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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



失敗に終わった2016年東京オリンピック招致。今さらながらの5月24日、東京都議会特別委員会は、JOC(日本オリンピック委員会)、招致委員会、電通の3者を参考人として招いて、招致活動の妥当性について検証した。

特に注目されたのは、IOC総会でのプレゼンテーション用の映像の制作にかかった費用である。約10分の映像の制作費が約5億円。海外7カ国でロケを含む40日間かけて撮影したものを10分間にまとめたという。さらに、石原都知事の指示により何度か作り直しもあった。

「制作費は品質によって大きく異なり、長さで論じられない。IOC委員や海外メディアからも高く評価された」」というのが制作した電通の言い分である。

しかし「映像の長さ」がすべてではないが、ひとつの基準にはなることは間違いない。

昨年から今年にかけて大ヒットした、3D映画「アバター」。映画史上最高の制作費は、約240億円と言われている。上映時間は約160分。1分あたりの制作費は1億5000万円である。

一方、東京招致のPR映像は、1分あたりの制作費が約5000万円になる。あの「アバター」の3分の1の制作費が高いのか、安いのか。やはり、中身を見てみたくなる。

今から東京招致のPR映像を公開することはできないのだろうか。制作者の言うように、ぼくらも内容を見てから、制作費が妥当だったのかどうか考えてみたいものだ。



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日本 0対2 韓国
2020/5/24 埼玉スタジアム2002

南アフリカW杯への壮行試合で、日本代表が韓国代表に完敗した。

先日、セルビアの準代表チームに完敗した日本が、短期間で立ち直るわけがないとは思っていたが、これほど出来の悪い日本代表のパフォーマンスを見ることになろうとは想像していなかった。

さらに言えば、パフォーマンス以前の問題のようにも感じた。つまり、「やる気」があったのか。前線からのプレス守備には、スピードがなく、覇気がまったく感じられない。当然、チームとしての連動は見られない。攻撃では、ボールを持たない選手の動きは少なく、ボールを持った選手は韓国の激しいプレスにあわてふためきミスパスを繰り返す。日本の選手はテクニックはあっても、敵と相対したときにテクニックを活かすだけのスキルがない。

はたして、日本代表は、この壮行試合をW杯前の最後の顔見世興行程度にしか考えていなかったのではないか。主将のパク・チソンに引っ張られた韓国代表が、本来の韓国らしい激しさむきだしに、日本代表にぶつかってきたのとは、対照的だった。

試合後、0対2の敗戦に呆然とする日本代表の表情は、あまりに情けなかった。試合中のパフォーマンスに、試合後の表情に、サッカー日本代表の誇りのかけらもみられなかった。

この試合の日本代表は、対戦相手の韓国、雨の中スタジアムに駆けつけた5万7千余りのファン、高額な金をつぎこんでいるスポンサー、すべてに対して失礼だった。


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UEFAチャンピオンズリーグの決勝を見損ねた。今年は、たぶんW杯の影響で、土曜日に開催。翌日は日曜日だから、安心して夜更かしできたはずなのに、残念だった。決勝戦の生中継を見損なったのは、おそらく10年ぶりぐらいだろうか。モウリーニョが指揮するインテルが勝ったらしい。先の話になるが、アブダビでのクラブ・ワールドカップは、昨年ほどには盛り上がらないだろう。でも、また行ってみたい。

で、決勝戦を見損なった理由のもうひとつは、映画「沈まぬ太陽」をレンタルし、見てしまったからだ。途中、休憩ありの約4時間。もちろん、映画館ではないので、休憩はないが……。

期待していただけに、内容にはがっかりだった。山崎豊子さんの原作では、主人公の正義感や精神力が感動的に描かれていたが、映画では主人公を引き立たせるために、会社やライバルの悪事ばかりが印象に残り、非常に後味が悪かった。映画が封切られるときに、モデルとなった日本航空が映画会社に対して大クレームをしたのも理解できる。

こんな映画を見ていながら、UEFA CL決勝戦を見逃しただけに、すっきりしない休日を過ごすことになった。



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南アフリカW杯に臨むサッカー日本代表が決まった。日本代表23人の顔ぶれを見ると、第3GKとして川口能活が選出されたこと以外に驚きはなかった。

川口にしても、発表を知ったときには、本番では出場する機会がほとんどない第3GKということを考えれば納得できるような気もしたのだが……。

岡田監督は、選出時から川口を第3GKと決めつけ、GKとしてよりもチームリーダーとしての役割を期待しているとコメントした。3番目のGKが試合に出場するケースは稀だが、万が一の怪我などに備えて必要な存在ではある。しかし、これほど役割を明言した例は過去にはなかったのではないか。

代表発表の1週間ほど前、5月2日から5日まで4夜連続で、「証言ドキュメント・日本サッカーの50年」という番組が放送された。そのなかで、川口自身がフランス大会を振り返って、当時の第3GK小島の存在やほかのベテラン選手たちの受容性をリスペクトする証言をしていた。もしかしたら、岡田監督は、このテレビ番組を見て、川口の選出がひらめいたのかもしれない。

川口選出の理由を知って、イングランド代表のデビッド・ベッカムが思い浮かんだ。当然、南アフリカに出場する代表になると思われていたベッカムは、アキレス腱断裂のためにプレーができなくなった。しかし、イングランド代表監督のカペッロは、そんなベッカムを代表に帯同させる方針だという。ベッカムの役割はベテラン選手としてチームをまとめることにある。

日本代表の23人の戦士の一人として、川口能活は妥当なのだろうか。


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すでに書いたように、南アフリカ・ワールドカップの観戦旅行を企画し、販売できる権利をもつ旅行代理店は、日本では、JTB、西鉄旅行、日本旅行、近畿日本ツーリストの4社である。このうち、JTB、西鉄旅行、日本旅行はJFAと契約したJFA公式旅行代理店であり、近ツリはFIFAと契約し、主に企業向けの高額なパッケージ商品を販売できる権利を持つ。

これらの公式旅行代理店は、FIFAやJFAから観戦チケットを購入し、「2010ワールドカップ南アフリカ大会」という名前やロゴを使って観戦ツアーを組める権利を買っている。日本の旅行会社では、この4社以外は、例えば「南アフリカ・ワールドカップ観戦ツアー」という名前でツアーを販売、つまり商売をしてはいけない。

しかしながら、実際には、公式旅行代理店ではない会社が「南アフリカ……」といったツアー商品を販売しているケースは多い。公式旅行代理店といった仕組み・制度があることを知らない場合もあるだろう。また、知っていながら、どうせ訴えられるようなことはないだろうと考えている場合もある。後者は、いわゆる確信犯で、悪質極まりない。

今回のトラブルのもとになったToer Afrikaも、WEBサイトで「2010年南アフリカサッカーワールドカップ」「日本応援 ダーバンキャンプ」といった商品名で観戦旅行客を募集していた。公式旅行代理店の権利を侵しているケースである。公式旅行代理店制度を知ってか、知らずかはわからない。しかし、いずれにしても、こういった権利を侵していることに対して、権利を売っているFIFAやJFAは、もっと取締りを強化すべきではないか。たとえ確信犯ではなかったとしても、そういう権利があることを周知し、権利を買った公式旅行代理店を守ることは、権利を売る側の責任である。

Toer Afrikaは、個人客の金を持ち逃げした以外にも、FIFAやJFAのマーケティングの権利を侵害していた。JFAが適切な対応をし、Toer Afrikaの活動に制限をかけていたなら、一般客への影響も、結果的に軽減できたのではないか。


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昨年12月、南アフリカ大会の組み分けが決まった直後、日本サッカー協会(JFA)は、FIFAから出場国に配分された観戦チケットの販売をおこなった。グループリーグからノックアウトステージまでのチケットのみの販売で、フランス大会以来行われているものだ。観戦チケットのみの販売なので、交通手段や宿泊は、個人で手配しなければならない。フランスやドイツだったら問題はないが、今回は南アフリカである。

その観戦チケット販売直前に、日本サッカーミュージアムで南アフリカ大会を楽しく観戦するためのトークイベントが行われた。サッカーライターの大住良之さん、杉山茂樹さん、原田公樹さんらが中心になった、現地情報などを交えた楽しいイベントだった。

そこには、小倉純二さん(FIFA理事、JFA副会長)やJTB、西鉄旅行の方もゲストとして招かれていた。彼らは、やはり、南アフリカの危険性や不便さなどを理由に、観戦するならば観戦ツアーを、と訴えていた。旅行代理店の立場ならば当然だが……。

会場には、すでにFIFAの公式サイトを通じて観戦チケットを購入済みのファンが多くいたのだが、観戦チケットのみを持っているファンを対象とした航空券、ホテル、現地の交通をパッケージにしたツアー商品は販売しないことも、旅行会社は明言していた。

すでに、開催が決まったときから南アフリカの危険性については散々言われ続けていたし、ホテルなどもたやすく確保できないことも容易に想像できた。そのうえで、個人で観戦チケットを買ってしまったのだから、あとは個人でがんばるしかない、というのは理解できる。

しかし、既述のように、こんなイベントの後、JFAは観戦チケットのみを売り出すのである。どこか矛盾していないか。

この観戦チケットのみの販売時に、JFAの公式旅行代理店3社(JTB、西鉄旅行、日本旅行)が観戦チケットを含む観戦ツアーを売り出すことも発表していたが、観戦チケットを購入したファンを対象とするツアーパッケージの販売告知はなかった。しかし、その後、西鉄旅行と日本旅行は観戦チケット保有者向けのツアーも販売している。

南アフリカの難しい事情もわかるが、こういった情報をもっと早く発信していれば、今回のToer Afrikaのようなトラブルを減らすことはできたのではないか。



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ワールドカップ・南アフリカ大会が近づくなか、ワールドカップにつきものとなった観戦希望客と旅行会社とのトラブルがまた起こっているようだ。

報道によると、WEBサイト上で営業していたToer Afrikaという南アを専門とする旅行会社が、ワールドカップの観戦チケット購入者を対象に、交通・宿泊を手配するとして金を集めたまま連絡がとれなくなってしまった。被害者約20人、被害総額約1000万円。おそらく、まだ気づいていない潜在被害者も多いのではないか。

サッカー日本代表が初めてワールドカップ決勝大会に出場したフランス大会では多くの日本人サポーターがチケットトラブルに巻き込まれ、ワールドカップは観戦するファンにとっても厳しい世界だということを思い知らされた。ぼくが知るところでは、ぼくが初めて観戦した1990年のイタリア大会でも、日本人ツアー客と旅行代理店(もちろん日本の大手)との間で、観戦チケットのカテゴリーを巡ってトラブルが起きていた。

醒めたもの言いになるが、結局、ワールドカップやオリンピックなどの世界的なビッグイベントの場合、需要と供給が極端にアンバランスなうえに、あらゆる利権がからんでくるので、うまく収集がつくわけがないのである。こういう意味では、前回2006年のドイツ・ワールドカップは非常にうまくいった数少ない例と言えるだろう。

ドイツ大会でトラブルが少なかった要因は……。日々進化していたインターネット技術に加え、1998年フランス大会や2002年日韓大会でのチケットトラブルの教訓を活かすことで、スムーズな配券を実現した。ヨーロッパの中心に位置する立地や交通網が整備されていることから、遠い日本からでも旅行会社に頼らずに観戦することが可能だった。大規模なファンフェスタを展開することで、スタジアムに入れなかったダフ屋頼みの観戦客をうまく収容できた。さらに、サッカー大国ドイツらしい、運営、雰囲気作り、一般市民のメンタリティがベースにあったことは言うまでもない。

しかし、2010年の舞台は南アフリカである。何も起こらないわけがなかった。その手始めが、今回のToer Afrikaのトラブルか。ただし、このToer Afrikaに関しては、JFA(日本サッカー協会)にも責められるべき点があるのではと、ぼくは思っている。



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