穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

荷風日記昭和七年十二月六日

2023-09-07 19:02:48 | 書評

断腸亭日乗・昭和七年十二月六日:

「陸軍士官軍服のままにてカフェまたは舞踏場に出入することさらに珍しからず」

大正末から昭和初年までは内外の軍縮ムードで職業軍人は軍服を着ては街中を歩けなかった。国民から「税金泥棒」とののしられたからである。ところが満州事変で連戦連勝すると、様子が一変したのである。「兵隊さん(将校のことである)ありがとう」というわけだ。軍服を着て女遊びがおおっぴらにできるようになった。

なんか、サッカーやバスケットで国際試合に勝つと気が触れたように熱狂する放送解説者や視聴者に似ているようで怖いね。