穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

芥川賞の田中慎弥は

2012-01-21 11:45:15 | 書評

前回お話しした通りまだ読んでいませんが、二人の受賞者ではこの人が全然世間の話題を取っちゃったみたい。一年前の西村健太氏の場合のように(彼と正反対の極端な引きこもりの生活)が話題を作ったようだ。彼の会見での発言が一部インターネットで話題を賑わしている。

賞をもらってやる、とか言う言葉が注目されている。選考委員の石原慎太郎氏が「皮肉っぽくていいじゃない」といなしたというんだが、これ「ひがみっぽくて」というつもりじゃなかったのか。

そういっちゃ、かわいそうだとか、まずいと思ったんでああ言ったんでしょう。

それと、田中さんの発言はどれもしゃべり言葉じゃなくて、いきなり文章言葉が校正済みで出てくる。。原稿を書くみたいに言葉が出てくるんだろう。最後に一呼吸置くところは、ここでマル(句読点)という感じだ。

文章だけで社会と勝負するひきこもり屋さんにぴったりだが、そうでなくても、この頃の文士にはやたらに露出して営業したがる不愉快、不心得な奴がおおいから、田中さんの態度は大いに感心した。

本当に文学の賞なら、記者会見なんてしないほうがいい。写真撮影だとか授賞式も邪道だ。受賞パーティなんてもってのほかだろうよ。