穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

白髪頭で生まれた芥川

2011-08-31 07:47:54 | 書評

検非違使の下した結論はかくの如きものであった。

母親の腹を出たときには白髪頭をしていた(河童)。

わたしが「一番仕合せだったのは、やはり生まれてきた時に年よりだったことだと思っている」

(河童)

村上春樹の言う「ある知的エリートの滅び」という総括(タイトル)も当たっているだろう。年を加えるにつれて劣化するという自覚は耐えがたいものであったろう。