キングの書くお化けは怖くない。そのなかでも少し怖いのはシャイニングぐらいだろう。これは筆がまだ枯れていないころの彼の技で一応読ませている。
怖くない理由を考えてみると、主人公や登場人物に絡まる恨みに発するものがない。つまりお岩さんタイプ、怪談タイプじゃない。これで怖がらせるのは相当の筆力がいる。成功しているのはシャイニングくらいだろう。
話は飛ぶが、ラブクラフトもクルツゥ人だっけ、地下神話とかがキモなんだけど怨念、情念は関係ない。僕なんかこわくもないし、面白いとも思わない。日本にも大分フアンはいるらしいけど、よくわからない人気だ。
このタイプのホラーは必然的にマンガチックになる。劇画に堕する。ところがキングは劇画に徹しないんだね。そこが彼の中途半端なところだ。
以下次号