ヤマザキナビスコカップ・決勝
川崎フロンターレ 0対1 ガンバ大阪
2007/11/3 フジTV
スポーツマスコミ講座で、スポーツ中継に関する議論を聞いていたので、ナビスコカップの決勝戦は、どんな議論があったかを思い出しながらのテレビ観戦とした。
決勝のカードは、攻撃力を売りにしている川崎とG大阪の対戦。序盤から、両チームとも積極的に攻撃をしかけ、シュートまでもっていく、目を離せない展開となった。だから、いつの間にか、試合に引き込まれて、番組作りの視点でのテレビ視聴はどこかにいってしまったのだが、それでも気になった点をいくつかあげておきたい。
番組の実況は西岡孝洋アナ、解説は風間八宏さんだった。特徴のない実況と安定感のある解説のコンビはまぁまぁだった。しかし、風間さんの解説は聞きやすいと思うのだが、テレビの画面に映っていなかったプレーの解説は短くして欲しい。序盤の遠藤の動き出しをほめていたことなどだ。
1994年のW杯USA大会の決勝戦(イタリア対ブラジル、NHKが放送)の解説をしていた加茂周さんが、画面に映っていないイタリアの最終ラインのバレージのことばかりを話していたのを思い出した。テレビで見えないプレーについて話されても、視聴者はストレスがたまるばかりだ。
いつもなら気になる選手のアップやプレーの再生も多すぎず、試合展開は見やすかった。しかし、セットプレーのときが拙かった。コーナーキックやフリーキックの場面で、キッカーばかりを追ったり、キッカーとゴール前の切り替えのタイミングが悪かったり。後半は見やすくなったのが救いだった。
こうやって振り返ると、やはりサッカーをはじめスポーツは、スタジアムに行って自分の目で見るものだなと思う。
そしてもうひとつ、一番気になったことがある。約2時間の決勝戦の実況のなかで、この試合をさばいた審判団の紹介がたった一度もなかったことだ。
試合開始直前、キックオフの笛を吹こうとする主審や、試合の途中でオフサイドをとった副審のアップの映像が流れたときは、おそらくカメラマンも、その映像を選択したディレクターも、主審や副審の紹介する機会を考えていたのではないか。しかし、アナウンサーはその映像を無視した。というか、その意図にまったく気づかなかったようだ。
そういえば、サッカジャーナリスト大住良之さんが、「最近のサッカー中継で審判が紹介されないことが多い」と嘆いていた。両チームの選手とともに、審判の紹介は、スポーツ中継において必ず行われるべきものであろう。実況中継する側としてはおおいに反省し、即改善すべき点ではないだろうか。
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