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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



プライドグランプリ2005決勝戦(さいたまスーパーアリーナ)

今日2005年8月28日、さいたまスーパーアリーナにつめかけた4万7692人(昨年の動員新記録とまったく同じ)は、プライドの歴史に残る2つの光景を目にしたことになった。

一つ目は、プライドグランプリ2005ミドル級トーナメントの準決勝で、王者ヴァンダレイ・シウバ(ブラジル)が、ヒカルド・アローナ(ブラジル)に敗れたことである。

この日の第2試合、早くも最高潮となった観客の大声援に迎えられたシウバだったが、いつものような覇気がなく、アローナに常に優勢に試合を進められ、0対3で判定負けを喫した。1回戦で桜庭の顔面をボコボコにして、強さと冷徹さを印象づけたアローナに対して、シウバは何にもできずに、シウバらしさのかけらをみせることなく、ミドル級グランプリから去ることになった。

試合内容から十分予想できたことだったが、判定がくだった瞬間、会場にはすーっと冷たい空気が流れた。期待していたシウバの敗戦で、一気に観客のボルテージが下がったのがわかった。

シウバを倒したアローナを決勝戦で破ったのは、シウバの後継者と言われるマウリシオ・ショーグン(ブラジル)だった。準決勝のアリスター・オーフレイム(オランダ)に続いて、2試合連続のKO(レフェリーストップ)勝利は新王者にふさわしいものだった。ショーグンの勝利で、さいたまスーパーアリーナには、最後に再び熱い空気が流れた。

桜庭とのライバル対決をへて、日本のファンの心をつかんだシウバの敗北と後継者ショーグンの優勝は、新しい選手が次から次へと現れるミドル級の厳しさと「桜庭・シウバ」時代の終わりを感じさせるものだった。

そして、もう一つは、ヘビー級のタイトルマッチで、王者エミリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア)が、ミルコ・クロコップ(クロアチア)に勝って、タイトルを保持したことである。

関節技が得意なアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ(ブラジル)が勝てなかったヒョードルを倒せるのは、強烈なハイキックという必殺技をもつ打撃系のミルコしかいないはずだった。第6試合に登場したときのミルコへの声援、すなわち期待は、この日の中では、シウバに次ぐ大きなものだった。

しかし、その期待は、試合時間が進むにつれてしぼんでいった。序盤こそ互角だったが、徐々にヒョードルが巧さを発揮し始める。ヒョードルは勝つことと同時に、負けない試合展開に持ち込む巧さを持っていた。

テイクダウンを仕掛け、ミルコを倒す。インサイドガードながら、常にミルコの上になり、細かいパンチを繰り出しミルコのスタミナを奪う。第3ラウンドには、ミルコのハイキックが、ヒョードルのわき腹を軽く叩くほどの弱弱しいキックになっていた。今までに見たこともないミルコのキックを見たとき、観客はヒョードルの勝利を確信した。誰がヒョードルを倒せるのだろうかという疑問とともに。

シウバや吉田秀彦がヘビー級への階級アップを匂わせているが、この日の試合を観た限りでは、2人ともヒョードルにはほど遠い。ヘビー級には新しい風が吹かないのだろうか。ヒョードルの時代はいつまで続くのか。

ミドル級よりも軽いライト級でおこなわれる「プライド武士道」も群雄割拠の様相を呈している。それはそれで面白いのだが、最強の格闘家であるはずのヘビー級を活性化させるために、ヒョードルの地位を脅かす新たな刺客の登場を願ってやまない。

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何かと観戦チケットに関する話題が多いこのブログだが、一応報告を兼ねて。

昨日あたりから、2006年ワールドカップのチケット(TST)が再び買える状態になっている。はっきりとした理由はわからないが、今月上旬がチケット代の振込み締め切りだったので、かなりのキャンセルがでたということなのだろう。

ただし、日本、ブラジル、イングランド、ドイツは早くも再び完売。なので、ちょっと興味のある某国のTST-6を買うことに。実際には、準々決勝と準決勝しか観るつもりはないので、本大会に出場するチームならどこのチケットでもいいのだが……。グループリーグのチケットは、現地に取材に行く友人に提供するつもり。

実を言うと、今回の申し込みはちょっと苦労した。規則では、TSTは、ひとり1件(最大4人分)しか申し込みができない。ぼくはというと、第2次販売のときに、試しに北朝鮮のTST-6を申し込み、そしてキャンセル(=入金せず)した。やばいかなぁと思いながらも、前回と同じ登録情報で申し込もうとしたら、きっちり拒否されたのである。さすがにドイツらしい几帳面さ。北朝鮮なんて、予選落ちが確定しているわけだから、おおめに見てくれてもいいようなものなのに。

なので、新しい登録者を装い、某国のTSTを購入したというわけである。とりあえず、来年のドイツ行きが決定したということで……。

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日本対トルコ(さいたまスーパーアリーナ)

昨日2005年8月20日から、リトアニア、トルコ、韓国を迎えてはじまった「キリン インターナショナル バスケットボール2005」を観に、さいたまスーパーアリーナに行った。

第1試合はリトアニア対韓国。FIBA(国際バスケットボール連盟)ランク6位のリトアニアが序盤に苦戦をしたが、どこか余裕を漂わせながら韓国を80対71でくだした。第1ピリオドこそ、3ポイントシュートを6本決めたパン・ソンユンの活躍で韓国がリードしたが、第2ピリオド以降は、ガードのナヴィツカスにコントロールされたリトアニアが着実に得点を重ね、危なげなく逃げ切った。欧州の強豪の片鱗を垣間見せてくれたというところか。この試合では、韓国のセンター、身長220cmのハ・スンジン(NBAポートランドに所属、シャンソン化粧品ハ・ウンジュの弟)に注目していた。ハは動きは悪くなかったが、シュートが下手だったことが、やや期待はずれだった。ただし、まだ20歳と若いだけに、楽しみな選手であることにちがいない。

日本対トルコは第2試合。日本は、来年の世界選手権のファイナルラウンド(=ベスト16)進出を目指して、若手中心のチームに切り替えて強化中。一方のトルコは、サッカー同様、バスケットボールでも世界のトップクラスに迫りつつある。

第1ピリオドは、日本のタイトな守備がトルコの攻撃を押さえるとともに、積極的な速攻が決まり、20対9と日本がリード。網野、梶山の活躍が目立った。しかし、第2ピリオドは、逆にプレッシャーを強めたトルコの守備に日本が9点に抑えこまれる。それでも、前半は29対24と日本がリードして終わった。しかし、このロースコアが物語っているように、両チームにミスの多いやや低調な試合内容だった。

第3ピリオドになると日本の弱点が露呈する。トルコの2-3のゾーンディフェンスを崩すことができない。速いパス回しでフリーな状況をつくっても、肝心のシュートがまったく決まらない。第3ピリオド終了時点で、49対42とトルコに逆転を許してしまう。そして、第4ピリオドは、終盤、集中のキレたトルコに対して、同点のチャンスにまで迫るが、結局62対61で敗れた。

4チームのなかでは、やはりリトアニアの巧さが目立っていた。自分の力で試合をコントロールできるかどうか。他の3チームとの大きな違いである。

日本は、戦う姿勢を前面に出しての粘り強い守備はよかったのだが、攻撃面に決め手を欠いていた。2m台の選手がセンター1枚というチームならば、もっとチーム全体で相手に走り勝つことが必要だ。また、この試合のようなシュート確率の低さ(3ポイント:26.9%、2ポイント:34.9%)では、どんな相手にも勝つことはできない。

この大会は、来年の地元開催の世界選手権に向けての男子日本代表強化試合ver.2と銘打たれている。日本の若い力が、あと1年でどれだけ成長するのか。日本代表を率いる名将パブリセヴィッチの手腕に期待しながら、世界選手権を楽しみに待ちたいと思う。


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三鷹のU先生が廃棄処分するという資料のなかに、表紙に1974年のワールドカップ・西ドイツ大会のエンブレム“WM74”が大きく印刷された、FIFAの機関誌FIFA NEWS1972年12月号を見つけた。夢中になって見た1974年のワールドカップには、特別な思い入れがあり、関連する本や資料には、ついつい目がいってしまう。

中をめくると、本大会のチケットの値段表があった。開幕戦、1次リーグ、2次リーグ、3位決定戦、決勝戦に分かれていて、それぞれカテゴリー1から5までの5種類の席が用意されている。スタジアムによって違うが、全部で6万人のところでは、屋根で覆われているカテゴリー1と2が1万席づつ、屋根のないカテゴリー3と4が5000席づつ、そして、残りの3万席がカテゴリー5で立見席という想定になっている。今では信じられないが、スタジアムの観客の半分は立ち見だったのだ。

気になる値段はというと、決勝戦のカテゴリー1が80ドイツマルク(以下DM)で約8800円。同2が60DM(6600円)、同3が40DM(約4400円)、同4が30DM(約3300円)、立ち見席のカテゴリー5が15DM(約1650円)だった。ちなみに、一番安い席は、1次リーグと2次リーグのカテゴリー5が、同じ10DM(約1100円)となっている。来年のドイツ大会の決勝戦のカテゴリー1は、600ユーロで約81000円。32年間でだいたい10倍になったことになる。

予選参加国は、1974年大会の95カ国(協会)から2006年大会は194カ国(協会)へと倍以上に増え、本大会出場国も16カ国から32カ国へと倍になった。ワールドカップは、それだけ世界中の注目を浴びる大会となり、そのチケットは世界中の人々が欲しがる超プレミアチケットになっている。しかし、スタジアムの観客収容人数はあまり変わらない。むしろ、安全のために立ち見席をなくしているので、減っているかもしれない。こう考えると、チケットの値段の高騰はしかたがない。(もっとも、基本的な経済的な変化(=物価上昇)の影響の方が大きいのだが…。)

その希少性からワールドカップのチケットの値段が高くなるのは認めるが、その値段に見合ったサッカーを観ることができるのだろうか。はたして、クライフやベッケンバウアーが活躍した1974年西ドイツ大会の10倍も魅力あるサッカーが、来年ドイツで繰り広げられるのだろうか。

注)当初、2006年大会の予選参加国を204カ国(協会)と書いていましたが、194の誤りでした。申し訳ありません。

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昨日の土曜日、日ごろお世話になっている、三鷹市のU先生宅を訪問した。何人かの仲間たちと、先生が廃棄処分するというサッカーに関する資料をもらい下げに行ったのである。

書庫代わりのはなれにおいてあった資料の中には、廃棄なんてとんでもない、ぼくらにとって、というよりも日本のサッカー界にとっても貴重な資料がたっぷり。

その中で、ぼくがゲットしたものは
・サッカーマガジン1974年ワールドカップ特集臨時増刊号(1978年アルゼンチン大会からは持っているので、とても欲しかった)
・トヨタカップ第10回記念誌(ハードカバーの非売品)
・リバープレートの歴史(スペイン語でかなり古いもの)
・サッカーマガジン1990年イタリアワールドカップ特集号(当時、イタリアに行っていて買いそびれた1週分を発見)
・トヨタカップのプログラムをいくつか
・先生の取材ノート
などなど。こう見ると、これだけでもかなりマニアックだなぁ…。

欲しいものは他にもあったが、もちきれないし(結局、宅急便で送ることにしたが)、いただいたところで自分の部屋にも置ききれない。気分的に、手元においておきたいものだけを選ぶことにした。資料という意味では、仲間の誰かがもっていて、そのありかがわかっていればいいことだし…。

というわけで、宅急便が着いたら、自分の部屋の整理をして、それらの本の置き場所をつくらなくてはならないことがちょっと憂鬱でもあり、実を言うと楽しみなのである。


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東アジア選手権・日本対韓国(その2)(TV朝日)

初戦の北朝鮮戦で、決定的なミスを犯した小笠原と中澤のコンビが韓国戦の決勝点を生んだ。第2戦の中国との試合では、初戦の制裁と休息を兼ねてのベンチ控えとなった。そして、最終日の韓国戦では、0対0の同点のまま均衡がくずれない後半途中からの交代出場した2人だった。なんともいえないこのめぐりあわせ。

公式戦で奇跡おこす力を「ジーコ力(りょく)」と呼ぶらしい。北朝鮮に敗れたときは、そろそろ、その力にも翳りがみえたかと思ったが…。

初戦の北朝鮮戦で敗れたことにより、第2戦では「総とっかえ」という大胆な選手起用をすることができた。そして、田中(達)や巻や阿部などが十分に代表として使えることがわかった。

韓国戦では、勝ちきれない準レギュラーメンバーに、中澤、小笠原、大黒ら国内組のレギュラーを途中交代出場させることで、勝利を呼び込んだ。国内レギュラー組の面目躍如という結果になった。

大会の成績も、優勝こそ逃したが、中国に続く2位を確保して、どうにかアジア王者の意地をみせることができた。

どこまで計算づくなのか。それとも流れに身をまかせているだけなのか。ただ言えることは、いまだ「ジーコ力」は健在らしいということ。

来年のドイツW杯までの公式大会(試合)も、消化試合となったイラン戦のみ。その後は、ドイツへ向けたチームづくりのための期間となる。「ジーコ力」は、イラン戦でも何かを起こすのか。また、チームづくりの過程にも力を発揮するものなのか。

「ジーコ力」によって日本代表が、どう成長していくのか、期待をもって見続けたい。

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東アジア選手権・日本対韓国(TV朝日)


それにしても、これまでもさんざん言われていることだが、テレビ朝日の実況と解説はどうにかならないものだろうか。

昨日の女子の日本対韓国、そして今晩の男子の同じカードをテレビで見ていて、本当に嫌気がさしてしまった。2日続けてだったこともある。ワールドカップのアジア最終予選の場合は、NHKの衛星放送という逃げ場がある。キリンカップの日本テレビ、コンフェデ杯のフジテレビはまだ許容範囲だ。ワンパターンの表現を繰り返すTBS。そして、テレビ朝日の場合は、解説という名の大応援が加わる。もう最悪だ。

中澤の決勝点で日本が韓国に勝利した日本対韓国戦は、大会の優勝がほぼ中国に決まった後だったのにもかかわらず、ライバル同士らしい激しい好試合となった。しかし、試合が白熱するとともに、というか試合内容にあまり関係なく絶叫し続ける実況と解説のおかげで、かえってしらけてしまった。特に、中澤の左足でのグラウンダーのシュートが決まった瞬間の、「中澤の高さが活きました!」とは、一体なんなんだ。

テレビ朝日は、今大会のテレビ放映権を購入した、いわゆるライトホルダー(放映権保有者)である。だから、東アジア選手権の中継は、テレビ朝日しかできない。だからこそ、テレビ朝日にお願いしたい。角澤と松木のコンビで中継しても結構だが、せめて副音声で、普通に話しのできる実況担当者を用意してほしい。もし、いないのならば実況なしの中継でもいい。

テレビ局側でそのような改善ができないのならば、テレビ放映権を売る側、すなわち国際サッカー連盟などの大会主催者にもとめるしかない。放映権の契約のなかで、ライトホルダーは、(副音声でもいいから)まともに実況できるアナウンサーの起用を義務づけることを。

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少年サッカーのユニフォームに広告がついているのを初めて見た。そのスポンサーは、なかなか目のつけどころがいいなと思った。

8月2日発売の週刊サッカーマガジンで「第18回サッカーマガジン少年大会2005」の大会の模様が紹介されている。結果は、千葉県のA.C.C.四街道というチームが、埼玉県の朝霞いずみサッカー少年団を1対0でくだし、優勝していた。

そのA.C.C.四街道の、ACミランと同じ赤黒のユニフォームの胸には「(有)藤工匠」という会社の名前がついている。ふだん見慣れているプロチームなら当たり前のことだが、少年サッカーとなると珍しい。こういったスポンサードができるのも学校体育ではないクラブスポーツのいいところだろう。

企業が地元の少年サッカークラブを支えている姿は、Jリーグやほかのプロスポーツをスポンサードすること以上に地域密着の度合いの強さを感じる。企業への好感度はきっと高まることだろう。それに、ユニフォームの社名をインターネットで検索すれば、会社のホームページでどんな会社なのかが、すぐにわかる。今は、そんな時代でもある。

クラブの子どもたちには、スポンサーという存在やその仕組みを知ることによって、クラブを支えてくれるまわりの大人たちへの感謝や、さらには(まだ必要ないかもしれないが)プロ意識も芽生え、育まれるのではないか。

A.C.C.四街道は、8月下旬にドイツに遠征してバイエルン・ミュンヘンのジュニアチームと対戦するという。スポンサーもきっと大満足のことだろう。

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