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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



11月は、サッカーの話題の多い月だったような気がする。イレブンにちなんでいるのだろうか。ぼく個人としては、仕事のピークの月でもあり、またもやブログの更新が滞った。なので、いつものように、備忘録的に気になったことを書いておく。

■11月11日(日) 「大宮公園サッカー場」あらため「NACK5スタジアム大宮」で、大宮対大分を観戦。新しくなったスタジアムは、サッカーを見るのにはとてもいい。とくに急勾配のゴール裏の上段がいい。しかし、反面、名物だったバックスタンドの桜がなくなってしまったのは、あまりに寂しい。サッカー場とは、サッカーをする場所、見る場所であると同時に、その街のシンボルでもある。春、花見とサッカー観戦が一つところで楽しめるスタジアムがなくなってしまったのは、かなり残念である。

■11月14日(水) ACLで浦和が優勝した。浦和のサポーターに圧倒されたのか、セパハンはときに巧みな技とパスワークを披露したが、勢いはまったくなかった。そのシュートがことごとくゴールの枠をはずれたのも、赤い力のせいのように感じた。それにしても、浦和が勝つことによって、すなわち浦和のサポーターが押し寄せることによって、かつてはナビスコカップがメジャーになり、今度はACLへの関心が高まり、ACLの価値が上がった。そして、12月のクラブワールドカップもその恩恵にあずかることになった。なにしろ、ACLで優勝を決めた夜に、浦和が戦うかもしれない12月13日(木)のACミラン戦のチケットが売り切れた。その翌日から、海外向けの余り分が発売されて、なんとかチケットを買うことはできたのだが、浦和のサポーターのサッカー界に及ぼす影響力は、ますます大きくなっている。

■11月16日(土) 10年前、岡野のVゴールで初のワールドカップ出場を決めた日、日本代表のオシム監督が急性脳梗塞で倒れた。早い回復を願うだけである。そしてサッカー協会には、後任選びを速やかに進めて欲しい。残念ながら、無事に回復したとしても、サッカー日本代表の監督とは、一度脳梗塞で倒れた人間ができるような仕事ではないだろう。また、本人のためにも、そんな大役を押し付けることはできないはずだ。

■11月21日(水) U-22日本代表が北京オリンピックの出場を決めた。一方、ヨーロッパでは、来年のEURO2008の予選の最終戦が行われ、イングランドが予選敗退となった。本大会で、イングランドのサポーターが作り出す雰囲気を味わえないのは残念だが、これからイングランドのサポーターを狙ってダフ屋が買い占めていたチケットが市場に出回るのではないか。現地でダフ屋から買うにしても、イングランド人が競争相手からいなくなれば、だいぶ楽になるだろう。

■11月23日(金) 2010年南アフリカW杯のポスターが発表された(写真)。エトーがヘディングしている姿とアフリカ大陸を重ね合わせたデザインである。これまでになかったアイデアだ。そして、本大会のスケジュールやチケットの値段も発表された。おおむねドイツ大会と同じ。早速、観戦スケジュールを決めて、旅行社の友人に手配を頼んだが、ちょっと気が早すぎるか。

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大宮 1対2 大分
2007/11/11 NACK5スタジアム大宮

日本で一番古いサッカー専用競技場だった大宮公園サッカー場がリニューアルされ、名前も「NACK5スタジアム大宮」と新しくなった。改修されたスタジアムの売りは、「ファン・サポーターと選手が触れ合えるほど、観客席とピッチが近い」こと。

そのこけら落としの試合が、大宮アルディージャと大分トリニータの対戦でおこなわれた。降格ゾーンからの脱出をはかりたい両チームの戦いは、ラフプレーという熱さはあったが、試合内容はお寒いものだった。とくにホームに「凱旋」した大宮はひどかった。

大宮は、前半早々、フリーキックのこぼれ球を拾った小林慶行が左足でゴール右隅に決めて先制したが、見せ場はそれだけだった。

徹底して両サイドを使って攻撃を仕掛ける大分に対して、大宮はクリアボールを跳ね返すだけ。1トップにボールを渡しても、まわりの押し上げが遅く、攻撃のかたちをつくることができない。

案の定、大宮は、前半に同点にされ、さらに後半終了間際に逆転され、こけら落としの試合を飾れなかった。(なお、大分の逆転シーンは、雨が強くなり、席を立ってしまったので見ることはできなった。)

ホーム側ゴール裏で、「われらの大宮…、攻め上がれ大宮…」と繰り返すサポーターの叫び声は、さいごまで選手たちには届かなかった。こんなに、観客席とピッチの距離が近くなったのに。


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ヤマザキナビスコカップ・決勝
川崎フロンターレ 0対1 ガンバ大阪
2007/11/3 フジTV

スポーツマスコミ講座で、スポーツ中継に関する議論を聞いていたので、ナビスコカップの決勝戦は、どんな議論があったかを思い出しながらのテレビ観戦とした。

決勝のカードは、攻撃力を売りにしている川崎とG大阪の対戦。序盤から、両チームとも積極的に攻撃をしかけ、シュートまでもっていく、目を離せない展開となった。だから、いつの間にか、試合に引き込まれて、番組作りの視点でのテレビ視聴はどこかにいってしまったのだが、それでも気になった点をいくつかあげておきたい。

番組の実況は西岡孝洋アナ、解説は風間八宏さんだった。特徴のない実況と安定感のある解説のコンビはまぁまぁだった。しかし、風間さんの解説は聞きやすいと思うのだが、テレビの画面に映っていなかったプレーの解説は短くして欲しい。序盤の遠藤の動き出しをほめていたことなどだ。

1994年のW杯USA大会の決勝戦(イタリア対ブラジル、NHKが放送)の解説をしていた加茂周さんが、画面に映っていないイタリアの最終ラインのバレージのことばかりを話していたのを思い出した。テレビで見えないプレーについて話されても、視聴者はストレスがたまるばかりだ。

いつもなら気になる選手のアップやプレーの再生も多すぎず、試合展開は見やすかった。しかし、セットプレーのときが拙かった。コーナーキックやフリーキックの場面で、キッカーばかりを追ったり、キッカーとゴール前の切り替えのタイミングが悪かったり。後半は見やすくなったのが救いだった。

こうやって振り返ると、やはりサッカーをはじめスポーツは、スタジアムに行って自分の目で見るものだなと思う。

そしてもうひとつ、一番気になったことがある。約2時間の決勝戦の実況のなかで、この試合をさばいた審判団の紹介がたった一度もなかったことだ。

試合開始直前、キックオフの笛を吹こうとする主審や、試合の途中でオフサイドをとった副審のアップの映像が流れたときは、おそらくカメラマンも、その映像を選択したディレクターも、主審や副審の紹介する機会を考えていたのではないか。しかし、アナウンサーはその映像を無視した。というか、その意図にまったく気づかなかったようだ。

そういえば、サッカジャーナリスト大住良之さんが、「最近のサッカー中継で審判が紹介されないことが多い」と嘆いていた。両チームの選手とともに、審判の紹介は、スポーツ中継において必ず行われるべきものであろう。実況中継する側としてはおおいに反省し、即改善すべき点ではないだろうか。


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