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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



日本1対0パラグアイ
2010/9/4 日本テレビ

ザッケローニ新監督が観客席で見守る中、新生日本代表が1対0でパラグアイを破った。南アフリカW杯で、PK戦で敗れた相手にリベンジを果たしたことになった。

試合内容としては、親善試合らしく、個々の当たりにおいてはややゆるい守備のため、たがいにボールを保持しやすく、攻撃を仕掛けやすい展開だった。

パラグアイは、ほとんどがW杯代表メンバーで、監督も変わっていないため、攻守において組織力を活かしたサッカーができていた。パスワークで日本の守備を崩す場面が何度かあったが、得点にはいたらなかった。しかし、来年夏の南米選手権を目標とするならば、まずまずの再スタートと言えるだろう。

一方の日本代表は、W杯のときとは、メンバーも布陣も変わっていて、個々のセンスに頼らざるを得ない状況だった。その日本では、MFの香川と初代表となったMF細貝の活躍が目立っていた。

香川は前半からスピードを生かした攻めでチャンスを何度も作った。得点シーンは、中村憲剛との変則的なワン・ツー・パスからのシュートだった。2人のひらめきがシンクロし、香川のボールさばきが光った結果の決勝点だった。

細貝は、レッズのときのような攻撃はあまり見られなかったが、豊富な活動量を活かし守備面で大きな貢献をしていた。おそらくは、代行監督だったために、明確なチーム戦術が決まっていなかったのだろう。そのために、細貝は初代表戦にもかかわらず、のびのびとプレーできていたのではないか。

長友や内田もW杯をステップに伸びつつあることを証明した。2011年のアジアカップ、南米選手権、そして2014年のブラジルに向けた明るい希望の星が見えた試合だった。

しかしながら、新星の登場の一方で、W杯で一躍主役の座についたかのような本田圭佑は、この試合でも冴えなかった。この試合でも、というのは、臨時の布陣で戦ったW杯では、カメルーン戦、デンマーク戦で見事なゴールを奪ったものの、それ以外に、日本代表の試合で十分に機能したことがないからである。

この試合でも、トップ下での働きが期待されたが、ボールに触る回数も少なく、FK以外では存在感が薄かった。細貝とは対照的に、本田を機能させるためのチームとしてのルール作りが必要なのだろうか。

個々の強さをベースに、チームを作り上げていきたい日本に、本田は必要かもしれない。しかし、その本田を使うために、他の選手の個性を消してしまうのはナンセンスである。

ザッケローニ新監督は、解決法を見つけられのだろうか。



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