戦争の本質を看破した名言は数多く残されていて「金持ちが戦争を起こ
し、貧乏人が死ぬ」(サルトル)や「戦争はいつだって老人が始め,若者が
犠牲になる」 (落合信彦)等々枚挙にいとまがない。
権力者がどんな大義名分を掲げようとも、それが欺瞞に満ちたものである
ことは現在進行形の「プーチンの戦争」が如実に証明している。
そんな名言の一つに今朝の毎日新聞が紹介していた「人を殺すのが戦争」も
加えたい。
(天候にも恵まれ、工事は順調に進んでいる)
毎日新聞「余録」(2023.4.12)
「でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た」。30年前に大ヒットし、今も
歌い継がれる「島唄」。作者のシンガー・ソングライター、宮沢和史(みや
ざわ・かずふみ)さんが沖縄の「ひめゆり平和祈念資料館」を訪れたことが
きっかけで生まれた▲78年前の3月下旬に軍の看護要員として動員された
「ひめゆり学徒隊」。米軍上陸後の戦闘で教員18人を含めた240人中136人が
死亡した。1989年に開かれた資料館では「死者の思いを代弁したい」と
元学徒が戦争体験を語ってきた▲その一人で館長を務めた本村(もとむら)
ツルさんは沖縄師範学校女子部の卒業直前に19歳で動員された。「あとで
迎えに来ると言ったのに行かなかった」。重傷の友人を置き去りにした
罪悪感が約35年の教員生活の間も消えず、退職後に資料館開設に奔走した
▲後輩の元学徒が「全校生徒の憧れの的だった」と話すリーダー格。
開館時には自ら犠牲者名簿を書いた。30年前に上皇さまが天皇として初めて
沖縄を訪れた際には資料館で案内役を務めた▲米潜水艦に撃沈され、沖縄
から本土への疎開児童ら約1500人が亡くなった対馬丸には妹と弟が乗って
いた。若い人たちには「人を殺すのが戦争です。戦争を体験すればわかる
けど本当は体験してはいけないこと。当時の戦争のことをうんと勉強して
伝えてほしい」と望んでいた▲沖縄戦への思いを込めた島唄には97歳で
亡くなった本村さんらの願いが引き継がれている。嵐はいらない。「海よ
宇宙よ 神よ いのちよ このまま永遠(とわ)に夕凪(ゆうなぎ)を」