウスが娘のように大事にしている人形







婚約者のフランツがコッペリアに夢中で、心配なスワニルダとケンカになる
コッペリアはぜんまいをかけると優しく挨拶を返す









町長は、領主さまが時の鐘を寄付したお祝いの式で
結婚する者には、持参金がもらえるとしらせる

コッペリウスは家のカギを赤いハンカチに包むが
若者たちが周りを踊ったため、ハンカチで汗をふいてカギを落としたことに気づかない







スワニルダたちはカギで家に侵入し、たくさんの等身大の人形があって驚く
中国人、黒いムーア人同様、コッペリアも人形と分かって笑い乱暴に扱う








戻ったコッペリウスは怒って、窓から忍び込んだフランツも捕えられるが
仲直りに酒をおごり、眠ったところに魔法をかけて
フランツの魂をコッペリアに移そうとする







スワニルダはコッペリアに化けて阻止する





祝福の日 たくさんの若者のカップルが式を挙げる
フランツと仲直りしたスワニルダも式を挙げようとして、コッペリウスが弁償しろと迫る







持参金を償いにあてると話すと、領主さまが立て替えて、スワニルダの持参金も払う
コッペリウスはお金をもらって満足して帰る



ジゼル

【歴史】
ロマンチック・バレエの最大の傑作
1841年 パリのオペラ劇場で初演

美しい少女ジゼルと、隣りに住む村男ロイスは愛し合っているが
ロイスは隣りの国の跡継ぎアルブレヒトで
領主クールランド公の娘バチルデ姫と婚約していることを隠している








狩り場の番人ヒラリオンもジゼルを愛していて、ロイスを恨み
家来のウイルフリッドと話しているところを見て怪しむ







ジゼルはロイスが姫と結婚する夢を見て心配するが
ロイスが夢占いをすると吉が出て安心する

クールランド公の狩りの一隊がやって来て
バチルデ姫はジゼルを気に入り、首飾りをプレゼントし、侍女になって欲しいと頼むが
近いうちに結婚するからムリだと断る









ヒラリオンはロイスの剣とマントを持ち出して、身分を明かす
ジゼルはバチルデ姫こそ夢に出てきた姫と直感し
ロイスからもらった愛の指輪を見せると、姫も同じものを持っていて絶望し
もらった首飾りをひきちぎり、剣で胸を刺して死ぬ

ジゼルは近くの森に埋められた
嵐の番、ウイリーの森を通りかかったヒラリオンたちは鬼火を見る

魔法の枝を持つ妖精ウイリーの女王ミルタ:あなたたちの新しい妹ができたのよ
と言って、ジゼルの額に星のしるしをつけて祝福する







アルブレヒトはジゼルの墓に白いユリを捧げて許しを請う
そこにジゼルの霊が現れる

ヒラリオンはウイリーの妖しい踊りに巻き込まれ、池に落とされる
妖精はアルブレヒトも同じように引きこもうとする

ジゼル:私のお墓の十字架をつかまえていて
ミルタの魔法の木の枝は十字架にはきかない

アルブレヒトはジゼルの踊りに惹きつけられて十字架を離してしまうが
明けがたの鐘が鳴り、一命をとりとめ、さよならと告げて森を去る



火の鳥

【歴史】
『シェヘラザード』とともに1910年、パリで初演
イゴール・ストラビンスキーという若い作曲家が選ばれて成功し世界に名が知れ渡る

ロシアの王子イワンは狩りが好きで、変わった獲物がないかと番人に聞くと
誰もまだ見たことがない“火の鳥”の話をして、生け捕りにしようとあちこちを探し回る







恐ろしく深い森に入り、金色に輝く実のなるリンゴの木の上を
火の鳥が舞うのを見て、捕まえる







火の鳥は、逃がしてくれたら、金の羽を1枚あげる
王子が危ない目に遭ったら、羽を振ればすぐに助けると約束する

月光で明るくなると、魔王の城の前にいる
10人の美しい侍女のうしろから、ひときわ美しい少女が降りてくる
ザレウナ姫:コッチェイという不死身の魔王に城に閉じこめられている







互いに惹かれ合い、イワンが城の扉を開けると
ものすごい老人のコッチェイが率いる百鬼夜行が飛び出す

とっさに金の羽を振ると、火の鳥が舞い、洞穴の中の鉄の箱に
大きな卵があり、コッチェイの不死身の魂が入っていると教える

王子は卵を地面に叩きつけると、コッチェイは死に、怪物も城も森も消える
石にされた家来も侍女も元に戻り、2人は結婚する








ペトルシカ

【歴史】
1911年 パリのシャトレ座が初演 ニジンスキーの名技も素晴らしい
音楽はストラビンスキー

1830年代 今のレニングラード ギリシャ正教のキリスト復活祭前の40日間
人々は肉食を断つが、その前にご馳走を食べて遊ぶカーニバル(謝肉祭)があり
見世物小屋、回転木馬、アコーディオンの音で踊る少女らで賑わう







見世物師がフリュートを吹くと、生きているようにリアルな人形芝居が始まる
道化のペトルシカ、黒いムーア人、踊り子の3人は箱から出て踊り、人々は驚く







ペトルシカは踊り子を愛しているが、ムーア人のようなお金もなく、話も踊りもヘタ
ムーア人が踊り子と話すのを見て嫉妬し、落ちていた棒で頭を殴りコブをつくり
見世物師は驚いて、3人を小屋に入れてしまう

ペトルシカは狭くみすぼらしい小屋で見世物師からひどく怒られる
退屈した踊り子が入ってきて、もてなそうとするがどれも失敗し
踊り子にさんざん悪口を言われる







壁に頭をぶつけて小さな穴を開けて、外をのぞくと
ムーア人と踊り子が踊るのを見てカッとして割り入る
怒ったムーア人は半月刀を振り回す







外では金持ちの商人が、ジプシー女を2人連れて、札束をばらまき
みんな拾うのに夢中

ペトルシカがムーア人に斬られて倒れるのを見て、慌てて警官を呼ぶと
見世物師:これはただの人形ですぜ
と腹に詰めたおがくずを見せると、みんな笑って散る







小屋に戻ろうとすると、ペトルシカの霊が現れ
見世物師は人形を放り出して、小屋に逃げ込む





(命の宿った人形なのかな? フシギな話だ



眠れる森の美女

【歴史】
フランスのシャルル・ペローの童話をもとに
チャイコフスキーが作曲
1890年 ペテルブルグで初演
豪華絢爛たるステージが心を奪う

フロレスタン24世とお妃の間には長いこと子どもがなく
ようやく美しい王女が生まれて、大々的な命名式を行う







式部長官カンタルビュットは、ゲストが到着するたびに名を記入し、案内する
松の精、サクラの花の精、カーネーションの精、小鳥の精らは
姫がたぐいのない舞ができるよう、歌がうたえるよう、と呪文を唱える







みんなに嫌われている妖精カラボッスが来てネズミをプレゼントし
儀式に招かれなかったことを恨み、姫はいつか指を傷つけて死ぬだろうと予言する







妖精の女王、リラの精は死ぬ代わりに長い眠りにつき
心から愛する王子のくちづけで覚めるだろうと約束する

姫は16歳になり、王子が4人も花嫁に欲しいとやって来る
呪いを怖れて、宮殿の1km四方につむぎ針を持ち込んではならぬという法律があるほど
姫は大事に育てられている







せむしの年寄り女に化けたカラボッスが近づいて、つむぎ針をちらつかせたので
姫は手にとり、もて遊ぶうちに、左手の親指を刺してしまう









リラの精は木のつえを振るい、すべてを眠りにつかせる

100年後 狩りに来ていたチャアミング王子は、城での生活が退屈で悩んでいると
リラの精が現れて、オーロラ姫の姿をちらと見せるとたちまち愛してしまう







真珠貝のゴンドラに乗り、クモの巣がはった王宮に眠るオーロラ姫にくちづけをすると
たちまち魔法が解け、王、王女、貴族らもみんな目が覚め
王子を姫の夫、国の世継ぎとして迎える








解説
イタリアにおこったバレエ風の踊りは、フランスの宮廷で盛んになる
ルイ14世が力を尽くした

ロマン主義の影響を受けて「ロマンチック・バレエ」となる

バレエは歌劇のそえもので、19世紀に歌劇が盛んになると、バレエは独立
『ジゼル』で立派な芸術となる

19世紀後半、王族が生きていたロシアに渡り、愛好される
フランス生まれのバレー(男の踊り手)マリウス・ペティパが振付師となり技術を高めた

ペティパの弟子レフ・イワノフが継いで
新しいロシア・バレエの偉大な指導者ディアギレフが現れる

ディアギレフ:すぐれたバレエは、すぐれた音楽と舞踊、美術が完全に一体にならねば生まれない

ディアギレフを境として、以前をクラシック(古典)バレエ
以後をモダン(現代)バレエと呼び分ける


その他

『シェヘラザード』
アラビアンナイトの世界を描く
東洋風な原色衣装や道具が世界の大流行になった

『くるみ割り人形』
ドイツ・ロマン派の作家ホフマンの童話がもと
チャイコフスキーが晩年に作曲した第三楽章の円舞曲(花のワルツ)が有名
1893年初演時は評判が悪かった

『きみょうな店』
ドイツのバレエをマッシーヌが振り付け
ロッシーニの音楽をレスビギーが編曲して、1919年にロンドンで初演

『三角帽子』
ディアギレフがマルティネス・シェラの原作に興味を持ち
マヌエル・デ・ファリアに作曲を頼んでできた
1919年 ロンドンで初演

『シンデレラ』
ペローの有名な童話がもとだが、バレエではカボチャの馬車は出てこない
シンデレラの靴もガラスではない
1945年 モスクワ初演


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少女名作シリーズ25 エレン物語 ウェザレル 偕成社

2024-04-08 18:26:18 | 
1973年初版 1981年 第13刷 伊藤佐喜雄/編著
山下一徳/カバー図案 原新一/カバー絵・口絵・挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


少女が苦労して生きる『おしん』的な物語は
古今東西で感動され、名作として親しまれていることが分かる

細かい部分は違えど、母と娘の別れのシーンでは涙が出るし
ハッピーエンドにはホッと胸をなでおろす

今作には、イギリスとアメリカの微妙な関係性も出てきて興味深い
もとイギリス支配下にあった植民地から独立したことによる偏見は
現代にもあったりするのだろうか?


【内容抜粋メモ】

登場人物
エレン
モントゴメリイ夫人 エレンの母 イギリス人
モルガン・モントゴメリイ アメリカ人の父 陸軍大尉

フォルチュン・エマースン エレンの父の父違いの姉
プラント フォルチュン家で働くお百姓
アリス 牧師の娘
ナンシー 山の上に祖母と2人で住んでいる



●母と子
13歳のエレンは、突然、大好きな母と離れて暮らすことになった
病気の母が父とヨーロッパに療養する間
エレンだけアメリカの叔母に預けられることに決まる

母:どんなに悲しくても、その中に神さまがなにを教えようとしているか探し出してちょうだい







父は家庭や子育てに疎く、ケチなため、母はエレンのものを揃えるのに
祖母の形見の指輪を売ってお金をつくる

母の具合が悪くなり、1人で洋服生地を買いに来て
若い男性店員に邪険にされて泣いていると紳士が助けてくれる







ダンスコーム大尉の妻と娘マーガレットがソイルウォールに旅行するから
連れて行ってもらえと、急に言われて、荷物をまとめて、母と別れの言葉を交わす

母:
エレンを神さまにお預けいたします
どうぞこの子に幸せをお与えください(まるで今生の別れみたいだ

エレンにとって生まれて初めての長い旅なのに
ダンスコーム夫人とマーガレットはエレンに意地悪ばかりする





船が港に着いて、旅館まで行く辻馬車にも乗せず
女中のテミンスと一緒に歩かせる



●カラカラ村
ソイルウォールに着いても、叔母は迎えに来ていないため
旅館のおかみは、フォルチュン夫人を手伝うお百姓プラントの牛車に乗せてもらうといいとすすめる







家に着くと、叔母と年老いた母親がいて、1か月前にモルガンから手紙をもらったきりで
急な来訪に驚き、冷たい態度





散歩に出たエレンが白いよそ行き靴下を汚して帰ると
白は汚れやすく、贅沢だから、と全部、灰色に染めてしまう



●いたずら娘
山の上に祖母と2人で住んでいるナンシーが来て
叔母は村いちばんの畑持ちで金持ちだけれども、ケチで有名だと悪口を言う

ナンシーの後に続いて歩き、川に落ちてずぶぬれになり
プラントさんの家でひと晩世話になる

母に手紙を出したくても、郵便局はソイルウォールにしかなく
プラントさんがたまに母からの手紙が届いていないか見てあげると約束する

叔母はエレンを学校に行かせる代わりに、家事でこきつかう
自分で勉強しようとするエレンのために
プラントさんは勉強部屋に棚をつくってくれる



●アリスとともに
叔母はエレン宛ての母からの手紙を勝手に読んでいて、泣いていると
牧師の娘アリスが優しく声をかけて、自分の悪い所を直す努力をすればいいと諭す









モルガンがつまらないイギリス女と結婚した、と母の悪口を言った叔母が許せず
アリスに会いに隣り村の教会へ行く

アリスは日曜に教会でお祈りしたり、ナンシーの祖母を訪ねたりしている
エレンも同行した帰り、吹雪になり、プラントのカンテラの灯りで命拾いする







エレンは風邪で高熱を出し、いつも忙しく働くのが好きな叔母は看病してくれるが
エレンが求めるのは母親の愛情だった

回復したエレンは見舞いに来たプラントさんに讃美歌を読んでほしいと頼む
アリスも見舞いに来て、母からの手紙を渡す
父といよいよヨーロッパに渡ると書いてある







アリスも母を亡くしているため、エレンを妹にする約束を交わし
クリスマスに招待する



●はちのよりあい
冬になると、農家では食料を蓄える仕事が忙しくなるため
みんなで集まって手伝い、ご馳走を食べる習慣がある

叔母は他人に家に入られたくないため、断ってきたが
大農家のため、よりあいを開くことにする

アリスは幼い頃、隣人の赤ちゃんの世話を頼まれて
“なすべきつとめ”を果たした時に満足した話を聞かせる

エレンはいつも一人でいる祖母に本を読んであげると泣いて喜び
これからはもっと気にかけてあげようと思う







ナンシーもよりあい仲間にして欲しいと頼み、叔母は断るが
プラントを通して、参加してもよい許可を得る

仕事が終わり、大宴会になると、ナンシーが楽しみにしていたご馳走を食べられない様子を見て
自分のご馳走をあげて、ナンシーは感激する







●クリスマス
エレンはアリスの家に招かれると、弟のジョンが神学校から帰省する

アリスの父ハムフレイズ牧師、親戚のマシマン家の大家族はみな
素直なエレンが大好きになる

マーガレットも招待されて来て、エレンは友だちじゃないと言い張る

マシマン家の末娘ソフィアはみんなに美しい生地をプレゼントする
公平に分けるために袋に入れて、目をつむって取るようにする







エレンは自分が持っていた青色のモロッコ皮を
マーガレットが欲しいと言ったために譲る

本当はチラっと目に入って手にとってしまったと話す
正直に話すのはいいことだと諭すジョン








●母の死
叔母は蜜ろうを分けてもらってくれとエレンに頼む
「ボンネットに黒いリボン(家族が亡くなった時につける)くらいつけてもいいのに」と噂を聞いて
アリスに尋ねると、母がヨーロッパで亡くなったと聞く
悲しみに暮れたエレンはしばらく牧師館に留まり、春が来る

叔母が病気になり、他人の世話を拒み、エレンが世話をする







叔母が回復し、久しぶりに牧師館を訪ねると、マシマン家が来ていて
エレンが大好きなおじいさんが子馬をプレゼントしてくれてブラウニイと名付ける







●父の死
父の乗った汽船が大西洋で遭難したとしらせが入る

プラントはイタチの落とし穴で大怪我をして
エレンはブラウニイに乗って、ソイルウォールへ医者を呼びに行く

以前、邪険にした店員の男に出くわし、社長に怒られてクビになった恨みで脅されているところに
ジョンが来て、助けてくれる

プラントは回復し、叔母と結婚する



●アリスの死
アリスは病気になり、エレンの看護も空しく亡くなる





エレンは代わりに牧師館の娘となり、アリスがしていたことを全部覚えたいと女中に相談する
女中:アリスさまは、家中のみんなを喜ばせることをいつもしていました
エレンは人に尽くす幸せを初めて知る



●最後の便り
ハムフレイズの親戚が亡くなり、財産を継ぐためにジョンはイギリスに向かう
ナンシーはエレンへのお礼に、母からの最後の手紙を叔母の家からもってくる







そこには、母の母がイギリスにいるから、自分が亡きあとはそこに行くよう書いてある
スコットランドの名家で、アメリカ人との結婚を反対して疎遠になっていたが仲直りした
旅費が入っていたのに、叔母はモルガンが借金して返さなかったため横取りして黙っていた



●イギリスへ
牧師に相談すると、イギリスに渡ったほうがいいと説得され
マシマン家が旅行するから一緒に船に乗るよう手配してくれる








リンゼイ家に着くと、女主人、息子のジョージ、娘のカセリンが迎えてくれる
ジョージは数年前に妻を亡くし、子どももいないため、エレンを養女にする







申し分ない生活を送るが、みんなアメリカ人を嫌っていることが悲しい
カセリン:下品なヤンキーに育ったエレンがこんなにキレイな英語を話せるなんてウソみたいね

年越しのパーティにジョンが会いに来てくれて喜ぶ
一緒にアメリカに帰りたいと頼むエレンを説得し、リンゼイ家に挨拶すると
それまで財産目当てだと疑っていた家族はジョンを好きになる








数年後に2人は結婚し、エレンはアメリカに帰り、ハムフレイズ家で楽しく暮らす



解説

エリザベス・ウェザレル
1819年 NY生まれ 1885年 死去
本名スーザン・ワーナー

本書の原題は『広い広い世の中』
『アンクル・トムの小屋』と並ぶ傑作と言われる
もとは長編だが、短くまとめた

コロンブスがアメリカ大陸を発見し、とくにイギリスからたくさんの移民が送られ
ほとんど植民地のようになったが、後に独立宣言をしたため
本国の人たちは“謀反人”として憎む気持ちがあった

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福音館古典童話シリーズ 23 ジャングル・ブック R・キップリング/作 福音館書店

2024-04-07 16:42:24 | 
1979年初版 1990年 第12刷 木島始/訳 石川勇/画

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


これほど有名な名作なのに原作を読んだのは初めて
オオカミがヒトの子を育てるって、本当にあり得るのかなあ?

あらゆる動物たちが誇りを持って生き
同じことば、もしくはテレパシーかなにかで交流している様子を
まるで見てきたかのように描いた素晴らしい作品

ときどき挟む詩は、以前読んだインディアンの歌みたいだ



【内容抜粋メモ】

登場人物
かえるのモーグリ
アケーラ 灰色の一匹オオカミ
クマのバルー
黒ヒョウのバギーラ
ゾウのハーティ
ニシキヘビのカー 体長9m

バンダー・ログ サルの群れ
トンビのチル
コウモリのマング
ヤマアラシのイッキ

片足のトラ シアカン
メシュア モーグリの母



●おおかみのなかまいり
シオニーの丘で4匹の子どもオオカミを育てている夫婦の前に
山犬タバキが来る

タバキは狂犬病でときどき狂ったようになるし
ケンカの種をばらまき、ゴミを食べているため軽蔑されている

トラのシアカンが狩り場を近所に変えたと教える
片足が不自由で家畜やヒトの子を狩って食べたりしている

ジャングルの掟に、人間を食うことは禁止されている
1人でも殺すと、鉄砲や松明を持って来て
ジャングルの仲間が苦しむことになるから

そして、あらゆる生きものの中で、ヒトが一番守るものを持っていないから

母オオカミのもとに、やっと歩ける赤ん坊がやって来て
怖がるどころか、子オオカミと一緒に乳を飲み始める

シアカンが巣に頭をつっこんで、ヒトの子をよこせと脅す








母オオカミ:
私はラクシャー(鬼神)だ
私はあれを育てて、あまえさんの狩りをやらせる

母オオカミはヒトの子に“かえるのモーグリ”と名付ける

オオカミの仲間の会議に他の子といっしょに紹介する

クマのバルーはモーグリに掟を教えると誓い
黒ヒョウのバギーラも1頭の雄牛をつけて弁護に立つ

群れのリーダーで灰色の一匹オオカミのアケーラ:
人間の子どもはとても利口だ
いつかきっと助けになってくれるだろう



●カーの狩り





バルーはモーグリにジャングルの掟、さまざまな動物たちのあいさつなどを教え込む
モーグリは泳ぎも木のぼりも上手く、森の掟、水の掟、合い言葉もぜんぶ覚える


生き物共通の挨拶:おまえとおれは、ひとつの血のもの


別れの挨拶のことば:みんなに、いい狩りがありますように


サルのバンダー・ログが食べ物をくれて、血のつながる兄弟だと言ってくれたが
ジャングルの仲間たちは、彼らをうそつきで
人間のマネをしたがる愚か者と蔑み相手にしていないため
付き合うんじゃないと教える







バンダー・ログらはモーグリが枝などで小屋を作るのを見て
モーグリをリーダーにすれば、ジャングルで一番賢くなれると思い
ある日、突然、モーグリを群れから群れへと木の間を投げて連れ去る

モーグリはトンビのチルに挨拶し、バルーらに居場所を伝えてくれと頼む

長寿でものしりなニシキヘビのカーは皮のぬぎかえの後だったが
バンダー・ログが彼のことを「黄色いミミズ」と悪口を言っていたことを伝えて
モーグリが今どこにいるか教えてほしいと頼む

そこにトンビのチルが来て、モーグリが「冷たいねどこ」に囚われていると教える
そこは昔、ヒトが住んでいた“滅びた町”

バルー、バギーラ、カーはサルたちをなぎ倒し、傷だらになってモーグリを救い出す
バンダー・ログが一番怖れるカーが現れると蜘蛛の子を散らすように逃げて行く

カーは殺したサルたちを次々と丸呑みしていく/汗
モーグリはいつか恩を返すとお礼を言う








●恐れのあらわれかた
冬になり、ジャングルには雨がほとんど降らず
厳しい暑さに変わり、草木はほとんど枯れてしまう

鳥やサルはとっくに北に移動した
トンビのチルだけは腐った死肉をたくさん食べて太っているが
モーグリはカブトムシの子を食べたりして、すっかり痩せ細る

“平和の岩”が見えた頃、ゾウのハーティは“水辺の休戦”を宣言する
草食動物も肉食動物も同じ水辺を共有し、絶対殺しをしないこと

近くの村の人々も飢えで死んでいく
シアカンはまたヒトを襲って食べた
シアカン:あっしの夜だったんだから、あっしの権利でしょう

長寿のハーティがその権利の理由を話して聞かせる
大昔、みんなは平和な仲間同士で、草木を食べて生きていた

ゾウの先祖がジャングルをつくり、トラの先祖を裁判官にした
ある時、2匹のシカが争い、トラの先祖はその首を折って殺してしまった
それからは互いに殺し合うようになった

代わりに灰色ザルがリーダーとなったが、ジャングルの掟は乱れ
“恐れ”がリーダーとなってしまった

洞穴に住む人間を襲おうとしたトラを覚えていた草木が
その体に縞模様をつけて、トラにシカ殺しの印をつけた

ゾウの先祖ターは、毎年ひと晩だけ、ヒトがトラを怖れる日をつくると約束した
トラはヒトを襲って食べたため、ヒトは殺すことを覚えてしまった

ゴンド土人は槍でトラを突き刺した
その後、落とし穴、隠し罠、鉄砲、赤い花(火)で動物を追い立てるようになった

モーグリは自分は人間ではなく、“自由なものたち”(オオカミ)なのだと言い張る
モーグリは自分が見つめると、動物たちはなぜか怖れて目をそらすことに気づく



●赤い花
アケーラは年をとり、若いオオカミらがリーダーの座をめぐって反乱を起こす
同時に、シアカンの言う通り、モーグリはオオカミの仲間ではないという

バギーラは自分がウーダイボーの宮殿で生まれ育ったことを明かす







バギーラ:
オレでさえ、お前の目をまともに見ることはできない
オレがジャングルに帰ったように、お前は最後は人間の中に帰らなければならない

バギーラはモーグリに火を持って、反乱するオオカミに立ち向かうよう知恵を貸す
シアカンはモーグリを人間に戻すなら、オレにくれと主張するが
アケーラはモーグリを弁護する

モーグリは火を投げつけると、獣たちは怯える
バギーラ:お前がリーダーだ







モーグリは弱ったアケーラを自由にさせるよう言いつけて
生まれて初めて涙を流す

モーグリ:ボクは人間の所に行こう
父オオカミ:またすぐ戻ってくるんだぞ



●とら! とら!
モーグリは村に行くと、トラにさらわれたメシュアの子どもではないかと噂になる
メシュアは村で一番の金持ちの奥さんで、モーグリに牛乳とパンを与え、ナトゥーと呼んで可愛がる

モーグリはヒトのことばを勉強する
夜になると、窓から出て、兄弟オオカミに会う

3か月経ち、村長はモーグリに水牛の世話の仕事を与える

一番狩りが上手い老人ブルディオは、足の不自由な男の霊が憑いたトラの話をする
ブルディオ:あのトラの皮を持っていけば、100ルピーもらえる

シアカンがとうとうモーグリを襲うという話を聞いて
モーグリはアケーラに水牛を2つの群れに分けるよう指示し
我を忘れた水牛らが群れで走ったため、シアカンは踏みつけられて死ぬ







ブルディオはモーグリとオオカミがトラの死体のそばに立っているのを見て
魔術だ妖術だと言いふらしたため、村人はモーグリに石を投げつける

モーグリ:
オオカミはボクを人間だと言って追い出したが
今度はボクをオオカミだと言って追い出すんだな

アケーラはふたたびリーダーとなるが、モーグリと兄弟オオカミは群れから離れて狩りをする



●ジャングルのなだれこみ
父母にヒトとの暮らしを話してあげると、母オオカミはメシュアに会ってみたいという
ブルディオは村人とともにモーグリの足跡を追って、ジャングルに来る

シアカンを殺したのは自分だとウソをつき
メシュア夫婦を火あぶりにするために牢に入れ
悪魔の子モーグリを殺そうとしているのが分かる

モーグリは村に忍びこみ、手足を縛られた父母の綱をナイフで切る
メシュア:あの子が来てくれるって分かっていたの これで本当に分かったわ、私の息子だって!

公正な裁きをしてくれるイギリス人のいる街カニワーラまでオオカミが案内してあげる

バギーラ:人間なんて、毛なし、歯なし、裸で茶色の土掘り、土喰いじゃないか

ブルディオらが牢を覗くと、中にバギーラがいて驚き、みんな家に閉じこもってしまう

モーグリはハーティを呼び、ヒトが話していたことを聞かせる
昔、逃げたゾウが、夜になり、バートボーの畑で暴れて
ジャングルが村ごと飲み込んだ

ハーティ:
わしと3匹の息子がやったのだ
わしの牙は赤くなった もう二度とあの匂いを呼びさましたくない

モーグリ:あの村をジャングルで飲み込むようにしろ!

モーグリの説得にハーティが動き、やがてすべての動物が加わる
作物はごっそりなくなり、家畜は逃げて野生に還り
独身の男たちがまず逃げだした

雨季になり、崩れた屋根に大水が入り、外まわりの壁を突き崩され
ひと月後には、緑の新芽で覆われた



●王さまのぞう突き棒





モーグリはカーと水浴びに行く
カーは白ずきんのコブラに出会った話をして、人間の子を見せる約束をしたと話す

2人は一緒に「冷たいねどこ」の地下奥深くにいる3mものコブラに会う
長寿なコブラは、代々の王の財宝を守り続けていたが
主人も都もジャングルになった話を信じない







モーグリにとって金銀の財宝は何の意味もないが
あらゆる宝石がついたゾウ突き棒はハーティと関係あるのではと気になって
たくさんのカエルを持ってくる条件を出して持って帰る

白コブラはとっくに毒をなくしていて、モーグリを食べることは叶わず
その棒はたくさんの死を招くと脅す

人間のもとで暮らしていたことのあるバギーラいわく
その棒は昔、ハーティの息子たちの頭に突き刺さっていたのを見たと話す

モーグリは血の臭いに嫌気がさして、30mほど向こうに投げる
その後、人間が棒を持っていったことが分かり、足跡を追うと
次から次へと棒を巡って死体が増えていく

たった数時間の間に6人も死んだことに責任を感じ
モーグリは白コブラに棒を返しに行く
モーグリ:もう二度と外に出さないでくれ



●赤犬
父母オオカミは老いて死んだ
リーダーはパオーナの息子のパオに代わる
バルー、バギーラ、アケーラも年老いて弱くなった

ジャングルで“フィーアル”と呼ばれる悲鳴が上がり
傷だらけのトーラが来て、デカン高原のドール、殺し屋の赤犬の群れが
南からやって来て、生き物を殺し尽くしていると話す
彼らは100匹もの群れで行動するため、ハーティですら道をあける

アケーラ:これはいい狩りになるぞ おれの最後のな

みんなはモーグリを北に逃がそうとするが、モーグリも仲間と一緒に戦うと誓う

長寿のカーにいい案はないかと尋ねると、長い歴史をしばらく思い返して
ある時、オオカミに追われたシカが“死の谷”まで来て逃げきった話をする
“死の谷”とは、無数のハチがかたまっている場所で、動物たちはみな避けて通る

我を忘れて川に飛び込み、オオカミはハチに殺されたことから
モーグリはドールを怒らせて“死の谷”に誘い込み
自分は飛んで、カーのいる川に飛び込むという計画を立てる

モーグリは生き残りが川を下るところを仲間のオオカミが襲うように声をかけて
ハチが嫌いな野生のニンニクの匂いを体中につけ、木の上からドールに悪口を浴びせ
リーダーのシッポをナイフで切って我を忘れるほど怒らせる

ハチの岩場に誘いこみ、川に飛び込むとカーが守ってくれる
カーのウロコはハチの針も通らない







ドールは大量にハチに襲われ、刺されて半狂乱の騒ぎになり
川下で待っていたオオカミとも大乱闘となる

ドールは1匹残らず殺され、トーラ、アケーラもやられてしまった

アケーラ:
オレはおまえのそばで死にたい、ぼうや
おまえはやっぱり人間だよ 人間の仲間のところへ戻っていくがいい


アケーラは死ぬ時の歌をうたって亡くなる



●春にかける
決戦から2年後 モーグリは17歳になった
ジャングルの獣たちは春の“新しい話し合い”の季節を迎える

リーダーなのに孤独を感じて、ジャングル中を駆けまわるモーグリ

村に行き、小屋からメシュアが出て来て、再会を喜び合う
美しく成長したモーグリを見て、“森の神さま”だと思う

父は1年前に亡くなり、弟を紹介するメシュア
オオカミの兄弟が迎えに来ると、メシュアは「必ず帰ってきておくれ」と泣いて頼む

会議に集まったのは、兄弟オオカミ、年老いたバルー、バギーラ、カーだけ
カー:皮を脱ぎ捨てたら、もう一度、入り直すことはできん

バギーラ:
人間はジャングルで追い出さなくても、人間のもとへ戻っていく
2歳児の雄牛がおまえを自由の身にしてくれる
新しい道でもいい狩りを! 忘れるな バギーラはおまえが大好きだったんだ!

それぞれ別れの歌をうたう










あとがき

2冊の原書には、モーグリの出てこない短編もあるが
本書ではそれをはぶいて、時系列に直した

モーグリが人間界へ行ってからの短編も『ルク』で書いている
モーグリは森林管理の仕事をもらい、結婚して子どもが産まれるところまで

“ジャングル”には、森林・砂漠を意味するサンスクリット語
→“ジャンガル”というヒンズー語→英語になった

モーグリはヒンズー語で“カエル”の意味


ラディヤード・キップリング
2度来日して、1889年に来た時の見聞記を新聞に送っている
同行した教授の撮った写真は、アメリカの国会図書館に保存されている

ヨーロッパのマネをした明治憲法には批判的だが
日本人の清潔さ、技芸のたくみさに感嘆した

1892年に新婚旅行で2度目の来日

大英帝国の栄光を信じ、アジア人を文明化するのは、自分たちの責任という考えで
野生を厳しすぎるくらいに調教することに関心が強いことが分かる

長編『キム』は最大傑作といわれる
有名な詩『もしも』


1936年 死去






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世界の名作全集 21 ノンニとマンニの冒険 ヨーン・スウェンソン/原作 国土社

2024-04-06 10:14:21 | 
1990年初版 山室静/訳 梶鮎太/挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

3編が入っていて、どれも著者の幼少期の体験から書かれたと聞いてビックリ
素晴らしいストーリーテラーであるとともに
アイスランドの大自然の中で真っすぐに育った上品さが漂う

『ノンニ少年の大航海』も読んでみたいけれども
カーリル検索では熊本にしかないみたいだ/驚


ノンニとマンニの冒険

登場人物
シグリッド家
ノンニ
マンニ
ボッガ姉さん

アルニ ノンニの親友
ハフスタイン 役人 フリードリヒ館



●山からきた男
メドルベリールに両親、姉ボッガ、弟マンニと住んでいたノンニ11歳
高い山から1人の男がおりてきて、母は快く客としてもてなす







ボルグ村のハルドル・ヘルガソンの双子の兄ハラルドだと言う
ハルドルはお尋ね者で、捜索隊に加わって探している

ハルドルは酔っぱらってヴェルンドとケンカになり
巻き添えになった1人の男が焼死して山に逃げ込んだ
友人が助けてイギリスに逃げるだろうという噂

ハラルドは母から銃の弾ももらい、早朝に山へ戻る



●山は招く
ハラルドから山の頂上や大西洋の話を聞いて
どうしても山頂に行ってみたくなるノンニとマンニ
母にはピクニックに行って、夕方には帰る約束をする

朝早く出て、走って行き、途中で馬に乗って
山頂でバターパンを食べて帰れば大丈夫だと軽く考える

翌朝、2人は犬のフィデルとともに出発する
(犬がいれば大丈夫だって安心感があるよね
想像したより山登りは過酷で、すぐお腹が空くことが分かる







垂直にきりたった崖があって、迂回せざるをえない
マンニは母に教わった通り、神さまに祈れば
なんでも言うことを聞いてくれると信じている

途中でヒツジの群れに出会い、岩穴に追いやって捕えて
マンニのベレー帽に乳を入れて飲むと、生まれて初めて飲むほど美味しい








●寝ころがっていた馬
草原で寝ている馬にヒモをつけて手綱にし、太い枝をムチにして思いきり叩くと
マンニを乗せたまま南へ向かって暴走する

ノンニは激しく泣いて、命を賭しても弟を救うと誓い
素晴らしい馬をまた捕まえて、絶壁を抜けると
さっきの馬が怯えて戻り、マンニはいない








●乱暴な雄牛
マンニは大きな岩の上にいて、巨大な牛が突進しようとしている
とがった石を頭に命中させて、兄弟は再会を泣いて喜ぶ







鼻に鉄の環をはめると大人しくなると思い
ナイフで鼻を突きさすと逃げていく

食べものもなく、日は沈み、家に戻る途中で
またあの牛が道をふさいでいて困ってしまう



●おたずね者の岩屋で
山の上で銃声がして、ハラルドが現れ、2人の冒険談を聞くと住処に連れてってくれる







泉でがぶがぶ水を飲み、地下の奥深くの“騎士の間”で休み
村までおりて、母に伝えて戻るから
朝になったら一緒に山をおりようと約束してくれる

ヒツジの肉を焼いたり、干した魚、ビスケットなどをふるまってくれる








●別れ
暴れ牛は、マンニの赤いシャツを見て興奮したことが分かる
ハラルドは、本当は自分がハルドルだと明かす(最初から分かったけど

役所に自首するつもりが、決心が変わり、ウソをついたこと
友だちの助けで、外国へ行く船の都合がついたから、ここでお別れだという

ハルドル:おたずね者にも、本当に良い人間もいるんだよ

2年後、リオデジャネイロから手紙が来て
ブラジルは美しい国だと褒めて、ノンニとマンニによろしくと書かれていた



鱒とり

●珍しいお客
ノンニの親友アルニの母はとても厳しくて
2、3時間しか遊ぶのを許してくれない

ある時、少し帰りが遅くなり、ムチで打たれているのを見て
ノンニも泣いてしまったことがあり
遠出をするのを気をつけていた

アクレイリ町から6人の騎手が来て
役人ハフスタインが住むフリードリヒ館へ向かっていった








館のお手伝いさんが来て、イギリスの有名な大学教授のお昼に
新鮮な鱒をごちそうしたいというが、誰も持ってない

ノンニ:ヘルガ川のそばの小川にたくさんいるから、すぐとってきますよ
母:まだ満9つにもなっていないお前たちが鱒をとるなんでできっこありません

ノンニはプライドが傷つき、父の鱒網を持って、アルニとともに鱒とりに行く



●ヘルガ川のそばで
幅2mほどの川で以前、父がやっていたのを見た通りにやってみせる
2本の棒の先に網を結び、川底に入れて、鱒を追い込む
ヒレが逆針となって、網にひっかかるというやり方

ハフスタイン氏の牧童トリグビイが手伝ってあげようと声をかけるが
どうしても2人で捕まえるといって断る

大小の美しい鱒が岸に隠れているから
棒で水中をいきおいよくかきまぜると
驚いた鱒が網にかかり、引っ張り上げると
小さいのが2匹、大きいのが1匹とれる!

2度目は、さらにかかって、2人で水夫のように掛け声を出して持ち上げると24匹もとれる







●アルニの失敗
網から鱒を外すのに手間取って、日が沈みはじめていることに気づいて
また母にムチで打たれると心配したアルニは、不注意で川に落ちてしまう

ノンニは棒を差し出し、それにつかまってアルニは水から出る
母が水で濡れた服をそのままにしてはいけないといつも注意しているため
ノンニはアルニにウチに行けば、母が着るものを貸してくれるし
アルニの母によく話してくれると約束して、先に行かせる



●どうやって鱒を運ぶか?
ノンニは馬を捕まえ(すぐ言うことを聞いてくれる馬も素直だなあ!
鱒の口にヒモを通して数珠繋ぎにし、馬の背に乗せて運ぶ







フリードリヒ館のお手伝いさんは、とっくにお昼ゴハンは過ぎたが
奥さんを連れて来てくれて、とても喜び、6匹だけとって
残りはノンニとアルニで分けて、後で館に来て欲しいと頼む



●家に帰って
アルニはノンニの服を着て、ベッドで寝ていた
母はアルニの母に話して、帰っても叱らないと安心させる

アルニの家に帰ると、母がどうして川に落ちたのかと尋ねて、ぜんぶ話して聞かせる



●外国の先生と
晴れ着を着て、フリードリヒ館に行くと
イギリスの先生は感心して、金貨をくれるが
お金をお礼にもらうのは両親からかたく止められていたため断ると
“いい子だ!”と褒められる



アフリカの砂漠で~ヴァラおばさんのした話

●魔法使いのおばさん
背が高く、銀色の髪のトルディスが村にやって来た
彼女はとても物知りで、いろんな土地に行き、話が上手なため
昔、北ヨーロッパにいた魔法使い“ヴァラ”と呼ばれている







母は喜んで客を迎えて泊める

役人の養女トーラは、トルディスについて知っていることを話して聞かせる
トルディスの夫は、酔っぱらって川に落ちて死んだ
その夜、霊となって現れたため、「出ていけ、呪われた者!」と言うと消えてしまった

夜、村の者はノンニの家に集まって、トルディスの話を聞く



●アフリカの砂漠で
1830年 フランスはアルジェの町を占領した
アルジェは当時、泥棒の巣で、ヨーロッパ中を脅かしていた

その大部分が戦争好きのカビール人で、しょっちゅう反乱を起こしていたため
将軍は陣地を張って、四方に大砲を据え、見張りを置いた

ところが、西の見張りだけが消えて、血のしみのほかは跡形もない
3度目に若い勇気ある士官が見張りにつき、夜中にカンテラの光を見て
カビール人だと思い、銃を撃った







●ヒョウの穴
翌朝、無事だった士官を讃え、近くに深い穴を見つけ
中に眉間を撃たれた大きなヒョウが死んでいるのを見つけた
そばには喰い割かれた人間の骨が散乱していた

カンテラの灯りと思ったのは、ヒョウの目だった
そのヒョウは持ちかえって、パリの博物館に展示されている








●フランスの城でのある夜のできごと
士官は、北フランスの貴族で、ヒョウの話をしていると
母がそれは何日かと聞いて、日記を調べて4年前の4月18日だと分かる

同じ夜の日記を見せて、真夜中に急に目が覚めて
“おまえの息子が死に瀕している”という声がして
心から神に祈ったことを話す



解説









ヨーン・スウェンソン
1857年 アイスランド生まれ
学校の教師、カトリックの神父を務め
50歳を過ぎて童話を書き始めた

1937年に来日、1年ほど過ごし「第二のアンデルセンきたる」などと新聞に書かれた
世界旅行から帰ってまもなく、ドイツの飛行機の爆撃で重傷を負い
ケルンの病院で1942年に亡くなった

「アウド」
アイスランドは、9世紀末頃から北欧の人たちが移住して自由な国を建てた
ノルウェーの首領の娘アウドは、アイルランドのダブリンに国を建てて
王となった白いオーラブと結婚

夫と長男の死後、アイスランドに住み着いた
スウェンソンはアウド女王の遠い子孫にあたるそう

アイスランド人は、バイキングの子孫として、冒険好きで、文学好き
『エッダ』北欧、ゲルマン人の神話や伝説
『サガ』さまざまな散文の物語

スウェンソンは、12歳で故郷の島を出て、最後まで帰らなかったが
童話の大部分は、島での少年時代の思い出をそのまま書いたもの

フランスに行く途中で嵐に遭う冒険を書いた『ノンニ少年の大航海』
ノンニはスウェンソンが少年時代に呼ばれていた愛称



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topics~スマホとWiMAXの電池がもたない/汗 ほか

2024-04-05 18:57:47 | 日記
 


けっこう前からスマホとWiMAXの電池がすぐなくなるようになって
充電時間も短いが、減るのも超高速

外出した際も、ほとんど使わないうちに
電源が落ちてしまうようになってピンチ↓↓↓

スマホを買ったUQモバイル店で聞いたら、バッテリー交換するより
新しく買い換えたほうがいいと言われた やっぱり・・・

しかも、せっかくauから脱却したのに
またauのプランに入るほうが月額が低いとすすめられた↓↓↓










契約するにはマイナンバーカードを先につくらなきゃならない
ずっとIDとして使ってた住民基本台帳カードが2022年で期限切れてることに最近気づいて
更新しようとしたら、マイナンバーカードに切り替わるそう↓↓↓

申請してから1か月かかるとのことで
それまでの間、モバイルバッテリーを使ってしのごうとAmazonで注文
この選択が合ってるのかも分からん/汗





何年かごとにスマホやパソコンを買い替える定例行事って、ほんとうに面倒すぎる



2024年3月分(2月22日~3月21日)の電気のご使用量と料金@ハチドリ電力
契約プラン: 市場連動プラン
ご使用量: 163 kWh
電気料金: 4636 円


彫刻家の舟越桂さん死去 72歳 半身像に大理石の目、本の表紙にも
数々の素晴らしい作品をつくってくださり、ありがとうございました/感謝×5000


Fantasy on Ice 2024




“羽生結弦、ステファン・ランビエル、山本草太 ほか出演。
オリンピックや世界選手権で活躍する一流スケーターたちが一堂に会する心躍る空間。
この時、この場所でしか味わえない魔法のパフォーマンスが、再び!”


ドラマ『不適切にもほどがある』
主演:阿部サダヲ 脚本:宮藤官九郎
面白そうだなと気づいたのが遅かった







追。

スカパラCM





アーユルヴェーダ TOMOKOさんが
スタンドエフエム「PLAY EARTH QUANTAチャンネル」で火曜のMCをしているそう





アーユルヴェーダの医師がカウンセリングをしてくれるクリニックの話も気になった
ハタイクリニック@目黒区


その他、気になるワード

「キネシオロジー」

「ヒプノセラピー」


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新編少女世界名作選 16 母のいのり プローティー/原作 偕成社

2024-04-05 18:10:08 | 
1973年初版 1985年 第16刷 1990年改装1刷
山本藤枝/編訳 高田美苗/カバーデザイン 山中冬児/カバー絵・口絵・挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


映画化されるのも分かる
読むと映像が目に浮かび、ほろっと泣ける母と娘の物語

女性が働くより、金持ちと結婚してプラプラ遊んでいるほうが素晴らしいと思われていた時代
労働者と上流社会の差も感じる

新編のほうで追加された作品はあるだろうか?






【内容抜粋メモ】


登場人物
ステラ・ダラス 派手好きな母親 娘ローレルをとても愛している
ローレル
スチブン・ダラス ローレルの父 ニューヨークで暮らす
ヘレン・モリソン 夫は亡く、3人の息子を育てている



●その朝
夏休みになり、海に近い一流ホテルに泊まるローレル12歳と母ステラ







ローレルは8歳の頃から1年に一度、父の暮らすニューヨークで
1か月一緒に過ごす約束になっているが
どうして父母が別居しているか理由は知らない

ホテルで同じ年ごろの少女と遊んでいると、母親たちがひそひそと噂をして
ローレルを仲間外れにしてしまう
学校でも女友だちからいじめられている



●悲しい思い出
スチブンの父も弁護士で、たくさんの銀行の重役をしていたが
銀行が倒産しかけて、全財産使い果たして自殺してしまった

銀行の金も使い込んだという悪い噂もたち
当時、ヘレンという婚約者がいたが、別れてしまった

スチブンはマサチューセッツ州の工場で働き
女子工員のステラと結婚

ステラは貧しい家に生まれた美しい娘で派手好きなため
近所から「サーカスの芸人みたいだ」と噂されて注意しても聞かない







ローレルが産まれると、子どもの育て方で争うようになる

レストランで友人と食事をしていた時
派手な妻から声をかけられて恥ずかしい思いをして家に帰らなくなった








●優しいおばさま
ローレルは、父のはからいでモリソン夫人宅で1週間過ごす









モリソン夫人はかつてのスチブンの婚約者ヘレン
モリソンと結婚し、その後、夫を亡くし
3人の息子がいる コルネリウス、デーン、フレデリック
娘もいたが、幼くして亡くした

なぜお化粧しないかと訊ねると

モリソン:
役者みたいにこってり塗ったら、本当の美しさがなくなってしまうでしょ
ニセモノの真珠には、本当の美しさはないのよ

スチブンはモリソン夫人にローレルの教育を頼みたいが
ローレル:おばさまは立派だけど、世界中で一番立派なのはお母さんだもの







●古い友だち
ボストン駅でローレルを見送り、泣いていると
女子工員時代の親友エフィーと再会して
お茶を飲みながら、娘のことを相談する







ステラ:
スチブンは悪い人ではないけど、ひどくお上品ぶりたいのよ
あの人は金持ちのぼっちゃんで、私は貧乏で教育がない

エフィーはローレルがいない間、自分が住むベルチャーの浜に来ればいいと誘う







そこは、船乗りや工員が住む安宿がある場所で
ステラが酒に酔って歩いていると
ローレルが通う学校の役員をしているホーランド夫人が見てしまう

ホーランド夫人:大切な娘の通っている学校に、あんなだらしない母親を持つ娘がいていいものか

学校を変わってもらうよう校長に報告する
学校は生徒の親からたくさんの寄付をもらって成り立っているため反対できず
校長は、来学期から他の学校に移って欲しいと手紙を出す







●三つの手紙
アパートの家主からは、部屋を倍の値段で借りたい人がいるから、すぐ出て行って欲しいという手紙
スチブンからは、はっきり別れて、ローレルを引き取るから弁護士と相談してほしいと手紙が届く







ローレルからモリソン夫人のことを聞いて
スチブンは彼女と再婚して娘を奪うつもりだと思い
ローレルは渡すものかと決心する



●二度目の別れ
弁護士に会い、ローレルは渡さないと言って去る







ステラがモリソン夫人を誤解していることを知って
スチブンはもう会わないようにしようと言い渡す



●花と本の贈り物
母と娘はボストンに引っ越し、ローレルは15歳になった

夏休みに湖のホテルに来たが、母が熱を出して寝込んでしまう
1人で食事をしているローレルにアダムス夫人が声をかけて
娘ケティー、友だちミッチェルを紹介し、すぐに仲良くなる







友だちの夫人から花や本の見舞いを贈られて感激するステラ
これまで意地悪をされてきたローレルも、親しい友情を嬉しく思う



●ピクニック
友だちとピクニックに行き、人気のあるリチャードはローレルをボートに誘い
明日、母と一緒にランチしようと約束する
ローレルがモリソン夫人の知り合いと分かり、なおさら好きになる夫人たち








「お化けみたいな服を着た変な人が来る」と噂しているのが母と分かり
ローレルは時計をなくしたとウソをついて、探してもらう










●慌ただしい出発
ローレルは宿泊代を払い、朝一番の汽車で発つ
ステラはローレルがリチャードとケンカしたと思い込む
ステラ:家柄のいいあの人たちと仲良くしておけば、どれだけためになるかしれないのに







寝台車がすれ違う時に、2人の噂をする声が聞こえてくる

「あの人が、あのかわいい娘さんの母親なんですって
 いくらいい娘さんでも、母親をひと目見ればイヤになりますわね ほんとに可哀想」







2人は互いに寝ているフリをする

ステラ:
私はなんてバカな母親だったろう
私のすることなすことローレルの邪魔になることばかりだって知らずにいたなんて



●母の決心
ステラはモリソン夫人を訪ねる
スチブンとはもう3年も会っていないが、今も愛していることを確かめて
スチブンと再婚して、ローレルを立派に育てて欲しいと泣いて頼む







ステラ:
私はあの子を幸せにする自信がありません
私のような母親がついていては、あの子が可哀想です

モリソン夫人も泣いて承知する

スチブンとヘレンは再婚し、立派な家に住み、ローレルを呼ぶ
家族として暮らそうと言うと、きっぱり断るローレル
ローレル:お母さんを一人ぼっちにするなんてとてもできません

母親の希望なのだと説得すると、きっとあの噂話を聞いたのだと思い同情する



●死をこえて
母に説得されても、断固断るローレル

ローレル:
苦しみを一緒に味わってきたお母さんを見捨てるなんてできない
私は、タイピストになって会社へお勤めするわ
働かないで遊んでばかりいる人こそ恥ずかしいわ

ステラ:
女の子が働くのは、この上もなく恥ずかしい卑しいこと
あんたがタイピストになるくらいなら死んでしまったほうがいい

ローレルを納得させるために死のうと決心するが
スチブンの父も自殺したため、自殺者の子と言われるのも不憫になる



●置手紙
エフィーに相談に行くと

エフィー:
ローレルに愛想をつかされるようなことをすればいい
たとえばお酒を飲んで、だらしない暮らしをするの

エフィーは家に訪ねてきて、2人でお酒を飲んで騒ぐのを見て
ローレルは悩み、げっそり瘠せてしまう

ある日、母の置手紙があり、エフィーの世話で出会った人と再婚し
南アメリカに行くのに、あんたがいると困るから家を出ると書いてある



●母なればこそ
ローレルはモリソン夫人を訪ねて、自分を置いてほしいと頼む
ローレル:私、お母さんに捨てられました やっぱり私がバカでした









母の置手紙を見せると、モリソン夫人はステラの事情が分かる
スチブン:まったくバカな女だ

モリソン夫人:
ステラさんはローレルのために心を鬼にしてなさったことです
同じ母親の私にはよくわかります



●花のように
塀の影にステラらしき人影を見て、南アメリカに行ったのはウソだと分かるモリソン夫人
新聞に社交界デビューしたローレルの美しい写真を載せ
夜になっても外から家の中がよく見えるようカーテンをひかずにいるのを
フシギがるスチブン

ステラはニューヨークのシャツ工場で働いている







ダラス家でお茶会が開かれると新聞で知り、影から見ていると
真っ白いドレスを着て、真珠のネックレスをしたローレルを見て喜ぶ
ステラ:なにもかもちゃんと私の願い通りになった









リチャードがローレルをダンスに誘うのを見ていると
警官がステラを追い立てる
ステラ:すみません あのお嬢様があんまり美しいので、つい見惚れてしまって









解説

オリーブ・ヒギンス・ブローティー
1882年 アメリカ生まれ
25歳で結婚し、4人の母となる

本作を書いたのは、40歳の時で、たちまち評判になり
映画、劇、ラジオなどで取り上げられる

ステラは子どもに派手な服を着せ、立派な家に住まわせれば幸せと考え
浅はかさに気づかず、夫に見放される

ローレルはこうした両親の狭間に立ち、気づかい、苦しむ

人生のほんとうの幸福とはなにかを問い
ステラの愚かなればこそ、一途に燃える愛の姿を描いた


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少女名作シリーズ5 サーカスの少女 アボット 偕成社

2024-04-04 19:05:17 | 
1972年初版 1981年 第11刷 岸なみ/編著 山下一徳/カバー図案 岡野謙二/カバー絵・口絵・挿絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します

どのヒロインも、ジブリの主人公みたいに元気で明るく真っ直ぐな性格なのが気持ちいい
そして、上品な挿絵もとても可愛らしい

社会の偏見を描き出すなら、青い目、金髪の白人少女というプロトタイプも問題な気もするけど



【内容抜粋メモ】

登場人物
エプリル サーカス生まれの少女
母 クイニイ サーカスの馬乗り
トトー サーカスの有名な道化役者

デボラ・マンミイ
リラ・ライトウッド 有名な女流小説家
マイケル・ブラウン 若い牧師 はれやかさん

メレデス家
トーマス 父
カロリン 母
ケイス 長男
クリシー 長女
ローズ 父の弟の娘




●はじめての町
少女エプリルはボストン駅に来ると、有り金すべて使って切符を買い
目の前にいた青年と同じブラッサムで降りようと思い
“はれやかさん”とあだ名をつける







金髪の大人しい少女ローズ、クリシー、兄ケイスが
エプリルに興味をもって話しかけ、道中話がはずむ







3人きょうだいは、駅に迎えが来ていて自動車で別荘に向かい
はれやかさんも馬車に乗ってしまい、戸惑っていると
ジェレミーという老人が間違えてエプリルを馬車に乗せて
デボラのもとに連れて行く

エプリルの母は有名な大サーカスのブッシマン一座の女王と呼ばれたクイニイ
早くに夫を亡くし、一人娘を育てていた

有名な道化師トトーも妻を亡くして、一人娘ローズマリーを育てていた
2人は田舎の農場のおかみさんに娘を預け、2人の少女は姉妹のようだった







トトーはローズマリーを芸人の子ではなく、立派な家庭で育てたいと考え
父は船乗りで海で亡くなったことにして、二度と会わないと誓い
財産を分けて、学校の寄宿舎に入れる決心をする

クイニイは病気になり、サーカスをクビになる
みすぼらしい下宿で寝込み、トトーにエプリルを頼むと手紙を書いて亡くなる

下宿のおかみさんは、エプリルを給料なしで働かせようとして
なけなしの荷物を全部奪ってしまったため
エプリルはカバン1つで下宿を逃げてきた







デボラは65歳くらいの一人暮らしで、名家のお金持ち
1人では寂しいから家事手伝いの娘を募集していて
魚屋のジェレミーは間違えてエプリルを連れてきたが
サーカスなど下品だと思い、朝になったら帰るよう言いつける







部屋を案内して、夜、エプリルが泣いているのを見て
自分と同じ寂しい境遇なのだと同情し
サーカスのことを話さないと誓わせて手元に置くことにする







デボラは加工花をつくるのが趣味
はれやかさんが町に来た牧師だと知り、デボラの加工花を持って挨拶に行く








●はれやかさん
牧師館の部屋がぐちゃぐちゃなため、エプリルは掃除してあげると
はれやかさんが帰ってきて、これまでの事情を話す



●メレデス別荘
ローズの父はクリシーらの父の弟だが亡くなったと聞いている
エプリルが遊びに来て、きょうだいとすっかり仲良くなる

クリシーはエプリルの家庭について知りたがり、サーカスのことを話せずに困る
以前、母とホテルにいた時に知り合った小説家リラ・ライトウッドと友だちだとウソをつき
リラはクリシーらの父の知人で、遊びに来ると聞いて悩むエプリル







リラはエプリルを覚えていて“太陽ちゃん”と呼び、友だちだと言ってくれる
マイケル牧師とは同級生同士








●小さい女王
夏休み最後の日 クリシーらは学校の寄宿舎に帰る前にピクニックに行く
リイさんの牧場に買い取られた馬は、以前、母が馬乗りに使っていたガルハックスで
エプリルは馬の上に片足で立ったり、逆立ちをして見せる







夏の終わりの品評会では、手作りのものから一等賞を決め
その後、余興が行われる

ケイスはエプリルの馬乗りを見せるよう頼む
サーカスの衣装を着て、馬に乗るエプリルに拍手喝采が起きて
サーカスにいたことがバレて、帰宅すると
デボラはカギを閉めて、追い出してしまう









傷ついたエプリルは牧師に相談し、リラが1人で住む町はずれの別荘で暮らすことになる
リラはエプリルの秘密を知っているが、全然構わず、喜んで迎え
新しい服を買ったり、お手伝いのジュディはいろんな仕事を教える







リラはこの家をモデルに小説を書いて、高い評判を得る



●メレデス家の不幸
リイが町長となり、リラの家に挨拶に訪れる
すっかり美しく、上品になったエプリルは、町の人々から声をかけられるようになる







メレデス氏が事業に失敗して財産を失い
NYの屋敷を売り払い、子どもたちは学校を辞めて別荘に引きこもることになった

母カロリンは泣いてばかりいて、子どもたちは、女中もいない生活に戸惑うが
エプリルが買い物の仕方を教えたりする



●エプリルの災難
荷車を引いた馬が暴れて、乗っている少女が悲鳴を上げているのを見て
エプリルは咄嗟に助ける







馬はガルハックスで、助けた際、肩を踏まれて大怪我を負う
助けられた少女は、リイ町長の末娘で、命を助けてくれたエプリルに泣いてお礼を言う

エプリルはデボラの家に担ぎこまれ、医師から動かないよう言われたため
デボラは甲斐甲斐しく世話をする

ほんとうは1人で寂しくて、エプリルを追い出したことを後悔していた
エプリルが回復してリラの家に帰る時に泣いているのを見て
デボラのもとに残ることにする








●ローズの決心
NYの父からの送金が途絶え、ローズは実父の遺した財産を家族に分けるよう
NYにいる養父トーマスを訪ねるが、そんな財産などないと言われて帰る

なんとか働いてお金を稼ごうとエプリルに相談し、リラに聞いて
古い家が多いから、物置にある古いモノを出してもらって売ろうと提案するエプリル

リラの家の横に店をつくり「いらっしゃいませ」と名前をつけ
古物をたくさん集めて売ると、町の人がたくさん買ってくれて
1日目の売り上げは80ドルとなり喜ぶ








●ケイスの出発
妹たちが働いているのを見て、長男のケイスは父の知人を頼り
西部の田舎町で石油会社をしている油田で働く決心をする

大変な力仕事だが、スポーツで鍛えたケイスはなんとか堪え
新しい油田を任す工員に選ばれる

ホテルで手紙を出そうとしていると、彼がメレデス家の長男と聞いて驚く紳士と出会う
あとで彼が有名なサーカスの道化師トトーと聞いて驚く







トトー(アルフレッド)は、道化師となった時
家族に反対されて縁を切られていた状態だったが
兄に娘の教育を頼み、財産を預けていた
兄はその財産も使いこんでしまったといって謝る

1人の寂しい暮らしに堪えられなくなったトトーは
ローズを取り戻したら、残りの財産もあげるという



●トトーの悲しみ
ローズを訪ねてリラの家に着いて、エプリルと再会して驚くトトー
クイニイの熱病が感染って、エプリルも死んだと聞いていて
下宿屋のおかみは形見も全部焼いたと話していたという
ローズは自分の娘で、2人は姉妹のように暮らしていた話もする







ローズ:
私の父はサーカスの芸人なんかじゃない
帰ってください!







エプリルは怒って、ローズたちとはもう会わないと誓い
トトーを連れてデボラの家に戻る

トトー:
私はまた一文なしだから、また一座に戻ってお金を貯め
お前を立派な学校に入れてあげるよ と約束してボストン行きの汽車で帰る

入れ違いにトーマスが久々帰り、トトーが弟のアルフレッドで
ローズに遺したお金も使いこんだことも許してくれたのに追い返すとは何事だと叱る

トーマス:
サーカスの芸人だろうと、立派な人間であればいい
一番大切なのは愛情なのだ
私たちは、今まで間違っていた 考え方も、暮らし方も


クリシー:
私たちは遊んで贅沢をしていたお金もみんなお父様から出していただいていた
それがどんなに大変だったか、働いて初めて分かった



●みんなしあわせに
トトーは下宿屋を訪ねてワケを聞くと、おかみはクイニイのトランクだけはとってあった
そこにトトー宛ての手紙が入っていて、読むとすぐブラッサムに引き返し
エプリルにも読ませる

手紙:
ローズマリーの代わりにエプリルを使いの者に渡した
2人はよく似ていたため、分からずに済んだ
私が死んだら、あなたのお心のままになさってください

エプリルの肩にあざがあるのを見て、自分の娘ローズマリーだと分かる









別荘に行って、その手紙を読む

ローズ:
その手紙をください 私が高ぶった心を起こした時には
取り出して見て、戒めにしたいと思います

2人はこれまで通り、ローズとエプリルの名前をそのままにする
トトーが金を稼ぐ間、デボラの家で暮らすことに決まる

その後、ローズは父の仕事を継いだケイスと結婚
トトーはサーカスをやめてブラッサムのデボラの家に住み
エプリルはブラウン牧師と結婚
馬のガルハックスも引き取り、幸せに暮らした




解説

ジェーン・ドレイク・アボット
1881年 アメリカ生まれ
21歳で結婚、3人の子どもの母
1918年に最初の小説『ケイネス』を書き
20年間に十余冊の小説、劇作を出版

本書の原題は『エプリリー(エプリルちゃん)』
その他『幸福の家』『赤いこまどり』『ひえん草』

本書で大きく取り上げられているのは、社会の中の偏見問題
アメリカの黒人差別など
間違った考えを打ち破り、新しい社会を背負うのは若い人たち

エプリルの元気で率直な愛情が、多くの人々の愛情を呼び覚ましたといえる

愛が偏見を乗り越えていく物語は
社会問題が武器や闘争では解決できないことを物語っている


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ゲームで遊んでみた part30~どうぶつの森 ポケットキャンプ(21)

2024-04-03 14:39:56 | ゲーム
「ゲームで遊んでみた まとめ」カテゴリー内に追加します


キャンプ場のあちこちに桜が咲いている





レジャースポットは春の生き物たちに入れ替わった





ピンクの次に新たにネイビーギフトが追加

鉄塔さんの実況で活躍したエックスエルとクッチャネも仲間になった

 



■エイプリルフール




アデレード:
今日はエイプリルフールですね
なんだか不思議な一日になりそうです
でも、メンタルトレーニングの本を読んで、心の準備は万全なので
何が起きてもビックリしませんからね!
キャッ!!
すみません、本当は意識しすぎて、風が吹くだけでドキドキなんです



ぴょんたろうとさくら色イースター ぽかぽかニンジン畑へようこそ
イースターのニンジンを集めるガーデンイベント
ニンジンを引き抜くギミックは、カブと同じじゃない?








ぴょんたろう:
やっほ~ 春を知らせにきました!
ラッキーバニーのぴょんたろうだよ~
イエ~イ はくしゅ~

ボクはもうイースターエッグを集めたくてうずうずしてるよ
どうやら、とってもキュートなエッグちゃんっていう生き物がいるらしいんだ
これは捕まえて、一緒にダンスを踊らないとだよね!

そうだ、今回はイースターらしいキュートなお菓子を用意してみたんだ
エッグちゃんを捕まえてくれたら、お礼にプレゼントしちゃうよ~
だからキミ、準備手伝ってくれない?

♪たまごを さがそ~ たまごを さがそ~
エッグフラワーに集まるぞ~
捕まえよ~ 捕まえよ~ かわいい かわいい エッグちゃん









■ミニハニワあつめ~ダルマまねきねこ





「ミケネコのおきもの」
柴犬っぽいわんこと一緒にキャンピングカーに飾ったv





■家具コーデ
レジェンドにランクアップした↑
その後、少しノーマルが追加されたけれども、あっという間に終わって
イベントでもらえる星で稼がなきゃならない


■釣り
あつ森だとレアな魚もポケ森だと、結構な頻度で釣れちゃう
キング・イトウ、リュウグウノツカイ







■あおアーガイルのふく
これをずっと探していて、やっと手に入れて、服が全部揃った






■写真

ギーガー:4月1日生まれ おひつじ座 好きな言葉「ワレワレハ、宇宙人ダ」(タコじゃないのねww





ツンドラ:12月14日生まれ いて座 好きな言葉「香りは人をよわせる」





チョコ:1月6日生まれ やぎ座 好きな言葉「ケセラセラ」





■ダウンロード画面







■眠れない夜のメッセージ

 



コテージの1階はコスメショップにしてみた







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