全日本総合バスケットボール選手権大会
準々決勝:富士通 77対76 日本航空
2009/1/4 代々木第一体育館
中断しているWリーグの2008年12月14日時点の成績で、3位の富士通(13勝9敗)と5位の日本航空(10勝12敗)の対戦は、準々決勝4試合のなかでは、もっとも力が接近している試合だった。
しかし、第1ピリオドで、矢野、船引(ま)、中畑がコンスタントに得点を重ね、富士通が23対8と大きくリードしてしまう。日本航空はスピードにのった攻めを仕掛けるも、気負いすぎてシュートがまったく決まらない。大会4連覇を狙う富士通の楽勝かと思ったが、日本航空のスピードが第2ピリオドから効果を発揮し始めた。
第2ピリオドから、日本航空はディフェンスをゾーンに切り替え、オフェンスではポスト使ったスクリーンプレーを執拗に繰り返す。すると、矢代、岩村、山田、高橋らのシュートが決まりだし、第3ピリオド終了時には、61対60と逆転してしまった。
3年前に、薮内(夏)を中心にしたチームで優勝を経験している日本航空だが、残っている選手で、この試合に出場していたのは岩村と矢代のみ。しかし、当時のヘッドコーチで、今は技術顧問になっているイム・ヨンボ氏が目指すバスケットボールは、しっかり根付いていた。
個々の選手の能力が必ずしも高くない日本航空が勝ち上がるためには、徹底的にコンビネーションを高めていく。それが、ゾーンディフェンスであり、オフェンスで執拗に繰り返されたスクリーンプレーだった。
第4ピリオド残り5分で、70対66と日本航空がリード。流れは、明らかに日本航空にあった。しかし、その流れを、富士通のキャプテン、三谷が断ち切った。終盤、3点シュートを2本連続決め、その間にオフェンスリバウンドを奪い、最後は蒲谷の3点シュートを誘発した。
最後は富士通に女王の貫録をみせつけられた日本航空だったが、この試合の経験は、今後に大きなプラスになることだろう。今は、富士通のアシスタントコーチを務めている薮内(夏)は、後輩たちの健闘をどう見ていたのだろうか。
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