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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



1月25日にJリーグの2007年シーズンの試合日程が発表された。ざっとながめて、観戦予定に思いをめぐらせた。

そのなかで、ぼくが注目しているのは、2つのFC、すなわちFC東京と横浜FCだ。

もちろん、昨シーズンの優勝を争いをした浦和とG大阪も気になる。阿部を加え、優勝監督を代えて、日本とアジアの制覇を狙う浦和。甲府からバレーをとり、得点力をアップさせたG大阪。この2チームが、J1リーグの軸になるのは間違いないだろう。

しかし、それ以上に2つのFCだ。

1年ぶりの原監督に率いられるFC東京には、福西とワンチョベが入った。浦和に対して挑発的な原監督の言葉を、2人の加入で現実のものとすることができるのか。昨シーズンの終盤からの流れに2人の力を上乗せすることができれば、おもしろい存在になるだろう。

そして、横浜FC。カズ、山口、小村ら98年組に奥と久保が加わった。はっきり言って、勝利を重ねていくことは難しいだろう。しかし、勝利とはちがう次元で、J1を盛り上げてくれるのではないかと思う。開幕戦の相手は、王者の浦和だ。埼玉スタジアムの浦和サポーターが、どんなふうに迎えるのかにも興味がある。3月3日は埼玉スタジアムに行くことにしている。

そして、翌週は、横浜ダービーが、なんと三ツ沢でおこなわれる。なぜ、日産スタジアムでないのか不思議でしょうがない。8年ぶりの横浜ダービーを、良き時代を思い起こしながら、三ツ沢でなつかしめということなのだろうか。

4月21日には、味スタで、ぼくが注目する2チームが当たる、FCダービーがある。FC東京と横浜FCが順調なスタートを切って、ピッチもスタンドも活気ある対戦になるといいのだが。

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大晦日におこなわれた“K1 PREMIUM2006 Dynamite!!”のメインイベント、秋山成勲対桜庭和志の試合が無効となった。試合直後に、桜庭が抗議していたように、秋山が体にクリームを塗っていたためである。体に何かを塗るのは違反行為となる。

秋山サイドには反則を犯しているという意識はなかったとされているが、秋山は失格、試合結果は無効、そして秋山のファイトマネーは全額剥奪となった。ボディチェックで、違反行為を見逃した審判団のギャラも半減されるという。

しかし、なんともお粗末な事件ではないか。生死をかけた総合格闘技において、「ルール」はもっともデリケートなものである。以前、ある格闘技イベントに関わったときのこと。そのときは、相手を牽制するという意味もあり、互いが譲らない部分があって、試合当日までルールの詳細を決め切れなかった。

それが、昨年末の“Dynamite!!”では、試合をする選手も、セコンドもルールを完全に把握しておらず、またレフェリーのチェックもずさんこのうえなかったわけである。

昨年2006年は、一昨年までフジテレビが放送していた“PRIDE 男祭り”が地上波放送から消えて、対抗馬がいなくなった。“Dynamite!!”が、地上波テレビ唯一の格闘技イベントとなったがために、大きな油断があったのではないか。すでに、このブログでも言及したように、マッチメイクにおいても、その兆候がうかがえる。

責任者であるイベントプロデューサーの谷川貞治氏が、のんびりとテレビ解説をしている場合ではなかったのではないか。格闘技ファンを裏切った“Dynamite!!”に次はあるのだろうか。



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全日本大学サッカー選手権・決勝
駒澤大学 6対1 早稲田大学
(2007/1/14 国立競技場)

なんとも退屈な試合だった。

退屈だった理由は、どちらのチームにも、こうやって攻めていこう、相手を崩そうという、攻撃面での意図が感じられなかったせいではなかったか。とくに勝った駒澤のほうに、サッカーという競技の本質と思われる、ボールを媒介としたコミュニケーションが感じられなかった。

駒澤は、前線から積極的に相手にプレッシャーをかけることで優位に試合を進めたが、中盤のつなぎは雑だし、最終ラインはボールを前線に蹴り返すばかり。もっと精度の高いサッカーを見せてもらえると期待していただけに残念だった。

6対1という結果から見れば、駒澤の完勝だが、未熟な早稲田の守備陣に助けられての大量得点でもあった。評価できるのは、隙を逃さず得点に結びつけた点だけか。

一方、どちらかというと早稲田の方が、ボールをつなごうという意識は高かった。しかし、いくつかのゴール前でのチャンスにシュートではなく、パスを選択していたのが悔やまれる。前日のラグビーに続いて、サッカー部も敗戦。この週末は、早稲田蹴球部の時間(とき)ではなかったようだ。

さて、この試合に出場した選手の中から、何人かがJリーガーになるようだが、相当がんばらなくては、出場機会を得ることさえ難しいのではないか。Jリーグに進む選手、そして大学サッカー全体の、今後の努力に期待したい。

なお、会場管理の効率化とテレビ映像の見栄えなどを考えてのことだろう。観客席はバックスタンドの中央(15番から25番入り口エリア)だけが開放され、そこに1万人強のサッカーファンが詰め込まれた。皮肉にも、暖かい冬の日差しがあたるバックスタンドは、寒い内容の試合を見るのはぴったりの場所だった。


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全国大学ラグビー選手権・決勝
早稲田大学 26対33 関東学院大学
(2007/1/13 国立競技場)

「スターは要らない。雑草に花が咲きました」。
関東学院大学、春口監督の優勝インタビューである。

3連覇を狙う早稲田には、SH矢富、SO曽我部、WTB首藤、FB五郎丸ら、鋭く大胆な動きで観客を沸かす、そして大舞台での実績のあるスター選手が顔をそろえる。それに対し、関東学院は、堅実な、どちらかというと地味な選手が多い。決勝戦の予想も、早稲田有利だったのではないか。

しかし、前半、風上に陣をとった関東学院は、長身を生かして、ラインアウトのボールをことごとく自分たちのものにして、3連続トライで早稲田を圧倒する。その後、早稲田が2トライを返したのを見て、後半、早稲田が爆発するかと思ったのだが……。

後半、風下になった関東学院は、まるで早稲田ラグビーのように、自陣からパスを回す作戦に出た。そして、それが功を奏して、後半も関東学院が先にトライを奪った。

その後も、関東学院は、CTB高山を中心に前へ、前へと進み、試合を関東学院のペースに引き込んでいった。戦前のゲームプランどおりに試合を進めた関東学院が、攻守に、フォワード戦でも、バックス戦でも、そして高さでも、すべての面で早稲田を上回った決勝戦だった。

後半の開始前に、早稲田、竹中監督は、「後半には、早稲田ラグビーの完成形をお見せする」と言っていたが、途中、主将の東条がケガで退くなどのアクシデントもあり、完成形どころか、その片鱗をわずかに披露したにとどまった。関東学院の前に、早稲田のスター選手たちの輝きは失われていった。

「次は、打倒、サントリーです」。
春口監督の優勝インタビューの最後の言葉だ。

関東学院の、早稲田に対するリベンジはなった。しかし、春口監督にしてみれば、昨年まで早稲田を率いていた現サントリー監督、清宮氏へのリベンジが残っている。

春口監督の気持ちをくんだ関東学院の選手たちは、日本選手権でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。

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高校サッカー選手権・決勝
盛岡商 2対1 作陽
(2007/1/8 国立競技場)

高校サッカー選手権の試合は、いつから、どういう理由で40分ハーフになったのだろうか。そして、なぜ、全国大会の決勝戦のみが45分ハーフなのだろうか。

高校生の体力的な問題よりも、大会運営やテレビ放送の影響が大きいことは容易に想像できる。理由はともかく、試合時間が10分間長いことが、高校サッカー選手権の決勝戦の勝負に大きく影響した。

2006年度の高校サッカー選手権は、フィジカルとスタミナで上回った盛岡商(岩手県)が、作陽(岡山県)に逆転勝ちし、初の日本一に輝いた。その盛岡商の逆転ゴールが決まった時間は通算85分だった。

作陽もテクニックとスピードを併せ持った好チームだった。しかし、後半、作陽が先制した後は、盛岡商がペースをつかむ。作陽の守備陣は、果敢に攻め込む盛岡商の左右のウィングプレーヤーを捕まえきれなくなった。盛岡商の同点そして、決勝ゴールは、作陽の右サイドを完全に崩した、作陽にとっては防ぎようのないものだった。

高校日本一になるためには、高校サッカー選手権の枠を超えた90分間を走りきる力をチームの全員が備えていなければならないことを証明した盛岡商の勝利だった。

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全日本総合バスケットボール選手権大会・女子決勝
シャンソン化粧品 79対87 富士通
(2007/1/7 NHK教育)

準決勝のトヨタ戦では、なかなかシュートが決まらず、アシスト役に徹していた矢野良子とトヨタ戦でもいいつなぎ役を果たした6番目のプレーヤー今美春の2人の活躍で、富士通が大会2連覇を果たした。

第1Qは、シャンソンの厳しい守りにてこずっていた富士通だったが、第2Qに13点差をつけられたところで、大黒柱の矢野良子が本領を発揮し始めた。立て続けに3点シュートを2本決め、シャンソンに追いすがる。エースガードの船引かおりがファウルトラブルでベンチに下がるも、交代出場した今美春がチームの窮地を救った。結局、富士通がブザービーターで逆転をして前半を終えた。

船引姉妹がファウルを重ねたが、矢野良子が攻守に目覚め、今美春が自信を持ってプレーする富士通に対して、あきらかにシャンソンの勢いがなくなった。

第3Qは、WJBL最年長33歳、シャンソンの相澤優子が孤軍奮闘するも、富士通は、ゴールに向かう今美春のプレー(シュートとアシスト)と矢野良子の3点シュートで、最大15点差をつける。そして、第4Q。シャンソンに追いすがるだけの体力は残っていなかった。

決勝では、攻守両面で矢野良子のプレーが際立っていた。6本の3点シュートと永田を押さえ込んだ守備である。しかし、決勝のMVPは今美春にあげたい。富士通は6人で試合を乗り切らなくてはならない、まだまだ層の薄いチームである。その6番目の若手選手として、あまりある結果と存在感をしめしていたからだ。

一方のシャンソンのプレーには、チーム全体に疲労を感じた。富士通と比べて年齢が高いわけではないが、連戦の疲れはシャンソンのほうが大きいように見えた。第4Qのフロントコートからのプレスディフェンスもどこか弱々しかったし、ファウルを重ねた船引姉妹をファウルアウトさせるような仕掛けもなかった。

ベテランが引っ張ろうとしたシャンソン化粧品と若手が支えた富士通。若手の勢いが富士通に勝利を呼び込んだ決勝戦だった。

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全日本総合バスケットボール選手権大会・女子準決勝
シャンソン化粧品 84対67 JOMO
富士通 96対76 トヨタ
(2007/1/6 代々木第一体育館)

天気予報どおりの冷たい雨が降っていたので、高校サッカー準決勝から屋根のあるバスケットボール観戦に予定を変更した。

第1試合はシャンソン化粧品対JOMO。前半は39対38と接戦だったが、シャンソンが、第3Qに永田、第4Qに三木、渡辺の活躍で、JOMOを突き放した。JOMOは大神が切れ味のいいシュートを何本も決めていたが、アウトサイドとインサイドの連携が拙く、192cmのセンター山田の高さを生かせなかった。

第2試合は、前年度優勝の富士通対トヨタ。今季、矢野優子がトヨタから富士通へ移籍したため、富士通のスタメン5人は、船引まゆみ&かおり、矢野優子&良子という2組の姉妹に三谷が加わる珍しい構成となった。

その矢野優子が古巣を相手に27得点8リバウンドと爆発。船引姉妹、三谷も好プレーを連発。富士通が終始リードし、危なげなくトヨタをくだした。トヨタも前半はしぶとくくらいついていたが、第3Q、交代出場した富士通の今に3連続シュートを決められたあたりから、ズルズルと引き離されてしまった。

決勝は、昨年度と同じカード。富士通が連続女王になるのか、シャンソンが昨年の雪辱を果たすのか。ともに、センターらしいセンターがいない、全員がフォワードといえるメンバー構成だ。決勝戦は、コート上で10人が激しく、めまぐるしく動きまわる展開になるだろう。勝負のカギを握るのは、富士通の今ような、交代出場する若い選手かもしれない。

さいごに。今の日本の女子バスケットボールの勢力図は、進行中のWJBLの経過からもわかるとおり、準決勝を戦った4チームに日本航空を加えた5チームが、いわば「どんぐりの背くらべ」の状態にある。それを反映するかのように、この日の2試合は、準決勝とはいえ、かつて10年以上続いたシャンソンとJOMOの2強時代にあった、ハイレベルな名勝負にはほど遠い内容だった。女子バスケットボール界全体の奮起に期待したい。

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第85回全国高校サッカー選手権


今日、1月3日に高校サッカーのベスト8が出揃った。ぼくが見たいと思っていた、初芝橋本、中京大中京、武南、野洲は姿を消してしまった。とくに、初芝橋本、中京大中京、武南は、PK戦で敗れただけによけいに残念だった。

PK戦といえば、ベスト8を決める8試合のうち5試合がPK戦決着だった。今大会は、PK戦が目立つと思って、過去の大会と比べてみたら、やはり多かった。

2003年正月におこなわれた2002年度第81回大会から見てみると、3回戦までの全40試合のうちPK戦にもつれたのは、81回大会から順に、6、4、8、7試合だったが、今おこなわれている第85回大会では15試合にもなる。PK戦率は37.5%だ。参加各校の力が接近してきているのだろうが、ちょっと多すぎないか。

また、今大会の特徴として得点の少なさがある。やはり81回大会から、3回戦までの1試合あたりの得点(両チームの合計)の変化を見ると、2.8点、3.3点、2.4点、3.2点から、2.2点と、過去5大会で最も少ない。

さらに、今大会は無得点試合が多い。3回戦までの40試合のうちの無得点試合を数えてみた。81回大会から3試合、0試合、2試合、1試合と、過去4年の大会ではほとんどの試合でゴールシーンを見ることができたが、今大会では10試合もの無得点の試合があった。

点数的に拮抗したスリリングな試合が増えていると言えそうだが、一方で、未熟ながらも得点シーンが多いという高校サッカーの魅力が失われつつあるとも考えられる。

この傾向をどう見たらいのだろうか?

高校生年代の選手のプレーには、日本代表や世界の名プレーヤーの影響が如実に表れるものだ。日本代表の決定力不足が影響(感染?)しているのだろうか。イタリアやフランスなどドイツW杯で上位となったチームが見せた巧みな守備力の影響なのか。後者であればいいのだが。

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サッカー天皇杯決勝
浦和レッズ 1対0 ガンバ大阪
(NHKテレビ)

サッカーという競技の奥深さ、難しさを知らされた元日決戦だった。

天皇杯決勝戦の90分間を支配したのはガンバ大阪だった。2トップの幡戸とマグノアウベスの変幻自在の動きに、トップ下の二川がからみ、さらにその後方から遠藤、明神が、左右から加地、家長が攻撃に加わる。ガンバ大阪の2006年シーズンの集大成といえるような、流れるような攻撃が、何度も浦和のゴールに迫った。

浦和の攻撃には連携が欠けていた。天皇杯の浦和は、2006年シーズンのチームとは別と言えるような、天皇杯になってからの新しいチームである。小野やポンテの高い個人技はあっても、連携という点では、ガンバ大阪に大きく見劣りがした。

しかし、勝ったのは浦和レッズだった。後半、残り5分。途中交代出場した長谷部と岡野がチャンスをつくり、それまで見せ場のなかった永井が決勝ゴールを決めた。

ガンバ大阪には不運な決勝点だったかもしれない。しかし、準々決勝の磐田戦、準決勝の鹿島戦にきわどく勝ってきた、天皇杯の浦和らしいしぶとさが呼び込んだ決勝点だった。浦和の精神力の強さと選手層の厚さの結晶だった。

ぎりぎりの戦いを勝ち抜いた浦和のサッカーには、ブッフバルト監督の3年間の集大成が表れていた。


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