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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



アジアカップ予選
香港 0対4 日本
2009/11/18 NHK-BS1

アジアカップ予選としては十分な結果だが、来年の南アW杯を考えたなら不満が残る試合だった。南アフリカ遠征からの帰路の途中での試合は体力的にきついと思うが、それを差し引いてもだ。

前半の1点、後半の3点は、各ハーフの30分を過ぎたあたりの、序盤から果敢に攻め込みながらも分厚く守る香港の選手のスタミナがきれてからのものだった。

序盤は自分たちの力を温存し、相手が疲れてきたところで、攻勢をしかけ、点を取り、勝利する。そういう戦術で試合に臨んだのであればともかく、どうもそんな風には見えなかった。自分たちの事情も顧みず、普段と同じように戦い、普段と同じように決定力不足を感じさせる内容だった。

南アフリカW杯まであと7カ月。今から新たな救世主となるゴールゲッターが現われることはないだろう。他のポジションでも同じことが言える。ならば、ここからは監督=ヘッドコーチの力量が本大会の成績に直結することになる。岡田監督で大丈夫なのか???

と、そんなところに、ヨーロッパから吉報が届いた。ヨーロッパのプレーオフで、ロシアが敗退したという(ロシアのみなさん、ロシア・サッカーのファンのみなさん、スミマセン)。ということは、あのヒディンク監督が、W杯期間中、フリーになるということだ。

1998年フランス大会でオランダ、2002年の日韓大会で韓国を率い、2大会連続でベスト4進出。2006年ドイツ大会ではオーストラリアの監督として、グループリーグで日本を破り、決勝トーナメントでは優勝したイタリアを窮地に追い込んだ。今回のヨーロッパ・プレーオフでの不覚は意外だが、その手腕はまだまだ衰えてはいないはずだ。

岡田監督が、日本のサッカー界を盛り上げるためにぶち上げた「南アフリカW杯ベスト4」という目標へのルートが、今、見つかった。一刻も早く、ヒディンクを日本代表の監督にすべし。



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国際親善試合
南アフリカ 0対0 日本
2009/11/14 テレビ東京

11月開催のキリンチャレンジサッカーは、アディダス社による日本代表の新しいユニフォームのお披露目試合でもある。来年のW杯で着ることになる新ユニフォームは、東京・国立競技場の隣にある絵画館前で発表された後、南アフリカでのデビューとなった。

対戦相手の南アフリカもアディダス社がサプライしているだけあって、スタジアムのバックスタンドには大きな新ユニフォームのレプリカが飾られた。国立競技場ならば大型スクリーンの下に掲げられテレビには映りにくいが、この試合ではバッチリ映っていた。さらに、両チームの先導としてあるはずの国旗がなく、日本と南アフリカのユニフォームのレプリカが入場。両国国家は、このレプリカユニフォームに向かってのセレモニーとなった。日本国内で、キリンチャンレンジサッカーとして行われたならば考えられないのではないか。テレビ中継が、テレビ東京の録画中継(関東地方の地上波)だったことを割り引いても、日本のアディダス社としては十分なPR効果があった。

試合の方は、日本、南アフリカとも、90分の間、ほとんど決定機を作ることができない退屈な試合だった。W杯に出場するといっても、グループリーグ突破が現実的な目標となるレベルのチーム同士が真剣に向き合うと、守備力が勝ちすぎて、膠着した内容になってしまう。この膠着状態をブレイクスルーできる何かがあると、岡田監督が掲げるベスト4という目標もあながち「夢」ではなくなると思うのだが……。

日本の先発として、期待していた本田、大久保は見せ場なし。本大会へ向けても期待薄という感じである。できれば、日本での試合で活躍した森本が、本物かどうかを見てみたかった。チームとしては、ボールを奪った後の動き出しを早くし、確実にシュートまでつなげることができるようにならないと、すなわちカウンター攻撃に磨きをかけて少ないチャンスをものにできるようにならないと、格上との戦いが待っている本大会で勝ち上がることは難しいだろう。



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WJBL JOMO対富士通
2009/11/13 代々木第2体育館

開幕時には、富士通に連敗したJOMOが雪辱を果たした。終わってみれば、全4クォーターともJOMOがリードしていた完全勝利だった。

JOMOは、大神、吉田、そして新キャプテンの田中が、いつものように安定した、攻撃的なプレーを見せた。諏訪、林、新人の間宮らセンター陣も大神、吉田らとのコンビネーションよく得点を重ねた。そこに、途中交代出場の内海が好プレーでつなぐ。

85点を取った攻撃以上によかったのが守備だった。高い位置からのプレッシャーとポストプレーヤーの裏のカバーリングは、まさに基本通り。マンツーマン・ディフェンスのお手本のようだった。

一方の富士通は、昨年までのエース・矢野良子が抜けた穴が大きい。2年前の全日本選手権で優勝した時に、6番目のプレーヤーとして大活躍した名木がキャプテンとして頑張っているが、矢野の存在感とは比べ物にならない。外角の攻撃力が低下したために、相手はゴール下の守備に集中できる。

富士通は、岡里新監督のもと、プレイオフを見据えてのチーム作りの途中と見るが、どんなチームを目指しているのだろうか。しばらくは、暗中模索状態か……。



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AFCチャンピオンズリーグ
決勝 アルイテハド 1対2 浦項
2009/11/7 東京・国立競技場

試合開始直後から、両チームが積極的に相手ゴールに迫る魅力ある試合となった。

前半の15分あたりから、持ち味の運動量とハードワークを発揮した浦項が優勢になったように見えた。特に中盤での早いアプローチとボールを奪取してからのカウンターで、アルイテハドのサッカーを守備的なものにしていった。なかなか決定機までにはいたらなかったが、その繰り返しが、後半のフリーキック、そして得点へとつながることになった。

浦項のサッカーでは、前線からの守備が目立った。相手ボールになったときに、前線の選手が長い距離を走り、追いかけ、待ち構える守備の選手と連携し、囲い込み、ボールを奪う。アルイテハドの選手が、バイタルエリア付近で、浦項の守備陣に囲まれるシーンが何度もあった。この攻守におけるアグレッシブさを90分間続けることができたことが、浦項の勝因である。

過去2004年、2005年と連覇し、世界クラブ選手権でも好印象を残したアルイテハドだったが、この試合では、受けに回ってしまったかのように見えた。後半の立ち上がりに攻撃モードが高まったが、浦項に先制を許すと、再び、その勢いもしぼんでしまったのが、残念だった。

この試合を見ていて、ナビスコカップの決勝、FC東京対川崎を思い出した。浦項とFC東京の中盤からの早いアプローチ守備と、攻撃力を発揮しきれなかったアルイテハドと川崎が、それぞれ重なって見えた。結果論かもしれないが、運動量と気迫で勝ったチームが勝利をおさめたのだから納得である。

今年から大会方式が新しくなり、ACLの決勝は、東京で1発勝負となった。残念ながら、日本のチームの決勝進出はならなず、サウジアラビアと韓国の対戦となった。それでも、25000人以上のファンが集まり、好試合を楽しんでいた。決勝戦を東京にしたことを含めて、新しくなったACLは、まずは成功といえるだろう。


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ナビスコカップ決勝
川崎F 0対2 FC東京
2009/11/3 東京・国立競技場

ケガ人を抱えベストメンバーが組めないFC東京に対して、得点力も高く、万全で臨める川崎のほうが優勢ではないか予想していた。

前半、FC東京が、米本のミドルシュートで先制したときでさえも、これで、ますます試合は面白くなると思った。もちろん、川崎の攻撃魂に火がついて、互いに攻めのモードが一段と高まると考えたからだ。

しかし、先制すると、FC東京のMoving Footballは、さらに小気味よくなり、対する川崎の攻撃のリズムは乱れていった。

FC東京は、川崎の攻撃の起点となる中村憲剛に特別なマークをつけるのではなく、その受け手となるチョン・テセ、ジュニーニョらを最終ラインがしっかりと守っていた。そのため川崎の前線同士のコンビもままならず、ボールを持ちすぎて、FC東京の守備網にひっかかる場面が繰り返された。

FC東京のパスワークに翻弄された面もあるかもしれないが、冷静になって自分たちの攻撃のパターンを思い出し、試合の中でチームを立て直す。この試合では、ゴールに直結するキラーパスを出すことよりも、キャプテン中村憲剛にとって重要な役割だった。

残念ながら、その役割は果たせずに決勝戦は終わった。



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