穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

The Insulted and the Injured

2009-11-26 12:00:40 | ドストエフスキー書評

前の「虐げられた人びと」(ドスト)の書評で触れたが、この訳は蟹工船を連想させるが、内容は全く違うと書いた。

ロシア語は分からないのだが、あるところで彼の著作履歴を見ていたら、この小説は英訳では

The Insulted and the Injured

というらしい。これを虐げられた人びとと訳するのは誤解のもとだね。日本では前の訳者から虐げられた人びととしているが適切とは思えない。大体、意味がまったく違う。

そして内容からすると、英訳のほうがぴったりとしている。

だれがinsultedでだれがinjuredと考えながら読むと面白いかもしれない。