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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



女子ワールドカップ
3位決定戦
スウェーデン 2対1 フランス (ジンスハイム)


女子W杯3位決定戦の試合後に、印象に残った2つの光景があった。

1つは敗れたフランスの選手が、サポーターにあいさつするために場内を周っていたときのこと。

フランスの8番、ソニア・ボンパストール選手が、バックスタンドの観客席から自分の子どもをおろし、残りの半周を一緒に歩いた。

ボンパストールは、後半半ば、スウェーデンの選手をレッドカードに追い込んだ交錯プレーで、ややスウェーデンびいきのドイツの観衆の反感をかった。以後は、ボールをもつたびに会場から大ブーイングの攻撃を受けた。

母親が大ブーイングをあび続けたことに、息子はどんな思いだったのだろうか。その息子をなぐさめるために、勇気づけるために、あるいは、自分が息子に支えてもらうために呼び入れたのかもしれない。

2つ目は、スウェーデンの選手、監督が、メインスタンドで3位の表彰を受けているとき、ピッチでは、チームを支えてきたスタッフが肩を組んで、一体となって、その模様を見ていた。表彰の場には上がれないが、自分たちも一緒になって戦ってきたんだという思いが、その並んだ背中から感じられた。

3位決定戦とはいえ、熱い戦いを繰り広げたスウェーデンとフランス。試合後の印象的な光景は、真剣勝負だったからこそのものだった。



※2011年7月17日にFacebookに掲載したものを転載しました。



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女子ワールドカップ杯ドイツ大会
なでしこジャパン 2対1 ニュージーランド

2011年6月27日(NHK-BS1)

女子W杯ドイツ大会のなでしこジャパンの初戦。後半の途中から出場した岩渕真奈が得意のドリブル突破やゴール前でのチャンスに絡み、勝利に大きく貢献した。

決勝点となった2点目のきっかけとなった、ゴール正面で大柄なNZディフェンダー2人を抜きにかかってファウルをもらった場面もすばらしかったが、岩渕の特徴が表れていたのは、それとは別の場面にあった。

右サイドのタッチライン沿いで、相手選手に体を寄せられ、当たられながらも倒れずに、ドリブルを続け、突破したプレーだ。(結果的に2人目をかわしたところで、相手のファウルになって、プレーはとめられてしまったが…)

今大会の直前に、元なでしこジャパンの四方菜穂さん、中地舞さんらによる公開シンポジウム「なでしこ!しなやかに、つよく~女子サッカーの現在と未来を語る~」を開催した。そのなかで、岩渕選手に関して、四方さんが、こう言っていた。

「(岩渕は)速いうえに、あたっても転ばないんです。というか、バランスを崩しても、変な体勢のまま走るんですよ(笑)。 まっすぐ走ってて、あたられて体勢を崩されてもそのまま走るんですよ」

ユースW杯でMVPをとった少女が、大人の大会で、その持ち味を発揮し、大きく羽ばたこうとしている。



※2011年6月28日にFacebookに掲載したものを転載しました。



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