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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



「石川遼が、今季の賞金とバーディ×10万円を義援金として震災の被災者に贈る」という記事を見た。すごいことだと思ったものの、このやりかたがいいのだろうかと疑問をもった。

自分で獲得したお金を義援金として被災地に贈ることはすばらしいことだと思う。誰にでもできることではない。しかし、これから獲得しようとするお金を贈ることを公表してしまったことには問題があると思う。

賞金を少しでも多く稼ごうと、しのぎをけずるのがプロゴルファーの世界である。そして、ゴルフはスコアとの勝負と言いながらも、ときとして、対戦相手との心理戦になることも多い。そんなケースで、賞金をすべて義援金として被災者に寄付することを宣言している石川と対戦する相手は何を思うのだろうか。石川に勝って優勝したときに、優勝賞金を勝ち取った喜びに浸れるだろうか。

テレビで見ているぼくらも、なんらかのバイアスをかけて見ることになるだろう。テレビの実況だって同じようなものだ。結果、石川が優勝争いをする大会を、純粋に楽しむことはできそうにない。

石川の義援活動を否定するものではない。ただ、なぜ、トーナメントが終わってから、「すべての賞金とバーディ数×10万円を寄付することにしました」と、しなかったのだろうか。今回の震災からの復興には長い時間がかかるはずだ。今、あのような宣言をする必要はなかったはずだ。

前夜、サッカーのチャリティーマッチで、お金には替えがたい、プライスレスな、カズのパフォーマンスに感動したばかりだっただけに、若者のあせりが残念でならなかった。




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