霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
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主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

任せられない症候群

2006-09-11 20:14:56 | 生活
先月観た集落営農促進のミュージカルで、農家の老人役がコンバインの鍵を肌身離さず持っていて息子に使わせない場面があった。その時の会場のリアクションで、このような事例は実際も多いということを実感した。
産直の生産者仲間から同様の事例を耳にしたこともある。

かくゆう我が家でも、ジイチャンが何でも自分でしないと気が済まず、田植機やコンバインを我々や孫に触らせない傾向が強かった。

数年前の田植え時期、近所に不幸があってジイチャンが不在となることから、我々夫婦と息子がスタンバイして、これから田植えをしようとしていた矢先、出かける準備をしたジイチャンが来て「ここの田んぼは、難しいから俺でなきゃ駄目だ」と言って革靴と喪服姿で田植機に乗り、田植えを始めたことがあった。
田植機に乗って遠ざかるジイチャンを見ながら、三人は呆然として立ちすくんだ。

この傾向は、昨年まで続いたが、これではいつまで経っても、後継者が育たないので、今年は、「ジイチャンは田植機にもコンバインにも触らない」という約束を取り付けてスタートしている。
田植えの出来なくなったジイチャンは、臍を曲げたのか、立ち会ってアドバイスすることさえしなかった。

農家に限らず会社経営でも後継への引継ぎのタイミングは難しいと言われているが、狭い世界で競争に晒されることもなく、また、他から批判されることもない農家の場合、ついつい「自分のしていることは全て正しい」と考えてしまいがちとなる。
ましてや長期独裁政権なので「天上天下唯我独尊」となり、「任せられない症候群」に陥るのではないかと思っている。



種を蒔いて10日過ぎた白菜の苗を、畑に定植した。(ポリマルチは雑草対策)
お盆頃に蒔くのが一般的だが、寒くなってから成長させると虫や病気に負けないのでは、との期待がある。無農薬栽培するうえでの「生活の知恵」だ。
収穫時期をずらすため四種類(スタート60、黄皇70、仲秋、聖徳)を播種している。
どれがヒットするかは今年の天気次第となる。
コメント (2)
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