お約束通り読み切りました。ほとんどモノローグだけで、最もモノローグでは表現しにくい題材を押し切ったのに感心しました。筆力がありますね。
ボクシングのことはよく分かりませんが、読んでいて違和感はありません。一般の読者を常に意識した書き方が成功したのでしょう。業界用語、専門用語だらけですが抵抗感はなかった。
ただ、終わりのほうは雑になったというか、独りよがりの思弁に走ったというか、そんな印象ですが、これは私のほうがそろそろ終わりだというので早く読んでしまおうと流してしまったせいかもしれません。同時に作者のほうも早くまとめようとしたようにも感じますが。
終わり良しと言うよりも、経過良しというタイプでしょう。「純文学」はもともと経過良しのタイプが多い。