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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



アジアカップ2007・決勝戦
イラク 1対0 サウジアラビア
(2007/7/29 NHK-BS1)

アジアカップ2007の決勝戦は、イラクが主将マハムードの得点を守りきり、1対0でサウジアラビアをくだし、初優勝に輝いた。

中東勢同士の決勝戦は、中盤で激しい、荒々しい攻防が繰り広げられた、見ごたえのある試合となった。サウジアラビアが、堅守のイラクをどう崩すかに注目したが、イラクが攻撃でも、守備でも攻め続けた展開となった。

だから、冒頭、「マハムードの得点を守りきり」と書いたのは、むしろ「マハムードの得点後も攻めきり」が真実といえる。実際に、後半27分の先制後も、イラクは引くことなく、追加点を狙い続けた。むしろサウジアラビアのほうが、根負けしてしまった。

この試合には、今大会4位となった日本代表のサッカーに足りなかったものがあふれていた。イラクやサウジアラビアのようなサッカーのまねをしろという意味ではない。彼らのサッカーの根底にあった、一人ひとりのプレーヤーの攻める気持ち、戦う気持ちである。

もちろん、日本の選手もそれなりのモチベーションをもって大会に臨んでいたことだろう。しかし、「蹴りたくなかった」と考えながら、PK戦に挑んだ選手がいたのも、日本である。

厳しい環境での戦いだったからこそ、最後に、気持ちの強さの差が表れた大会だった。3位決定戦で日本に勝った韓国や優勝したイラクのプレーヤーの表情は、日本選手のそれとは違うように見えた。

それは、サッカーの代表選手が背負っているものの重さのちがいなのだと思う。日本の場合、有権者の2人に1人しか国政選挙に参加しない国らしいといえば、それまでなのだが……。

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アジアカップ2007
日本 0-0 韓国 (PK 5-6)
(2007/7/28 NHK-BS1)

延長戦に入ってからの、特に韓国の選手の消耗は激しかった。後半10分過ぎに、1人退場者を出し、その後の65分間を10人で戦い、PK戦でも6人全員が決めた韓国の精神力に感動した。しかし、若者の憔悴しきった表情は、必ずしも見たいと思える光景ではなかった。

日本の選手たちも試合のたびに、頬がこけていくのがわかった。大会期間中に、相当、体重が落ちたのではないか。東南アジア4カ国で開かれたアジアカップ2007は、サッカーをやるには、あまりにも厳しい環境だった。

FIFA(国際サッカー連盟)は、選手の負担を軽減し、環境の違いによる不公平感を解消するために、標高2500メートル以上の高地での国際試合を禁止しようとしている(その後、3000メートル以上に変更されている)。

アジアカップ2007を見続けて、同じように、気温と湿度についても、ガイドラインをつくらなければならないのではないかと考えた。場合によっては、光化学スモッグについても。

しかし、サッカーは世界の、大衆のスポーツでもある。どこでも、だれでも楽しめるのがサッカーの魅力だ。

ボリビアがFIFAの高所対策に反対するのも十分に理解できる。また、猛暑のなかでの試合を禁止したら、1年中、1日中、猛暑の土地では、サッカーができないことになる。これもおかしな話ではある。

ならば、せめて、厳しい環境のなかでの大会では、延長戦をなくすとか、延長戦の時間を短くするとか、交代選手の数を多くするとか、あるいは、(あまり効果がないかもしれないが)ゴールデン・ゴール方式を採用するとか、大会独自のレギュレーションがあってもいいのではないか。

国際試合(Aマッチ)の結果は、FIFAランキングの基になったりするので、国際基準の下で、すべての国際試合が同じ条件でおこなわれることが望ましいのかもしれない。しかし、厳密に言えば、すべての試合で、条件が異なるのがサッカーだ。

サッカーのルールの根底にあるのは「常識」である。その「常識」をもとに、柔軟に考えることができれば、サッカー選手の寿命を縮めるような過酷な試合を減らすことができるのではないだろうか。

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日本 0-0 韓国 (PK 5-6)
(2007/7/28 NHK-BS1)

ペナルティキック戦もサドンデスに突入。韓国の6人目、キム・チウが決めた後、日本の6番目に羽生が登場したしたときに、嫌な予感がしたファンは多かったのではないか。

そして、羽生の蹴ったボールは、韓国のGKイ・ウンジェの右手にとめられた。

オシム監督にとって、羽生は、オシムのサッカーを理解し、実現する、貴重な人材である。このアジアカップでも、初戦から交代出場し、いくどもチャンスをつくった。この韓国戦でも後半途中から中村憲剛に代わって出場し、延長後半には決定的なシュートを放っていた。

しかし、羽生はゴールを決めることができなかった。枠のすぐ外側だったり、クロスバーやディフェンダーに当たったり。それを見ていて、彼の決定力不足というよりも、ツキのなさを感じていた。このアジアカップ2007は、羽生の大会ではなかったのだ。

そして、日本にとって最後の試合の最後の場面。サッカーの神様は、「羽生の大会ではなかった」ということを、改めて宣告した。

ボール回しにこだわり、停滞気味だった、この大会の日本チームのサッカーに、アクセントをもたらし、活気づけようとがんばっていたのが、羽生だった。

その羽生を悲劇のヒーローにしてしまうのだから、サッカーの神様というのは、なんと冷酷なのだろうか。

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日本 2対3 サウジアラビア
(2007/7/25 テレビ朝日)

試合開始から20分過ぎた頃に、銀座の焼き鳥屋「のんちゃん」のテレビを見れる部屋に入る。冷房の効いた小部屋で生ビールを飲みながら観戦開始。

気象条件はわからなかったが、お互いの運動の質・量からみて、これまでのハノイの試合よりは、コンディションはよさそうだった。そして、それは、この大会での日本の優位性を低めてしまうことを意味した。

ボールを動かし、相手を走らせ、真綿でしめるようにジリジリと相手を苦しめてきた日本。この日のサウジアラビアには、日本のボール回しは、ゴールから遠いところでのボール交換でしかなかった。日本のボール支配が長すぎて、単調なったところを、賢く奪うシーンも何度かあった。

日本がボールを支配し、サウジアラビアが試合をコントロールしていた。結果は、試合をコントロールしたサウジアラビアの勝利となった。終盤、1点を追う日本がボールと試合を支配していた場面が続いたが、ゴールは遠く、順当な結果だったと言えるだろう。

日本が負けてしまったのは残念だったが、試合としてはとてもエキサイティングなおもしろい内容だったと思う。個人能力、組織力、試合の流れをつかむ力が、両チームにあった。そのなかで、サウジアラビアの個人の力が、日本の個人の技よりも上回っていた。そのことは、マレクの豪快な2得点と俊輔の存在感のなさに見てとれた。

3位決定戦があるものの、オシム・ジャパンの最初の挑戦は終わった。次は、2010年のワールドカップに向けた予選となる。2年後が本当の勝負の年となる。この大会の経験と知見がどう生かされるのか。

この大会で日本が対戦したチームでは、多くの若い選手、いわゆるオリンピック世代が先発していた。日本の選手は、顔ぶれこそ新しかったが、必ずしも若くはない。オシム監督の去就も気になるが、それ以上に、若い選手が、世代別チームの枠にとらわれることなく、活躍する姿を見てみたいと、準決勝の敗戦の後に思った。

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ゴルフ界の「ハニカミ王子」こと石川遼選手が、米国で開催されていた世界ジュニア選手権から帰国した。そのときの記者会見を「(イーグルをとった)最後のホールで『最高の笑顔』を見せることができてよかったです」と締めくくった。

今年の5月のマンシングウェアオープンKSBカップで、史上最年少の15歳でツアートーナメントに優勝。そこから、石川狂騒曲が始まった。ハンカチ王子に続く、新たな王子の出現で、メディアが追いかけまくっている。

その後の石川選手は、いくつかのアマチュア大会に出場するも、成績はイマイチ。しかし、都度おこなわれる記者会見では、もちまえの笑顔で受け答えし、メディアとのやり取りを楽しんでいるようだ。というよりも、むしろ、メディアがうまくのせられているような印象さえある。まだ15歳の高校生ゴルファーに、である。

アテネ・オリンピックの頃から、スポーツ選手のメディア対応が、格段によくなったという印象がある。メディアとの関係を良好に保ち、自らのアスリートとしてのブランド価値を高めようという意図がはっきりと見てとれるようになった。

そんなスポーツ界の流れが、15歳のアマチュア選手にまで浸透してきているのだろうか。それとも、誰かがしっかりとマネージメントしているのだろうか。ちなみに、アマチュア選手に対しては、マネージメント会社が接触することは許されていない。

「最高の笑顔」という決めゼリフをもつ、高校生ゴルファーの裏で糸を引いているのはいったい誰なのだろうか。


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第136回全英オープンゴルフ
(2007/7/21 テレビ朝日)

タイガー・ウッズの3連覇がかかった、第136回全英オープンゴルフがはじまっている。

ここのところの全英オープンは、ジャック・ニクラウスの引退とターガーのダブル・グランドスラム(2005年)、やタイガーウッズの父親の死を乗り越えた優勝(2006年)など、ドラマチックな話題はあったが、タイガーの強さが際立ち、全英オープンらしいおもしろさを欠いていた。

しかし、今年の舞台は、あのカーヌスティである。先日、ゴルフ好きの友人が、酒を飲みながら、「今年の全英は、あのカーヌスティだよ。あれ、覚えてる?」とたずねてきた。一瞬の間をおいて、「あれ」を思い出した。

8年前の全英オープンの最終日、最終18番ホール。それまで3打差で首位にいたフランス人プレーヤー、ジャン・バンデベルデが、まさにカーヌスティの罠にはまったときのことを。

18番のティショットを隣のホールに打ち込み(しかし、これは結果的に2打目が打ちやすい場所だった)、ギャラリースタンドに当てた2打目は膝の高さほどもあるラフ(ブッシュ)に入ってしまう。そして、続く3打目が、ついに名物バリーバーン(コースを横切っている小川)に入ってしまい、万事休す。水面から少し顔を出しているボールを、そのまま打つかどうか長時間思案したのちアンプレアブルを宣言する。結果、単独首位の座から落ち、優勝を逃したのだ。

目の前のトラブルにどう対処するかを考えるゴルファーの姿を、あれだけの長い時間、テレビのゴルフ中継で見続けたことはなかった。思いもかけなかった夢に手が届こうとしている1人のゴルファーが、夢の直前で、苦悶し、迷う姿は、まさにゴルフの核心を表していたように、今、思う。

そのカーヌスティでの大会は、2日目を終えて、神の子ガルシア(スペイン)が首位。ガルシアのあこがれ、セベ・バレステロスは大会直前に引退を発表した。セベの後継者として優勝トロフィに名を刻みたい気持ちがいちだんと強くなっていることだろう。それを、日本にもなじみの深い崔京周(チェ・キョンジュ・韓国)が追う。もちろん、タイガーの3連覇の可能性も十分ある。

ゴルファーの内面をうかがうことができる、数少ないコースでの大会の後半戦に注目したい。


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アジアカップ2007
日本 1対1 オーストラリア(PK 4対3)
(2007/7/21 NHK-BS1)

試合開始5分でオーストラリア(以下、豪州)の勢いは止まり、終始、日本がコントロールした試合だった。試合後のインタビューでも、中澤が豪州のコンディションの悪さを冷静に見切っていたことをうかがわせた。

しかし、それでも先制したのは豪州だった。後半15分にビドゥカに代えてキューエルを投入。それによって、わずかに豪州が勢いをとりもどした。後半24分、キューエルのコーナーキックが日本のゴール前を低くすりぬけたところを、ファーサイドに走りこんだアロイーシが押し込んだ。

ベトナム戦のコーナーキックからのオウンゴールを再現するかのような、エアポケットに入り込んだような失点だった。崩されている感覚はないのに、失点してしまう。今大会の日本の悪い癖である。これも暑さによる、集中力の欠如が原因か。

それでも1分後には、同点にするのだから、オシム・ジャパンはたのもしい。俊輔のクロスを巻が折り返し、高原が技ありのゴールを決めた。キックフェイントがかかりやすいことを見切った高原の冷静なプレーだった。

後半の30分に豪州のグレッラが不運なレッドカードで退場になったが、延長を含め残りの45分間を豪州が守りきり、ペナルティ戦になった。

日本は、ほとんどボールを支配するものの、8人がペナルティ付近で守備ブロックを形成する豪州から追加点を奪えなかった。ていねいなパス交換とタイミングを計った飛び出しは有効かもしれないが、そればかりだったことに不満が残った。結局、試合をコントロールしている日本も疲れ切っていたということなのだろう。だからこそ、交代出場したフレッシュな選手には、ドリブル突破やミドルシュートを積極的に試みて欲しかった。

俊輔や遠藤といったフリーキックの名手がいるのだから、ドリブル突破からファウルをとれれば、さらにチャンスが広がるはずだ。また、豪州のGKシュウォルツァはこの試合で正面の強いボールを何度かファンブルしていた。強いミドルシュートが、得点のきっかけになる可能性も高かったはずだ。

ペナルティ戦は、豪州の最初の2人、キューエルとニールのシュートを完璧にストップした川口の1人舞台だった。まさに前回大会のペナルティ戦を彷彿させた。

トーナメントに勝つためには、苦しい試合を越えなければならないし、運も必要だ。ちょっと気が早いが、これまでの日本の試合ぶりと、豪州相手のペナルティ戦を乗り越えたことで、アジアカップ3連覇がだいぶ近づいてきたような気がする。

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アジアカップのグループリーグが終了して、ベスト8が出揃った。イラク、オーストラリア、日本、ベトナム、IRイラン、ウズベキスタン、サウジアラビア、韓国である。

大会の序盤に、ホスト国であるタイやベトナムの健闘があり、その一方で、有力と見られていたオーストラリアや日本やアラブ諸国がもたついたので、波乱の大会になることも予想されたが、結局は順当な勝ち上がりとなった。

予想外といえるのは、ベトナムが残ったこと。初戦のUAE戦の快勝は見事だった。そして、そのUAEに助けられての決勝トーナメント進出となった。この後の戦いはかなり厳しいと思うが、若い選手が多いベトナムには、この大会を自信に北京オリンピック予選に望んで欲しい。と思ったのだが、日本を相手に奮闘してもらうのはご遠慮願おうか。

IRイラン、ウズベキスタンを相手に、前回2位の中国が敗退したことは、必ずしも予想外とは言えない。しかし、中国サッカー界としては、来年の北京オリンピックへ勢いをつけたかったはずで、残念な結果となった。中国は、長身を生かした直線的な攻撃を武器に、初戦のマレーシア戦では大勝したものの、その後は尻すぼみとなった。かつての指導者だったミルチノビッチの姿もスタジアムにあったようだが、どのように建て直すのだろうか。

日本もそうだが、オーストラリア、サウジアラビア、韓国、イラン、ウズベキスタンは、グループリーグの最後の試合をきちんと勝って、ベスト8に残った。大会の後半に向けて、チーム力が充実してきている証拠だろう。

厳しい気象条件のもと、3週間で6試合をこなさなければ、優勝できない大会。経験豊富なアジアの強豪によるサバイバルゲームが、いよいよ佳境を迎える。

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コパ・アメリカ 決勝
ブラジル 3対0 アルゼンチン
(2007/7/17 NTV)

コパ・アメリカ(南米選手権)の決勝は、ドゥンガ監督が率いるブラジルが、スター選手をそろえたアルゼンチンを3対0で破って優勝した。

ベネズエラで開催されていたコパ・アメリカは、地域連盟内のナンバー・ワンを決めるという点では、日本が参加しているアジアカップと同じだが、そのレベルには大きな差があるように見えた。気候条件などの違いを考慮したとしても、ひとつひとつのプレーの正確さ、スピード、アイデアは、さすが南米と言わざるをえない。

決勝戦も、ブラジルとアルゼンチンの激しい攻防が繰り広げられた。そして、激しい守備からの鋭いカウンターでブラジルが3点を奪った。しかし、その攻撃も見事だったが、むしろ、無名のブラジル選手たちが、ドゥンガ監督の指示通りに、アルゼンチンの中核となるリケルメ、メッシを完全につぶしていたことが印象に残った。

アルゼンチンは、昨年のドイツW杯のメンバーがほとんどで、ネームバリューでは、ブラジルをはじめ他のチームを圧倒していた。事実、準決勝のメキシコ戦までは、実力どおりに順当に勝ってきた。しかし、決勝戦では、アルゼンチンの良さを完全に消されてしまった。

決勝戦は、激しい戦いではあったが、ブラジルからも、アルゼンチンからも、「らしさ」が感じられなかった。これは、今大会のブラジルの戦い方のせいだと思った。

ブラジルのサッカーのおもしろさ、素晴らしさは、自らの良さとともに相手の良さを引き出してしまうところにある。ときに、相手の良さを引き出しすぎて、敗戦につながることもあるが……。

コパ・アメリカで優勝したブラジルのサッカーは、現役時代のドゥンガが11人いるような、守備意識の高い「ドゥンガらしいサッカー」だったが、「ブラジルらしいサッカー」ではなかった。

勝つことと魅せること。ブラジルの、いや全世界のサッカーファンがブラジル・サッカーに求めることだ。「ドゥンガ・ブラジル」は、「ブラジルらしいサッカー」に向かっていくのだろうか?

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アジアカップ2007
日本 4対1 ベトナム
(2007/7/16 NHK-BS1)

不運な失点がきっかけで、日本がベトナムに完勝した試合となった。

前半7分のオウンゴールによる失点は予想外だった。しかし、失点しながらも、日本選手の表情に余裕があったのは、実際にピッチで対峙することで、ベトナムとの力の差を感じとっていたからにちがいない。

実際に、失点によって、日本に得点への意欲が生まれ、あまり間があかないうちに同点にできた。このことが、最大の勝因だろう。

日本の4点は、巧みなパスワークと俊輔、遠藤の個人技によって生まれた。日本は、試合をこなすにつれて、パスワークと個人技が冴えてきている。あとは、守備面でのケアレスミスをなくせば万全か。

高温多湿の厳しい環境のなかで、最も精度の高いサッカーを展開しているのが、今の日本である。とくに、俊輔にとっては、彼の高度な技術を発揮しやすい試合展開になっている。

この悪条件は、技術と知性に富む日本にとって、あきらかに有利である。そして、オシム・ジャパンがめざす「走るサッカー」とは、「90分間走り続けるサッカー」ではなくて、「必要なときに走るサッカー」だということを、わからせてくれている。

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アジアカップ2007
韓国 1対2 バーレーン
中国 2対2 IRイラン
(2007/7/16 NHK-BS1)

前半早々にキム・ドゥヒョンの技巧的なボレーシュートで先制した韓国だったが、前半ロスタイムと後半残り5分のところで失点し、よもやの敗戦となった。

初戦は途中からの出場だったイ・チョンスが先発した韓国が、そのイ・チョンスを起点に先制点を奪い、その後も落ち着いてゲームをコントロールした。しかし、オリンピック代表を兼ねる若い選手が多いためか、ときに守備にもろさを感じさせた。

そして、前半ロスタイム、ハーフライン付近からのフリーキックを受けたバーレーンのイーサが、スルスルと抜け出し、同点ゴールを決める。守備のボーンヘッドといえる失点だった。後半の逆転ゴールも韓国の中盤と最終ラインの間のパスミスが原因だった。

韓国の出来は決して悪くはない。先制したときには、あと何点ぐらいとれるだろうかと考えた。しかし、カウンターからチャンスをつくるものの、決定力が不足していた。ボールを支配するものの攻め切れない苛立ちもあっただろう。

バーレーンは、とくに後半は抑え気味に、韓国の一瞬の隙をつこうと考えていたのではないか。韓国に攻めさせながらも、なんとか最終ラインでもちこたえ、結局逆転に成功した。

韓国のもろさとアラブのしたたかさが表れた試合だった。

アラブのしたかさ、あるいは、アラブのねばりを、中国とIRイランの対戦でも見ることができた。

中国に2点を奪われたIRイランが、前半終了間際にフリーキックから1点を返し、さらに、後半、猛攻をしかけて、74分に同点にした。

各国2試合を終えたところで、地元の活躍やアラブ勢の巻き返しによって、どのグループも混戦状態となっている。高温多湿という厳しい環境のなかで、グループリーグから接戦続き。大会としては盛り上がるが、選手は相当つらいはずである。

日本は、サバイバルトーナメントの様相を呈してきたアジアカップ2007を制することができるのだろうか?今夜のベトナム戦の出来が、今後をうらなうカギとなる。

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アジアカップ2007のB組の行方を気にしている。日本が2位で勝ち抜いたら、タイ・バンコクまで観戦に行こうと思っているからだ。準々決勝の試合は7月21日(土)なので、20日(金)の午後にタイに向けて出発し、22日(日)に帰国する計画だ。日本が1位ならベトナムのハノイ、2位ならタイ・バンコクで試合をする。ベトナムに行くには、ちょっと日程的に無理が生じるのである。

その日本がいるB組は、2試合づつを消化したところで、日本とベトナムが勝ち点4、カタールが勝ち点2、UAEが勝ち点0。UAEはグループリーグの敗退が決定した。

各国の3試合目は、日本対ベトナムとカタール対UAEの対戦。

日本は勝利か引き分けで勝ち抜けが決定。ベトナムは勝利の場合は問題ないが、引き分けだとカタールの結果次第。カタールは2点差以上、3得点以上の勝利で、引き分けだったときのベトナムを上回る。なお、日本もベトナムも負けた場合は、勝ったカタールが上になる。(実際はもう少し複雑だが、ここでは省略)

こう考えると、日本が2位になる可能性はとても低く、ぼくがバンコクに行く可能性もほとんどないと言えそうだ。

ぼくの観戦の行方は別にしても、ぼくとしては、共催4カ国のなかでもっとも盛り上がっているベトナムの決勝トーナメント進出をかなえてあげたい。実際、ベスト8に値するいいサッカーをしている。そして、日本のベスト8進出に期待するのも当然だ。

だとすると、日本とベトナムは引き分け。カタールが負けか、引き分けか、1点差までの勝利が、その条件となる。

B組の第3節目。日本対ベトナム戦のカギを握るのは、満員のベトナム・サポーターとその影響を受けるだろうレフェリーのジャッジ。そして、カタール対UAEの場合は、UAEの戦意と両国の友好状態か。カタールとUAEは仲がいいのだろうか。それとも……。


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アジアカップ2007
日本 3対1 UAE
(2007/7/13 NHK-BS1)

日本が高原の鮮やかな2ゴールと中村俊輔のPKの計3点を前半に奪い、試合を決めた。前半はプランどおりの戦いのように見え、得点も奪えたので満足できたが、後半の出来には不満が残った。

フォワードを高原の1トップから、高原、巻の2トップに変えたことで、前線の動きがよくなり、その結果として、高原の2得点が生まれた。また、中盤と加地、駒野の両サイドが積極的に仕掛けていったのも効果的だった。

この試合は、もう負けられないUAEが序盤から積極的に試合に入り、日本も応酬したことで、ダイナミックな展開を楽しめた。しかし、それも前半15分まで。その後は、両チームとも申し合わせたように、動きは抑え目になっていった。やはり外国人にとって、半端じゃない高温多湿の影響は大きいようだ。

互いに抑えた試合運びのなかで、日本がサイド攻撃と中盤からの飛び出しを得点に結びつけた。2人のフォワードのスピードに頼るしかないUAEと組織で崩すことができる日本の違いが勝負を分けた。

日本チームは、現地の環境にも慣れてきて、徐々にパフォーマンスが上がっているように感じた試合だった。しかし、後半は、1人少ない相手に失点を許す一方で、追加点を奪うことができなかった。ボールをキープしながら、チャンスメイクは少なかった。

1、2戦を通じて、気になったのは、交代出場した選手が思うように、成果を生んでいないことだ。初戦の羽生、橋本、2戦目の羽生、水野、今野。1戦目の羽生は何度かチャンスをつくっていたが、その他は交代効果が薄かった。

厳しい環境の中での戦いが続けば、当然総力戦にならざるをえない。決勝トーナメント進出が見えてきた快勝のなかで、新たな不安が気になりだしたUAE戦だった。

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U-20ワールドカップ 日本 2対2 チェコ
(2007/7/13 フジTV)

7月12日(木)深夜のテレビ中継は、サッカーザッピング状態。U-20ワールドカップのほかにも、ほぼ同じ時間帯に、アジアカップ2007、ベトナム対カタール(NHK-BS1)、南米選手権、アルゼンチン対メキシコ(NTV)をやっていた。ぼくは加入していないのだが、スカパーなどCS放送に入っていると、毎日がこんな状態なのだろうか。だとすれば、スカパーに入らないのは、健康のためには正解か。

U-20ワールドカップでは、グループリーグを1位で勝ち抜いた日本代表が、チェコと対戦した。日本が初戦で快勝したスコットランドに負けているチームなので、日本の勝利を期待していたのだが……。

さすがに決勝トーナメントになると、グループリーグほど自由にサッカーをやらせてもらえない。しかし、それでもこの大会までに築き、この大会で花開いた感のあるU-20日本代表らしいサッカー、個人技とパスワークの融合を随所に披露してくれた。そして、毎試合違っていた、得点後のパフォーマンスも。

CKからのヘディングとPKで2点をリードした後、やや不可解な2つのPKで同点にされてしまったのは不運だったし、とても残念だった。ただ、後半のチェコの怒涛の攻撃に対して、それをはねかえすすべがなかったのも確かだった。敗戦にはやはり理由はある。

PK戦の末、敗れてしまった日本代表だが、期待していた勝利以上のもの、すなわち日本サッカーの素晴らしいオリジナリティを世界にアピールしたくれたと思う。今大会の経験を活かし、北京オリンピック、さらには南アフリカ・W杯に出場するつもりで、がんばってもらいたい。このチームの中から、1人でも2人でも、W杯に出場するようだったら、日本のサッカーの将来はさらに明るくなるだろう。

後半になってから、たびたび映っていた、カナダの幻想的な夕空とともに、U-20日本代表の健闘は鮮やかに記憶に残ることだろう。

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2014年の冬季オリンピックの開催地が、ロシアのソチに決定した。オーストリアのザルツブルグ、韓国の平昌(ピョンチャン)を制して、ソ連時代のモスクワ夏季オリンピック以来の、そしてロシアとしては初のオリンピックを開催することになった。

この報道のなかで、2014年の開催地がソチに決まったことが、2016年の東京オリンピック招致にプラスになるという意見が目についた。2014年に韓国でオリンピックを開催したあとに、その2年後に日本で、つまり冬、夏と2大会続いて、アジアで開催することは、地域的なバランスを考えたらありえないからだ。

確かに、そうかもしれない。しかし、現実的には、2014年の冬季オリンピックの開催地に関係なく、2016年の東京大会の開催は相当難しいというのが真実だろう。

2000年シドニー、2004年アテネ、2008年北京、2012年ロンドンと続けば、次は、アメリカ大陸で開催せざるをえないと考えるのが常識的である。できれば米国のどこかの都市で、最低でも米国と時差のない地域が有力となる。これは、地域的なバランスに加え、ばく大な放送権料を払っている米国NBC放送への配慮があるからだ。

そう考えると、東京オリンピックの実現性が高いのは、2020年か2024年になる。そして、今、招致活動に携わっている人たちの多くは、そう考えているのではないか。もしかしたら、ロシアのソチに決まったときに、いや韓国・平昌(ピョンチャン)が負けたときに、一番がっかりしたのは、東京オリンピック招致関係者だったのではないか。

なぜならば、2009年のIOCの総会で、2016年の開催地に東京が選ばれなかったときの説得力のある言い訳がひとつ減ってしまったからである。

今日、東京都の招致委員会が、2014年冬季オリンピックの招致に成功したソチが使っていたPR会社「ジョン・ティブス・アソシエーツ」と契約するというニュースを読んだ。負けたときの言い訳が減ってしまった戦いに、本気に臨む気になった表れか。


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