穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

ヤクザは小説家であり声優である

2017-01-25 07:39:24 | 直木賞と本屋大賞

 このブログ十日以上も更新していない。さぼってはいけませんな。もっとも書くこともなかったが。それにつれてアクセス数も激減した。

何年か前に芥川賞、直木賞の受賞作を取り上げようとしたことがある。話題性だけはあるし、多少はこのブログのアクセスが増えるかな、という助平根性からである。しかし、何人かやってみて、どうも気の滅入るような下らない作品が多くて、そのインセンティブも消滅した。

そのころに、新聞なんかの書評のヨイショ記事でちょっと注意を引いた作品があったので、書評してみようかなと思った本があった。黒川博行氏の「破門」だった。当時書店で探したがこれがない。普通直木賞なんか取ると書店がしゃかりきで店頭にてんこ盛りにするが、全然見当たらない。必死になって探すこともないのでそのままになっていた。

彼の他の作品は単行本、文庫本で店頭に並んでいるのにどうしたのかな、と思ったことだけを覚えていた。そのせいだろう。この間書店の文庫棚「ク」の前を通ったら「破門」が平済みに(といっても4、5冊)なっていた。解説を見たら2014年の受賞作という。四年目に文庫になったわけだ。これだけは普通のペースらしい。

当時書店に単行本が無かったのはどうしてかな。売り切れなんてことが有る筈がない。売れれば増刷するだろうし。なにか事情があったのか。それにしては文庫本はでるからわけが分からない。印税のことで揉めたのかな。あるいはヤクザが買い占めたのかな、教科書として。あるいは彼らに都合の悪いことが書いてあったのか。

で、今回は最近のこのブログの趣向を変えてこの本を読んでみようと思う。現在63ページ。

 


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