朝食時間の少し前、コンバインの準備をしようとしたところ目の前に
突然小鹿が現れて驚き、大きな声を上げてしまった。
ところが、小鹿の方は別段驚きもせず、また、逃げようともせずに平然
としていた。

親からはぐれたものと思われるが、あらゆる動物の中で「一番獰猛で恐ろ
しいのは人間である」ことを未だ知らないらしく、直ぐ手の届く距離に近づ
いての接写も可能だった。

鹿は豆や小麦の葉を食べる有害獣で毎年のように被害を受けているので、
本来は退治したいところだが、小鹿の可愛らしさがそれを許さなかった。
結局、そのまま居座り周囲の雑草を食べたり寝そべったりして過ごして
いた。

午後の三時過ぎに「新鮮館おおまち」のHP等を作成している盛岡の
㈱「write a light」の社長と2人のスタッフが取材に訪れ、稲刈り風景や
秘伝畑それに鶏を撮影して行ったが、その時まで居続けチャッカリと
写真にも納まった。
もしかすると「自然豊かな農村風景」としてHPに掲載されるのかも
しれない。
春にシベリアに帰り損ねた白鳥が田圃に居座ったことがあったので、
小鹿も数日は居続けるのかと思っていたが、四時過ぎに稲刈りを終えて
戻った時には既に姿を消していた。
寂しい夜を迎える前に母親が迎えに来たのかもしれない。
