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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



K-1 PREMIUM2006 Dynamite!! (TBSテレビ)

大晦日恒例となった格闘技イベント“Dynamite!!”は、見どころのないままに終わってしまった。

夕方6時から始まったテレビ中継の、はじめの2時間は過去の試合のハイライトシーンが流された。迫力あるシーンが並んだが、所詮過去のものである。結果がわかっているものに興味はわかない。

8時過ぎからようやく「今夜」の試合の放送が始まった。K1ファイター、シュルトと武蔵は勝ったものの迫力はない。唯一、所英男とホイス・グレーシーの戦いだけが総合格闘技らしい内容だった。ほかは、総合格闘技という名の異種格闘技戦であり、そこには総合初参戦の選手が何人もいて、闘う準備が十分にできていなようだった。結論から言えば、マッチメイクに問題があったということだ。山本キッド、魔裟斗、秋山成勲が順当に勝ったが、その魅力を十分に楽しむことはできなかった。

そして、試合内容よりも、選手入場のパフォーマンスが派手だったのは、なんともTBSらしかった。2006年後半、TBSテレビが中継したボクシングの亀田戦や世界バレーにおいて、その放送内容や大会演出のありかたが物議をかもしたのは記憶に新しい。

2006年の大晦日、TBSの“Dynamite!!”が不発に終わったのは、2006年のテレビスポーツシーンを象徴していたように思えてならなかった。


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サッカー天皇杯準決勝
浦和レッズ 2対1 鹿島アントラーズ
(2006/12/29 国立競技場)

浦和レッズの小野伸二が好調だ。準々決勝の磐田戦で、後半から出場して2得点。そして、今日の準決勝、鹿島相手に、1得点、1アシスト。鈴木啓太からのパスから、、GK曽ヶ端の手をかすめるような狙いすました先制点は、まさに小野の面目躍如といったところか。ゴール後のにんまりした笑顔が印象的だった。

1アシストはポンテへのヒールパス。ポンテのシュートが相手のDFにあたってコースが変わるという幸運もあったが、それも小野とポンテのコンビが、DFを惑わせた結果といえなくもない。

小野が素晴らしかったのは、攻撃面だけではなかった。守備意識が非常に高く、90分間、前線から相手にプレッシャーをかけ続けていた。また、試合中の味方への指示もこれまでになく多かったように見えた。

リーグ戦で十分に活躍できなかったうっぷんをはらすかのような、そして自身としては初の元日決戦への意欲があふれだしているような、小野の活躍だった。

2007年元旦の決勝戦。ガンバ大阪がリーグ戦の雪辱を果たすのか。リーグ王者の浦和レッズが、その地位を磐石なものとするのか。小野の活躍がカギをにぎるのは間違いない。

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ビバ!サッカー研究会の12月の月例会で、伝説のサッカー番組「三菱ダイヤモンドサッカー」のディレクターだった寺尾皖次さんの話を聞いた。

寺尾さんの話の中で、現在のサッカー中継への不満として、カメラの台数が多すぎるということがあった。ダイヤモンドサッカーが始まった頃は、カメラは3台だったそうだ。センターライン上の高いところから、ピッチ全体を俯瞰するカメラ。そして、それよりもやや低い位置からそれぞれのゴール付近を狙うカメラが2台で、合計3台である。それが今や、10台以上のカメラが、ピッチ上のプレーはもちろん、選手や監督の表情までを追いかける。W杯では、たしか16台ものカメラが使われていたはずだ。

多くのカメラでいろいろなシーンを撮っていても、その中のどの映像を選んで、テレビに流すのかは、ディレクターの判断による。たくさん並んだ映像を同時に見ながらスイッチイングしていくのだ。

寺尾さんの経験では、1人のディレクターが追えるのは、せいぜい3つか4つの画面だそうだ。それに、3、4台でも十分に、サッカーの試合の流れを追えるそうだ。それ以上になると、せっかくあるのだから使わなくてはならないという気持ちになり、かえって映像が散漫になってしまい、肝心な試合の流れがつかめなくなってしまうとも。

寺尾さんの話の前に、ダイヤモンドサッカーの元となった、イギリスBBC放送の「マッチ・オブ・ザ・デイ」のビデオを見た。マンチェスター・ユナイテッドとベンフィカ・リスボンが対戦した1968年のチャンピオンズ・カップの決勝戦だった。歴史に残る一戦である。

数が少ないはずのカメラが、ジョージ・ベストの華麗なドリブルを余裕をもって追いかけていた。余計なスローVTRや選手の表情のアップがないために、サッカーの流れを楽しめる。なんとも味わい深く、自然に目が画面に吸い込まれてしまった。

寺尾さんの話を聞きながら、そのモノクロのサッカー中継を思い出し、今では普通となっている過剰なカメラワークや余計な実況や解説によって、サッカー本来のおもしろさが損なわれていることをあらためて感じた。

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クラブワールドカップ3位決定戦
アハリ スポーティング クラブ 2対1 クラブ アメリカ
(2006/12/17 横浜国際総合競技場)

3位決定戦のためか、双方に無理無謀な守備がなく、技巧派同士の好ゲームとなった。個人個人がしっかりとボールをコントロールし、丁寧にパスをつなぐ。同じようなスタイルにも見えるが、アハリ(エジプト)の方がプレーが素直であるのに対して、アメリカ(メキシコ)の技には個人の癖と粘りがあった。似ているようで、微妙に違うところがおもしろい。

アハリの2得点は、22番の若きエース、アブトレイカによるものだった。1点目のフリーキックからのゴールは、初戦のオークランドシティ戦とほぼ同じような状況だった。そして、2点目は、終盤、アメリカに押されていた場面でのカウンターで、ポストの選手と見事なワン・ツー・リターンからゴールを決めた。確かな技術と冷静な判断力が、2つの素晴らしいゴールを生んだといえよう。

ぼくにとって、今年の大会での最大の発見というか、見ることができてよかったと思ったのが、このアブトレイカだった。昨年の大会では、チームの不振(最下位だった)のなかで、彼の存在にまったく気がつかなかった。その彼が、今シーズンのアフリカ・サッカー連盟(CAF)のMVP候補だということは、大会がはじまってから知った。候補のなかでは、彼だけがアフリカのクラブでプレーしているそうだ。

この大会での活躍によって、欧州のクラブに移籍することも十分に考えられる。アブトレイカが欧州で花開き、クラブワールドカップでの活躍をなつかしむのも、そう遠くないのではないか。


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クラブワールドカップ決勝
インテルナシオナル 1対0 FCバルセロナ
(2006/12/17 横浜国際総合競技場)

FIFA クラブワールドカップ決勝戦は、南米代表のインテルナシオナル(ブラジル)が、欧州代表FCバルセロナ(スペイン)に完勝した。得点こそ1対0ときわどい結果だが、インテルナシオナルにしてみれば、狙い通りの試合ができたのではないか。

インテルナシオナルは、2番セアラーがロナウジーニョを徹底的にマークしたうえで、回りが丁寧にカバーしていた。この試合、ロナウジーニョらしさが見えたのは、1、2度しかなかったのではないか。ロナウジーニョが封じられたことで、バルセロナの攻撃の歯車がかみ合わなくなったように見えた。

インテルナシオナルの攻撃はカウンター狙い。そのカウンターが迫力抜群だった。かける人数は少ないものの、ボールを奪った選手がぐんぐんとドリブルで加速、前進する。スピードの変化と方向の変化によって、バルセロナの守備陣が翻弄される場面が何度もあった。

そして、インテルナシオナルは、自分たちのゲームプランを崩すことなく貫き通した結果、後半35分に待望の先制点を奪い、これが決勝点となった。

ドイツ・ワールドカップでは、海外組みで挑み、準々決勝で敗退してしまったブラジルだった。しかし、クラブワールドカップでは、見事に国内組がその雪辱を果たし、ブラジル・サッカーの底力を世界にアピールした大会となった。

バルセロナにとっては、敗戦という結果だけではなく、美しいサッカーを披露することができなかったという点で、おおいに不満が残ったことだろう。

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ドイツ・ワールドカップが閉幕して、5ヶ月が過ぎました。いまさらといわれるかもしれませんが、ぼく自身の記録のためということもあり、「歴史を感じた大会~ドイツ・ワールドカップを振り返る」というリポートを、ビバ!サッカー研究会・公式サイトにアップしました。ぜひ、ご覧ください。

なお、ビバ!サッカー研究会・公式サイトのホームページはこちら

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オークランド・シティ 0対2 アルアハリ(日本テレビ)

「TOYOTAプレゼンツFIFAワールドクラブカップ ジャパン2006」という長い名前に変わった旧トヨタカップ。先日、チケットぴあで観戦チケットを買おうとしたら、店員は「あっ!トヨタカップですね」と言っていた。25年の歴史はあなどれない。

そのクラブワールドカップの開幕戦が2006年12月10日、豊田スタジアムでおこなわれ、昨年も出場したアフリカ代表アルアハリ(エジプト)が、オークランド・シティを2対0でくだした。

前半のアルアハリは、オークランドの強い当たりにとまどっていたものの、後半5分に先制点を奪うと、その後は流れるようなパス回しを展開した。エースのアブトレイカのフリーキックによる追加点も素晴らしかった。昨年は、アジア代表のアルイテハド(サウジアラビア)との初戦に負けて悔しい思いをしたが、今年は順調なスタートとなったと言えるだろう。次の南米代表インテルナシオナル(ブラジル)との一戦が楽しみである。

アマチュアチームのオークランドは、前半こそ、下馬評をくつがえすようなガンバリを見せていたが、サッカー自体は洗練されておらず、世界一を争う資格には程遠いものがあった。ワールドカップの予選も含めて、オーストラリアが抜けたオセアニア連盟の扱いは、FIFAにとって大きな課題となるのではないか。

そのオークランドの一員として、元日本代表の岩本輝雄が後半途中から出場した。最初のボールタッチでの積極的なシュート、フリーキックやコーナーキックでの鋭いボールは往年の岩本を彷彿させた。しかし、それだけだった。たいした見せ場もなく、岩本はプレーを終えた。試合直後のインタビューで悔しさを口に出していたが、サッカーがそんなに簡単なものではないことは、自分が一番わかっているだろう。岩本の最後の試合となるであろう5位決定戦では、もう少しいいところを見せられるようにがんばって欲しいと思う。

明日12月11日は、国立競技場で、アジア代表の全北現代(韓国)と北中米代表のクラブ・アメリカ(メキシコ)の試合を見るつもりだ。昨年のアルイテハドの活躍に続いて、アジア代表の全北現代の活躍に期待しているのだが、はたしてどうだろうか。


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K1ワールドグランプリ2006 (2006/12/2 フジTV)

セーム・シュルトが2年連続のK1チャンピオンに輝いた。2m12cmの長身を生かし、リーチの長いパンチと懐に相手を抱え込んでの鋭角的な膝蹴りにますます磨きがかかっていた。「不動」「無敵」という言葉がふさわしい正真正銘の王者といえよう。

しかし、今年の決勝大会の主役は、連覇を果たしたシュルトではなくて、1993年のK1のはじまりから活躍しているピーター・アーツだった。今年、初めてグランプリ決勝への出場権を失ったが、リザーブマッチで武蔵を一蹴し、チャンスを待った。そして、レミー・ポンヤスキー、ステファン・レコのトラブルによって、準決勝への出場が決まった。

準決勝の相手は、極真代表のクラウベ・フェイトーザ。昨年は、クラウベがリザーブマッチからチャンスを得て、アーツを破り決勝に進んだ。昨年と反対の立場での対戦。しかし、結果は昨年と同じ。リザーブマッチから勝ち上がった戦士の勝利。アーツが2ラウンドでKO勝ちし、雪辱を果たした。

決勝戦。アーツが巨人シュルトに果敢に向かっていった。アーツのパンチが的確にシュルトを捉える。はじめてシュルトが後ずさりをした。アーツが久々に王者に返り咲くのか。この日のアーツには、その資格が十分にあったと思ったが……。

ピーター・アーツの姿に、忘れかけていたK1の魅力を思い出した気がした。

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浦和レッズ 3対2 ガンバ大阪(2006/12/2 NHK)

レッズ・サポーターのみなさん、優勝おめでとうございます。

さて、先週のFC東京戦を引き分けたことで、優勝は決まったものとしてのテレビを見ていた。

立ち上がりの浦和レッズの硬い動きとガンバ大阪の勢いのうえに、ガンバが先制したとあっては、「もしや?」の思いもよぎったが、さすがに、サッカーの神様は、そこまでガンバ大阪びいきではなかたようだ。

先制点をとったガンバにしてみれば、これでいけると思ったに違いない。しかし、結果的に、それが浦和の反攻を呼び、さらには逆転につながった。

ワシントンに逆転ゴールを決められた直後に、シジクレイの顔がテレビにアップになったが、そこには挑戦をあきらめた、ややうつろな表情があった。前半を1対2でリードされたガンバ大阪。後半の立ち上がりのガンバ大阪に前半のような気迫は感じられなかった。

ガンバ大阪の優勝への条件は、3点差以上で勝つことだった。不可能ではないが、いろいろな条件を考えれば現実的ではない。そして、非現実的な、わずかな可能性に向かって挑んだ結果が、逆転負けとなったガンバ大阪だった。

浦和が、長いシーズンを通して、コツコツと積み上げたこの試合前までの実質的な得失点差3は、たった1試合では覆せない大きな大きな財産だった。そして、その3点は、14年間にわたって熱烈な応援をし続けてきた、日本一のサポーターの汗と涙と愛情の結晶だったのかもしれない。

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