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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



第1試合:シャンソン化粧品対日本航空
第2試合:JOMO対富士通
(2005/9/23 代々木第2体育館)

第7回女子バスケットボールリーグ(Wリーグ)の第3節。今シーズンは、上位チームにおけるビッグネームの引退、移籍の影響が注目される。

第1試合、シャンソン化粧品対日本航空。
昨年のWリーグの女王シャンソンは、6番目のプレーヤーとして堅実な働きをしていた渡辺温子がデンソーに移籍。また、2mセンターのハ・ウンジュはケガのため試合には出られない。一方、全日本女王の日本航空は、堀部と畑岸が引退。若手の台頭に期待が集まる。

試合は、シャンソンが第1クォーターに4本の3ポイントシュートを集中させて22対14とリードを奪い、その流れを保ったまま、第4クォーターまでを終え、67対54で危なげなく勝利をものにした。

そのシャンソンで、というよりも、この試合で、もっとも光っていたのは、もうすぐ32歳になるシャンソンのガード相澤優子だった。試合全体にピリッとしたところがなかったが、彼女の常にスティールを狙い、奪う姿勢がコートのなかで際立っていた。ベテランの隙のない、ひたむきなプレーがこの試合の救いだった。

日本航空は、開幕直前に負ったケガの回復が十分でないのか、エースガード薮内夏美にまったく精彩がなかった。その結果、コンビネーションが売りの、薮内がリードしてこその日本航空の攻めはボロボロ。信じられないほどターンオーバーを繰り返し、反撃の兆しさえみることができなかった。昨年の全日本選手権で優勝し、リーグも2位と躍進を続けてきた日本航空にとって、今季は試練のシーズンとなりそうだ。

第2試合はJOMO対富士通。
JOMOのエースであり、アテネ五輪代表だった矢野良子が富士通へ移籍したことは、シーズン前の最大の衝撃だった。理由は何か?26歳のエースを放出したことに納得できる理由を探せずに、どうしてもいろいろとかんぐりたくなってしまうのだが…。

その矢野の存在感が富士通を引っ張り、JOMOに95対66と大勝した。JOMO時代よりもインサイドでのプレーが多くなった矢野は、落ち着き払い、自信にあふれていた。第1クォーターの最初のプレーはJOMOの大神のドライブインシュートのブロックだった。そして、自らチームの初シュート決めた。富士通の攻撃では、矢野を経由するスムーズなパス回しが、なんと15本もの3ポイントシュートを生んだ。これまでは、JOMOやシャンソンと対戦する格下のチームは、名前負けしてしまっていることが多かった。しかし、矢野という自信を加えた富士通に、そんな気配はまったくなかった。

この日の2試合で光っていたのは、すでに実績を証明済みのベテランの2人だった。若手への期待は見事に裏切られた。しかし、シーズンは、まだ始まったばかり。やはり、Wリーグの活性化、そして北京五輪もみすえたときには、次代のスターの登場を願いたくなる。

今季のWリーグは、まさにどんぐりの背比べ状態にある。どのチームにも上位進出、そして優勝のチャンスがある。新しいスターを誕生させるチームが女王の座につくことだろう。半年後に微笑むのはどのチームか?


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