穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

悪の教典2

2011-03-04 22:39:22 | 書評

長過ぎるということだろうね。しかし、最後まで読んでしまったからそれなりの筆力はあるのだろう。

一気呵成に、巻を置くいとまもなく、というわけにはいかない。まあ、ワン・シッティングで2,30ページだが、そのまま放りだすということもなく、最後まで読めたと言うことは中断があっても短期間であれば筋も見失わないということで、これは存外大事なテクニックだ。それとも最後まで付き合ったアタシがバカだったというだけのことかな。

筋も簡単、つまり明瞭だし、ナレーションもリニアだからそうなんだろう。

つまらないことだが、このサイコ教師が生徒たちのプロファイルを作って記録してあるUSBメモリーを押し入れの中の壁の破れ目に隠しているというくだりがある。

これは笑いを取るつもりで書いたんだろうか。それとも本気かな。ファイルにパスワードをかければいいだけなのに、面白い。押し入れなんかに入れておいたら湿気ちゃうんじゃないかな。

もうほとんど内容は忘れたが押し入れのUSBだけはどういうわけか、覚えているんだ。

それと、生徒たち(どうし、教師と)の会話なんだが、これは今時の高校生言葉(多摩郡版)を忠実に移しているのですか。非常に違和感があるね。標準語でベタ流したほうがすっきりするような気がする。