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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



<スポーツ雑感 2017/7/12>
山際淳司さんの「江夏の21球」を読んだのは何度目だろうか。先日、書店に平積みになっていた「江夏の21球」(角川新書)を思わず買ってしまった。書斎には、37年前の「Number」も、その後に出版された単行本や文庫本もあるはずなのに。そして、「江夏の21球」と、それとともに収められている全部で12編の野球短編を一気に読んだ。今でも色あせない、今だからこそ新鮮に感じる山際淳司さんの世界が、そこにあった。




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<スポーツ雑感 2015/3/16>
2014年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞を受賞した「洲崎球場のポール際」(森田創著、講談社)を一気に読んだ。約80年前の、当時職業野球と呼ばれたプロ野球が産声を上げた頃の話。ちっぽけで、おんぼろ(だと思われる)野球場を中心に、当時のプロ野球人の苦難と東京の下町の世相を蘇えらせた。それに、伝統の巨人・阪神戦がこの野球場から始まったとは…。あとがきのなかに知人の名前をみつけたことにも驚かされた。


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太田直子さんという外国映画の字幕翻訳者のぼやきがつまっている「字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ」(光文社新書)を読んだ。かつて、ぼくにとって新書といえば、岩波新書のことで、かなり堅い内容のものばかりという印象があった。しかし、最近、出版各社が出すようになった新書は、気軽に読めるものが多い。太田さんの本(タイトルが長いのでこう呼びます)も、スイスイと、そして、「そうだよなぁ」と共感しながら、1日で読んでしまった。

はじめて知ったのだが、映画のせりふの長さと字幕の文字数の間には、「1秒=4文字」の原則があるそうだ。そして、字幕翻訳者は、文字通り、1文字をどう減らすかということに神経をすり減らしているらしい。直訳したら10文字以上あるせりふを、前後の関係から再構成することで4文字にしてしまう、という離れ業の例があった。単純に「すごい!」と思い、実は、この部分を立ち読みして、思わず買ってしまったのである。

読み進めると、字幕翻訳に限らず、最近の日本語の「変な部分」がいろいろと取り上げられていて、しかも、それが、ぼくが感じていたものと、かなりシンクロしていた。ぼく自身、言葉に敏感な広告業に携わっているし、スポーツライティングにも興味があるので、自然と、日本語の変化、というか日本語の乱れが気になる。そして、太田さんの本を読んで、その気になる部分とその理由が少しわかったような気がした。

実は、このブログも、いい加減な文章のようだが、たかが1000文字程度に、結構、時間がかかっている。文字を打っては、デリート(消去)し、コピペして、文章をいろいろと入れ替えたり、もちろん推敲もしっかりしているつもりだ。しかし、いくら一生懸命に取り組んでいるといっても、字幕屋の苦闘からすると、しょせんマチュアのブログという無制限・無条件の場は、なんと気安いことか。そう思っていたら、あとがきで、(字幕と違って)書きたいだけ書ける本を書くことの難しさについても書かれていた。やはり、世の中、そう簡単ではないらしい。

字幕翻訳者の苦労はよくわかったが、最近のぼくは、レンタルDVDを借りてきては、日本語吹き替え&字幕なしバージョンばかりを見ている。この本を読んで、字幕版を見てみようかとも思ったのだが、そういうときに限って、見たい作品がない。でも、もうじき「24・シーズン6」のレンタルが始まるか。

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ワールドカップ・イヤーになると、雨後の筍のように、サッカーに関する本が出版される。2002年W杯の直後に、あるサッカー・ジャーナリストに尋ねたところ、その前、フランス大会のときの年収は、前年の3倍になったそうだ。

今年も、すでに本屋さんにはたくさんのW杯本やサッカー本が並んでいる。ただし、どれも同じようなもので、はっきり言って、買いたくなるようなものは少ない。そんな中、フォトグラファーの近藤篤さんのエッセイと写真からなる「サッカーという神様」(NHK出版)という本を見つけた。近藤さんは、ナンバーなどのサッカーの写真でおなじみだ。世界中をめぐるなかで、彼が出会ったサッカーピープルとのエピソードがエッセイとしてまとめられている。

「なぜサッカーは世界中で広く愛されているのか」
「なぜ、ワールドカップは世界中の人々を熱狂させるのか」
その理由は、千差万別であり、決定的な答えはない。しかし、「サッカーという神様」を読めば、その理由がわかったような気になる思う。いろんなサッカーピープルが、地球上のどこにでもいることがわかるからだ。

「日本はどういう布陣でW杯に臨むべきか」
「決定力不足をどう解消したらいいのか」
そんなことを考えることに疲れたら、ぜひ、読むといい。サッカーの魅力が、そんなちっぽけなことではないということがわかるから。

一言で言えば、「癒されるサッカー本」である。読んでよかった!

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いま、ワールドカップと日本のメディアというテーマで原稿を書いている。ビバ!サッカー研究会の4冊目の本に載せるためだ。本当なら、1年前に出版していたはずなのだが、少し遅れてしまっている。しかし、なんとかドイツワールドカップが始まるまでに出版にこぎつけ、ワールドカップブームに便乗したいと考えている。

その原稿の中で、フランスワールドカップの後に、スポーツライターの増島みどりさんが書いた「6月の軌跡 98フランスW杯日本代表39人 全証言」についてふれている。そして、そのついでに、数年ぶりに読み返したら、もう、止まらなくなってしまった。

初出場とはいえ、3戦全敗に終わった日本代表や彼らを支えるスタッフの面々が、どんなことを思い、どんな気持ちで、ワールドカップに臨んだのか。39人に共通しているのは、ワールドカップに対するあまりに純真で一途な思い、そして感謝の気持ちである。W杯が終わって、しばらくたってから、ようやく選手たちが話し出した本当の気持ちがそこにある。

今夏のドイツ大会の後にも、このような傑作と出会えるとうれしいのだが。

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元朝日新聞記者の中条一雄さんが、過去に自分が書いた記事をまとめた本を自費出版された。自費出版といっても販売はなし。200冊製本し、関係者、知人に配るそうだ。しかし、関係者だけの内々に埋もれてしまうのはもったいないような内容ばかり。インターネットで何でも簡単に調べることができるような時代でも、こういう出版物に触れると、印刷されたもの、活字になったものの重要さを感じざるをえない。

1冊目(写真)は、「中条一雄の仕事2」で、戦前のオリンピックの話が、今となってはとても貴重なインタビューとともに書かれている。実は、まだ手に入れたばかりなので、この正月休みにじっくりと読みたいと思っているところだ。

この後も、日本人だけでなく世界の名選手の取材など、34年間にわたる新聞記者時代の仕事が数冊にまとまる予定。そちらも楽しみにしたい。

※興味がある方はコメント欄までご連絡をください。

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本日、読み終えた本:
「となり町戦争」三崎亜記

戦争とは、実はこういうものなのかもしれない。

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