盛岡時代、子会社に二年間出向していた時期があった。
女性が中心の会社で「出向というと聞こえはいいが単なる掃き溜め」と
陰で囁かれるような職場だったが、二人の男性若手社員が中心となって牽引
してくれた。
そんな二人と昔懐かしい「焼き鳥屋さん」で旧交を温めることが出来た。
昨日で定年退職したA君とは数年前にも会っていたものの、O君とは30余年
振りの再会だったが、20代半ばだった当時と変わらない若さを保っていること
に驚かされた。
そんな二人が、最後に「楽しかった。今度は一関でやりましょう」と言って
くれた。
O君は3.11の地震の際、大槌町役場で商談中だったとのこと。
地震発生で商談不可となり盛岡への帰路途上、釜石の中心街で津波と遭遇。
波が襲って来るのを目にし、慌てて車を捨て高台に避難し辛うじて難を逃れた。
大槌町は町長を初めとして大半の職員が亡くなり、商談相手だった二人の
職員も亡くなってしまったとのこと。
そんな恐怖の体験談を聞いて一瞬酔いが覚める思いがした。