穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

ヘルマン・ヘッセ「デミアン」

2017-02-19 21:46:02 | ノーベル文学賞

ヘルマン・ヘッセ「デミアン」三点評価 

* ムンムン度 低い

* ゴツゴツ度 高い

* 小説度   高い 注

 注:

小説度とは「説教節」度である。考え(学説)をお話仕立てで展開する程度。ヘッセのデミアンの場合、精神分析、それもユング風の通俗展開臭濃厚である。

日本の司馬遼太郎も説教節(本当かな、という)が鼻につくがムンムン度が高くゴツゴツ度が低い(つまり文章がうまい)ので一応我慢して読める。

それにしてもロマンとかストーリーとかノベルをどうして小説と訳したのかね。坪内逍遥の小説神髄も読んでみたが一向に分からない。支那古典に「小説」なる言葉があるようだが、かならずしも現代日本の『小説』の意味では無さそうだ。

以上ノーベル賞作家ヘッセの代表作と言われるデミアンの感想でした。