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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



ハンドボール女子・ロンドン五輪女子アジア予選
日本代表 22対27 韓国代表
2011/10/21 NHK-BS1

ロンドン・オリンピック出場権がかかった韓国戦で、日本は、自力の差を露呈し、完敗した。前半を1点リードして終えたが、後半に入ると逆転され、徐々に点差をつけられた。日本は、この大会でロンドンオリンピック出場権を得ることはできず、来年の世界最終予選にチャレンジすることとなった。

日本は、ここ何試合か韓国相手に互角の戦いをしてきているが、韓国のほうが実力が上というのは間違いなく、この敗戦は想定内だった。ぼくが残念に思ったのは、この試合のテレビ中継だった。

この最終予選での日本代表の試合は連日、NHK-BSで放送されていて、この大一番も午後6時から生中継だった。さらにNHKの7時のニュースでも途中経過を入れるなど、日本のハンドボール界にとっては、世間から注目される数少ないチャンスだった。しかし、その中継内容は、きわめて貧弱で、スポーツの魅力を全く伝えないものだった。

試合中継では、メインスタンド側中央から引き気味にコート全体を映すカメラ1台が試合全体をカバーしていた。カメラを左右に振りながら、ときに選手のズームアップを行うだけ。試合展開に追いつけず、速効の得点シーンを逃すこともあった。あとのカメラは、両チームのベンチを映すのみ。豪快なシュートをゴール裏側から映したり、ハンドボールらしい選手同士の激しいぶつかりあいを追うような映像は全く見ることができなかった。

開催地・中国の地元のテレビ局が、国際映像を制作しているのだろうが、国際映像だけを使うのではなく、ライトホルダー(放送権保有者)のNHKと日本ハンドボール協会が協力して、独自の映像を撮るようなことはできなかったのだろうか?

さらには、実況も解説者もあまりにNHKらしい、大人しく淡々としたもので、オリンピックへの期待感も感じなければ、また試合を見なれない素人にはわかりにくいハンドボールの競技特性やルールの解説も少なかった。

要するに、ファンを増やす絶好の機会だった試合中継であるにもかかわらず、ファン拡大のための工夫が全くなかった。NHKとはいえどもメディアと競技団体が協力し、知恵を出し合って、盛り上げていくことは、とくにマイナー競技においては重要なはずである。

ハンドボール女子日本代表が、ロンドン・オリンピックへの出場権を獲得できなかったことよりも、ハンドボールファンを獲得できるチャンスを活かせなかったことのほうを残念に思った。




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