霜後桃源記  

安心、安全と美味しさへのこだわり
そんな「こだわりの農業ブログ」を毎日更新
主役の妻は生産部長、夫は営業部長兼雑用係

世論は平和ボケしている

2020-11-18 19:16:18 | 社会

日本学術会議メンバーの任命拒否を「世論は問題視していてない」と聞いて、背筋が寒くなった。
そして、改めて先日のカマラ・ハリスの演説の一節「民主主義は保障されたものではなく、その
強さは、そのために闘う我々の意志にかかっている」を思い起こした。

米国に限らず日本の民主主義も危機に瀕していることを認識せざるを得ない。


(一昨日、コンバインに土を入れ込んでしまった大豆畑。傾斜地だったことも影響した。)

以下、毎日新聞の「余録」(2020年11月16日)を参考に掲載する。

不気味で奇怪な映像である。群衆が詰めかけた公開裁判。被告は皆、素直に罪を認める。死刑が宣告されると、
傍聴者は歯をむき出して笑い、歓声を上げ手をたたき合う。
しかし、事件はでっち上げだった▲旧ソ連の独裁者、スターリンが、大学教授や技師らを「資本主義の手先」
として見せしめにした「産業党事件裁判」(1930年)。
社会主義体制への転換を印象づけるため、自由と議会制を信奉するエリートたちが「国家転覆を企てた」という
ストーリーを仕立てた▲実録フィルムを編集したドキュメンタリー映画「粛清裁判」が公開中だ。真っ先に
知識人が狙われた。

大衆が独裁者のウソを支持したからだ。味をしめたスターリンは、やがて大粛清に乗りだし、民衆も膨大な数が
処刑されるのに▲それでもスターリンは53年、権威の絶頂で亡くなった。広大な旧ソ連各地で数千万人が
「偉大な指導者」の死を嘆く記録映画「国葬」も同時公開された。3年後に大虐殺者として告発された「英雄」
を悼む人々の表情は、裁判と反対に沈んでいる▲スターリン時代の始まりと終わりを、熱狂と厳粛さで表象する
2本の映画は、独裁体制を支えたのが他ならぬ群衆であった事実を映し出す。

主役はスターリンではない。名もなき無数の人々の顔である▲日本学術会議問題で、菅義偉首相の説明に多くの
人が納得していないだが、世論調査で任命拒否を問題視する意見は少数派だ。縁遠いはずの異国の古い映像が、
妙に生々しく迫ってくる。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする