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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



<カタールW杯雑感+ 2022/12/31>
カタールW杯観戦旅行の振り返り(3)
③ アラブの人たちを少し知ることができた大会(つづき)
・異常に低いクーラーの設定温度に驚いた。冷房設備付きのスタジアムがかなり冷えると聞いていた。しかし、スタジアム以外も冷えていた。最初は、到着した空港から市内中心部に向かうシャトルバス。乗った瞬間に「寒い」と身震いするほど。ファン・ヴィレッジの部屋も冷え切っていた。チェックインした時のクーラーの設定温度は15度。4日目に移動したホテルでは12度の設定になっていて、部屋に入る前から動きっぱなし。こうなると、スタジアムの冷え込みは、まだましなほうだった。宿のクーラーは、寝るときには28度に設定して、事なきを得たが、デフォルトのままだったら、風邪をひいていたにちがいない。地元の人は、自宅でも、こんなに冷房を効かしているのだろうか。
・歩かないけど、歩かせる。特に、日中、地元の人はあまり外に出ない。日陰に座り込んでいる光景があちこちにあった。初日、ファン・ヴィレッジの最寄り駅から歩こうとして警察官に道を尋ねると、1㎞弱の距離なのに、タクシーで行けと言う。確かに、周辺を歩いている人は、海外からの観戦客だけ。強い日差しの下を歩くのは命にかかわるからだろうか。そのくせ、スタジアム、ファン・ゾーン、メトロ駅では、観戦客を歩かせる、歩かせる。今大会の流行語大賞「メトロ!ジス・ウェイ!!」は、一方通行を指示するためのもの。混雑・渋滞緩和のために長距離を歩かせるのは、どの大会でもやっていることだが、一方通行の順路をつくるために用意されたフェンスの数は、過去最高だったのではないだろうか。最もコンパクトな大会は、最も観客を歩かせる大会だった。



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<カタールW杯雑感+ 2022/12/30>
カタールW杯観戦旅行の振り返り(2)
決勝の激戦から10日ほどしかたっていないが、カタールW杯ははるか昔の出来事のよう。今年のうちに、自分のためにカタールで感じたことを書き留めておきたい。

① アジアが目立った大会
今大会、ぼくの回りには、アジアからの観戦者が多かった。ファン・ヴィレッジに行く途中で一緒になったマレーシア人の二人連れ、メトロで話しかけてきたインド人、韓国戦で熱狂していた大勢の韓国人(あたりまえか)、日本対クロアチア戦の隣はパキスタン人の若者だった。日本戦のチケットがとれないと悪戦苦闘していた台湾人女性もいた。もちろん中国人も多かったが、当時のゼロコロナ対策の中、どうやって乗り込んだのだろうか。しかしながら、カタールでの開催は、アラブ圏、中東では初めてだが、2002年の日韓大会以来、アジアとしては2度目のW杯だ。アジアからの観戦者が多いのも当然かもしれない。
それに、今のFIFA、そして今大会を支えているのはアジアの企業だ。FIFAパートナーとして、韓国の現代自動車グループ、中国の大連万達グループ、カタールのカタール航空、カタールエナジー。大会を支えるFIFAワールドカップスポンサーとして、インドのByju’s、シンガポールのCrypto.com、中国のHisense、蒙牛乳業、VIVO。日本の企業名がないのは寂しいが、アジアの企業の躍進が目立つ。
そして、試合でもアジア勢はがんばった。サウジアラビアがアルゼンチンに勝ってアジア勢に勇気を与え、日本、韓国、豪州の3か国がR16に進出した。

② 日本のサポーターが多かった大会
スタジアムはもちろん、ドーハの街中でも日本のユニフォームをたくさん見かけた大会だった。それも、日本人以外の日本ユニフォーム姿を。アジア各国のファンに加え、欧州からの観戦者の中にも、日本のユニフォームがいた。日本人観戦者(サポーター)がどれほどカタールに行ったのかは不明だが、外国人を含めた日本のサポーターは、過去の大会よりも多かったのではないか。外国人サポーターが増えたのは、Jリーグの試合がアジアで中継されていること、日本人選手が欧州各国のリーグで活躍していること、そして何よりも日本チームの活躍が大きな要因だろう。しかし、同じくらい、熱心なサポーターの活動が効いていたのではないか。2002年日韓、2006年ドイツ大会でW杯に目覚め、スタジアムで日本のサポーターを増やそうと頑張っている者がいる。「日の丸ハチマキ」をスタジアムで配ったり、奇抜なコスプレでアピールしたり、試合後にごみ拾いをしたり。自分たちも楽しみながら、周りも巻き込んでいく新しいW杯体験が世界に受け入れられているようだ。

③ アラブの人たちを少し知ることができた大会
今回、ドーハに9日間滞在し、そこで気づいたこと、気になったことを列挙してみる。
・街中に野良猫と鳩のような鳥が多い。しかし、犬とカラスは見かけない。
・自転車を見かけない。やはり、日中は暑いのと、長いワンピースのような民族衣装では自転車に乗りにくいのだろう。
・親切な人が多い。特に、メトロ(地下鉄)では、年配の人や荷物をもった女性が乗り込んでくると、すぐに誰かが席を譲る。
・横断歩道で道を渡ろうとしても、車は止まってくれない。前回のロシアでは、特にモスクワ以外の地方都市では、ほとんどが止まってくれたのとは大違いだった。親切な人が多いのに、なぜ止まってくれないのだろう。
・酔っぱらいがいない。欧州のスタジアムだと、試合前に酔っぱらって寝てしまっているようなファンがいるものだが、今大会では、スタジアムでも、街中でも酔っぱらいはいない。なんとも不思議で、どこか安心だった。
・カレーは右手で、手づかみで。初めに、皿にもられたライスを右手でほぐし、カレーをかけ、右手だけで小さなやわらかおにぎりを作り、口に運ぶ。次に挑戦してみよう。

今回は、ここまで。
思い出したら、続きを書きます。


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<カタールW杯雑感 2022/12/19-2>
くどいが、何度でも書く。W杯決勝戦後の表彰セレモニーは優勝チームだけでいい。どうしてもというのなら、審判団までは許す。しかし、当の本人たちは敗者という思いでいる準優勝チームの表彰はいらない。試合後、30分以上も待たされて、優勝チームの引き立て役としてステージに上がり、ふてくされた表情を写真に残される。残酷な時間である。前日、3位決定戦に勝ったクロアチアの歓喜を観ていたので、余計に複雑な思いだった。


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<カタールW杯雑感 2022/12/19>
誰ひとりとして想像できなかった試合展開で、フランスサポーターを除く世界中のサッカーファンが納得する結果になった決勝戦だった。そして、開催国カタールも大満足だったはずだ。エムバペがハットトリック、メッシが2得点、ディ・マリアが1得点。エムバペとメッシはパリ・サンジェルマンに所属していて、ディ・マリアも昨季まで一緒だった。そのパリSGを強力にバックアップしているのが、カタールのオイル・マネーだからだ。
(写真は、カタール・オリンピック&スポーツミュージアム内のパリSGと提携している体験コーナー)



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<カタールW杯雑感+ 2022/12/18>
決勝ほどの重みがない3位決定戦らしく、クロアチアもモロッコも序盤から互いに攻め合い、前半で2対1とクロアチアがリードした。後半も積極的な攻防が期待されたが、選手のコンディションは限界だったようだ。W杯に3位決定戦は必要なのか。これまでも何度も意見が交わされてきた。確かに、試合展開はオープンで、守備もやや控えめな傾向になるので、観ていて面白い。昔は、主力選手が出場しない消化試合だったが、最近は真剣勝負になっている。フジテレビの解説の中村俊輔が「とても面白い試合だった。これで3位決定戦の価値も認められるでしょう」という趣旨の発言をしていたが、それでよいのか。試合は面白いかもしれないが、3位、4位の順位を決める意味はあるのだろうか。満身創痍で戦い、敗れたモロッコの選手の表情を観ながら、そう考えた。




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<カタールW杯雑感+2022/12/15-2>
カタールW杯もいよいよ3位決定戦と決勝戦を残すのみ。ともに興味深い、楽しみな対戦だ。しかし、今回、3年ぶりに海外サッカー観戦に行ったせいで、早くも、「次に」行きたくなっている自分がいる。これまでのパターンだと「次」の候補はEURO2024ドイツ大会(2024年6月)なのだが、その予選で魅力的な試合スケジュールを発見してしまって、ビビっている。来年2023年3月の予選マッチデー1と2から気になった対戦を拾ってみた。
3月24日(金)イタリア対イングランド
3月25日(土)フランス対オランダ
3月26日(日)スペイン対ノルウェー
3月27日(月)イングランド対ウクライナ
3月28日(火)アイルランド対フランス
3月29日(水)スコットランド対スペイン
6日連続で、W杯のノックアウトステージ級の試合を観ることができる。カタールW杯で活躍した才能あふれる若い選手たちが、チームの中心となって躍動するのを観たい。なかでも一番は、カタールにいなかったノルウェー代表のハーランドだ。


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<スポーツ雑感+ 2022/12/15>
ここ最近、Facebookで、「footballista」の広告(写真)をよく見かけるようになった。そして、それを見るたびに、「サッカーマガジンならfootballista」に違和感を覚えている。「サッカー雑誌なら…」「サッカー読むなら…」とかなら理解できるのだが、あえて「サッカーマガジンなら…」としているのはなぜか。 ぼくにとっては、「サッカーマガジンならサッカーマガジン」だ。1966年に、ベースボールマガジン社がサッカー専門の商業雑誌として始めた。まさに、日本のサッカー雑誌の源流であり、サッカーマガジンがなければfoootballistaも生まれていなかっただろう。先人へのリスペクトのかけらもない。残念だ。




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<カタールW杯 雑感2022/12/15>
前半5分のフランス先制により、モロッコが攻め、フランスが受けに回るという想像外の展開を楽しめた準決勝だった。これまでオウンゴールの1失点だったことで、堅守が注目されたモロッコ。結果は、無得点に終わったが、攻撃面でも4強にふさわしい実力を証明した。早々にリードしたフランスは、モロッコにボールを保持されながらも、守備ブロックを固め、隙あらば攻撃に転じ追加点を狙う。ゆとりをもった芸術的な試合運びだった。



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<カタールW杯雑感+ 2022/12/14>
アルゼンチンがクロアチアに快勝し、2大会ぶりの決勝進出を決めた。カタールW杯が「メッシ祭り」になりつつある。グループステージ初戦のサウジアラビアに負けた後、メッシによる、メッシのための、メッシのアルゼンチンは驚異の復活を遂げ、進化している。
思い出すのは、ぼくが初めてW杯観戦に行った1990年イタリア大会だ。マラドーナのアルゼンチンは、GS初戦でカメルーンに負けたものの、ノックアウトステージで、ブラジル、ユーゴスラビア、イタリアを破り、決勝に進出。しかし、西ドイツに敗れた。敗因の一つとして、準決勝のイタリア戦で、マラドーナの相棒だったカニーヒアらがイエローカードをもらい、累積警告により決勝に出られなかったことがある。
今大会では、メッシ・アルゼンチンは、万全の態勢で、フランスかモロッコとの決勝戦を迎えることができる。カタールに乗り込んでいるサポーターの数でもアルゼンチンがダントツだ。メッシがマラドーナを超える準備は整っている。



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<カタールW杯雑感+ 2022/12/11>
準々決勝2日目、モロッコとフランスが勝ち上がった。
モロッコは、アフリカらしい身体能力に欧州トップクラブで培われたサッカーIQが加わり、アラブ圏での開催というホーム的な環境を味方につけての快進撃。90分間、攻守の規律を守り続けた冷静な試合運びが見事だった。ポルトガルは、サッカーにつきものの「大勝利の反動」に見舞われたようだ。
フランス対イングランドは、決勝戦にしたいほど密度の濃い、高尚な試合だった。内容的にはイングランドが上回っていたが、フランスには、グリーズマンを起点に少ないチャンスを活かした勝負強さと「幸運」があった。
これで、ベスト4は、クロアチア、アルゼンチン、モロッコ、フランスとなった。この顔ぶれをみて、「強いチームが勝つのではない。勝ったチームが強いのだ」という言葉を思い起こした。



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<カタールW杯雑感 2022/12/10-2>
カタールW杯観戦旅行の振り返り(1)。今大会の観戦旅行が、これまでのW杯体験ともっとも違ったのは、開催国内で都市間の長距離移動がなかったことだ。まるでオリンピックに来たようだった。9日間のドーハ滞在中、宿をかえはしたが、たかだか地下鉄で30分移動した程度だ。もちろん飛行機や特急列車での長距離移動はめんどくさいし、体力的にもきついのだが、ぼくにとっては、それもW杯だ。どこか物足りない観戦旅行だった。



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<カタールW杯雑感 2022/12/10>
帰国して体が休まるかと思ったが、甘かった。大会が一番盛り上がる準々決勝、準決勝のフェーズに突入したからだ。準々決勝1日目のクロアチア対ブラジル、オランダ対アルゼンチンは、予想をはるかに超えた試合展開となり、ともに延長、PKでの決着となった。今大会でW杯が最後になるだろうモドリッチ、メッシのプレーが圧巻だった。指揮者としてチームをリードし、チーム全体が一丸となって指揮者を盛り立てる。次は直接対決だ。


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<カタールW杯雑感+ 2022/12/9>
本日、昼過ぎにアブダビ経由でカタール・ドーハより無事に帰国。で、成田空港の税関にて。
係員「どちらからお帰りですか?」
ぼく「カタールからです」
係員「何の目的で?」
ぼく「ワールドカップです」
係員「えっ、ずいぶん遅いお帰りですね」
ぼく「???」
係員「もう、みんな、帰って来てますよ」
ぼく「ワールドカップはここからが本番なんですけど」
帰ってきてしまったぼくが言うのも説得力に欠けるが、多くの日本人にとって、カタール・ワールド杯は終わってしまっているんだと、帰国早々気づかされた。
なお、余談だが、アブダビからの飛行機では、13日に井上尚弥とボクシング世界タイトル戦をおこなうポール・バトラーのスタッフと「WBOチャンピオンベルト」と一緒だった(ポール・バトラー本人はすでに日本でトーレーニングをしている)。



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<カタールW杯雑感+ 2022/12/7-3>
ポルトガル対スイスを観たルセイル・スタジアムは、今大会の最大のスタジアムで決勝戦の会場でもある。公式ファンガイドでは収容人数8万人となっているが、グループステージのブラジル対セルビア戦で88,103人、アルゼンチン対サウジアラビア戦で88,012人を記録し、この日の入場者数も83,720と、キャパ超えの数字が発表された。
見た目にはわかりにくいが、スタンドは7層に分かれていて、ぼくの席はバックスタンドの7層の上方だった。スタジアムに入り、7層までひたすら階段を上る。みな、息をきらせながら、黙々と上る。りっぱな外観のわりにエスカレーターもないのか、とぼやきたくなる。そして7層に着いたのはいいが、上方の席なので、さらに1階分上るというおまけつきだった。
たどり着いた席からの視界は絶景だ。日本なら、埼玉スタジアム2002のアッパー最上段くらいの感じだろうか。たぶん、埼スタもゴール裏にスタンドを重ねれば、同じくらいの規模のスタジアムになるのではないか。
当然、ぐるりと屋根に覆われているので、8万人の大歓声がガンガン響きまわる。この日も、後半、ロナウド出場を催促するロナウド・コールが何度も響き渡った。
サッカーを十分に楽しんだ後は、帰りも大変だった。8万人のほとんどが、メトロの最寄り駅ルセイルQNBを使うからだ。スタジアムから駅まで混雑緩和のために迂回させられ、進んでは止まり、ぼくがメトロに乗れたのは、試合終了から1時間半後ぐらいだった。それでも、まだ後ろには大勢のファンが列に並んで残っていた。
ただ、こんなスタジアムでの苦労も、「W杯あるある」のひとつ。W杯観戦の旅を楽しむためには、「鷹揚さ」が必要なのだ。










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<カタールW杯雑感 2022/12/7>
現地観戦の最後はポルトガル対スイス。ロナウドを先発からはずしたポルトガルが6対1と圧勝した。ポルトガルは、消化試合だったグループステージの韓国戦とはうってかわって、伸び伸びと活き活きとしたパフォーマンス。そして、21歳のラモスがハットトリック、ベテラン39歳のペペもゴールを決めた。予想外の展開にスタジアム全体があきれるほどだ。終盤にロナウドが交代出場すると、すっかり「お花見試合」になってしまった。




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