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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



<スポーツ雑感 2018/1/18>
昨日2敗目を喫した横綱白鵬がケガで休場となった大相撲初場所5日目。残る横綱は、ここまで全勝の鶴竜と、すでに3敗の稀勢の里となった。夜のニュースで、「今日も番狂わせがありました」と始まったので、鶴竜が負けたのか、それとも稀勢の里が勝ったのか、と思った。それほどに今場所の稀勢の里の取り組みはひどい。結果は……。鶴竜が全勝を守り、稀勢の里は、昨日、白鵬に勝った嘉風に力負け。番狂わせは起こっていなかった。


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<スポーツ雑感 2015/12/31>
2015年は自分自身や自分の周辺に「老い」を感じることが多かった年だった。サッカーW杯や五輪の狭間で、もともと観戦行動が地味になる年だ。しかし、以前なら女子W杯やラグビーW杯に出かけていたはずだ。齢のせいか、億劫になることが多かった。そんな年の大晦日。格闘技を見れば、かつてのスターが大勢リングに上がっていた。そして、当時の片りんを披露していた。2016年に向けて、励まされているような気分になった。



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<スポーツ雑感 2015/4/29>
全日本柔道選手権(日本武道館)を観に行った。ぼくが「全日本柔道」詣でを始めたシドニー五輪の頃は、篠原信一や井上康生らが全盛期で、満員札止め状態だった。場内は柔道家ばかりで、かなり蒸し暑苦しかった。しかし、ここ数年は空席ばかりでさびしい限りだ。今年も観客は少なかったが、優勝候補が順当に勝ち上がって、熱戦を繰り広げ、とても面白かった。日本柔道でもっとも権威のある大会を、再び満員の熱気で包みたいものだ。



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<スポーツ雑感 2014/5/1>
全日本柔道連盟は、男子100キロ級の世界選手権への選手派遣見送りを決めた。「思わしくない結果、内容のときに(選手が)落ち込んでしまうよりも、今だからこその強化や他の国際大会の出場で、来年への新たな気持ちで出発する」ということだ。しかし、悪い結果や内容を恐れているのは、選手よりも全柔連の幹部や強化スタッフではないのか。お家芸の柔道ならではの重圧に、日本の柔道界全体が押しつぶされつつあるように思える。

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<スポーツ雑感 2014/4/29>
恒例の全日本柔道選手権大会(日本武道館)を見に行った。体重制限のない無差別級の尾崎です大会だが、年ごとに観客が減っていて、シドニーやアテネ五輪のころの熱気がうそのようだ。ただ、今年の大会は面白かった。小兵が50キロ以上重い相手を鮮やかに投げ倒したり、優勝候補が一瞬の隙をつかれて敗れたり、柔道のだいご味が随所にあった。決勝戦でも、順当に勝ち上がったロンドン五輪代表の上川に、東海大4年の王子谷が一本勝ちした。

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全日本柔道選手権大会
2011/4/29 日本武道館

もう、かれこれ10年は通い続けている4月29日の全日本柔道選手権大会。今年は、アテネ・オリンピック100kg超級の金メダリスト、鈴木桂治が4年ぶり2回目の王者に返り咲いた。鈴木が1本で優勝を決めた瞬間は、本人のガッツポーズは当然ながら、日本武道館に復活を祝う拍手がうずまいた。
この日の鈴木は、2回戦からの登場。初戦はやや鈍い動きで優勢勝ち。3回戦は見事な内股で1本を奪う。4回戦は旗判定ながら3対0。準決勝では、2回戦で前年王者の高橋を破った本郷光道を押さえ込み1本。決勝まで徐々に自分を高めていく、ベテランらしい戦いぶりだった。
決勝戦の相手は、2年前の王者、穴井隆将だった。穴井は、オリンピックこそ出場経験はないが、経験、実績ともに豊富で、まさに今をリードする柔道家である。
この日も、2回戦から出場し、危ない場面もありながらも、順調に決勝に駒を進めていた。しかし、決勝では、いいところなく鈴木の引き立て役に終わった。よほど、くやしかったのだろう。試合後の礼の後、鈴木が握手を求めて寄ろうとしたときには、すでに振り返りロッカーへと足を進めていた。
鈴木の復活は見事であり、すばらしいことである。しかし、次のスターが育っていないことも明らかになった。期待していた高橋和彦、穴井隆将、高木海帆、立山広喜らは、そこそこの結果は残したが、強さという点では、その印象は希薄だった。
スター不在の日本柔道。井上康生や篠原信一らがしのぎをけずっていた10年前は、この大会、日本武道館が満員だったと記憶している。しかし、今年はかなり空席が目立っていた。若手の台頭は急務だ。
そんななか、新たなスター候補がいた。今年初出場した、九州地区代表の七戸龍である。昨年度の全日本学生の100kg超級の優勝者。この日は、2、3回戦を1本勝ちしたものの、準々決勝で鈴木に旗判定で敗れた。しかし、193cm、107kgという恵まれた体格、ハーフのような端正な顔だち、そして長い足を使った切れ味鋭い技。ぜひ注目していきたい。

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全日本柔道選手権大会
2009/4/29 日本武道館

現在、絶好調の穴井隆将(天理大教員)が、厳しい戦いを勝ちぬき初優勝を飾った。

1回戦で、アテネ五輪・銀メダルの泉浩(旭化成)と対戦。ポイントで先行される苦しい戦いのなか、残り30秒で同ポイントに追いつき、残り20秒で泉に与えられた警告で、逆転し、逃げきりを果たした。

2回戦は、後小路(福岡警察)を相手に鮮やかな大外刈で一本勝ち。3回戦は、片渕(JRA)を攻め続けて、判定で3対0の圧倒的な勝利。

圧巻は、4回戦(準々決勝)だった。対戦相手は、昨年準優勝、一昨年優勝で、北京五輪代表の鈴木桂治(国士舘大教員)。北京以来の試合だったが、鈴木は、3回戦では合わせ技一本をとるなど、調子をあげてきていた。

しかし、穴井は、その鈴木を開始27秒で、背負投でしとめた。まさに秒殺だった。穴井には、ぼくの前で観戦していた、鈴木桂治を携帯の待ち受け画面にしていた女性の悲鳴が聞こえただろうか。敗れた鈴木もあまりにあっさりとした敗北に、すっきりとした表情で控室に戻っていった。

準決勝でも、生田(総合警備保障)を、1分1秒で、内股すかしで一本勝ち。穴井の優勝は間違いないと思えたが……。

決勝の相手は、やはり初優勝をめざすベテランの棟田(警視庁)。棟田は、ここまでの試合でケガと疲労とで満身創痍の様子。決勝でも、たびたびうずくまったり、「待て」で再開するときに、立ち上がるのに時間がかかるなど、会場からブーイングを浴びるほど。しかし、その棟田が先にポイント奪うのだから、勝負はわからない。

先行された穴井はさらに攻め続け、途中、場外までもつれながら棟田を投げ飛ばしたときには、棟田が場外どころか、畳の舞台から落ち、場内看板に激突する場面もあった。

穴井の執念が実ったのは、残り1分を切ったところだった。ぼくの後ろには総合格闘技の秋山成勲がいて、「棟田! そのまま、そのまま!」と声をかけていた。しかし、そのままで終わることはなかった。穴井の攻勢に、棟田が指導を受け、同ポイントになった。最後は、攻め続けた穴井の印象が勝り、判定で3対0となった。

24歳の穴井は、すでに注目されていた逸材だったが、鈴木桂治や石井慧などの陰にかくれた存在でもあった。しかし、今回、五輪のメダリスト2人含む6人に対して、常に攻め続け、優勝を手にしたことは、まさに穴井の時代の到来ということだろうと思う。そして、それは、鈴木、棟田から穴井、立山(JRA)、上川(明治大学)へという日本柔道界の世代交代も予感させる。

この日の日本武道館には空席が目立った。混戦の面白さが予想されたものの、戦いの中心に、スター性、話題性のある選手がいなかった。新王者、穴井にも期待するが、さらにその穴井を脅かす若手が続々と登場することを期待したい。



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全日本柔道選手権大会
2008/4/29 日本武道館

北京オリンピック柔道100kg超級の代表は、全日本柔道選手権大会で優勝した石井慧に決まった。

しかし、大会を見たファンにとって、十分予想できたことだが、納得できない面もあるのではないか。それは、この日の石井の試合内容が、代表の名にふさわしいものだったかどうか疑問だったからである。

石井の柔道は、講道館が目指す「一本」を取りに行くというよりも、攻撃を仕掛けながらも、うまく逃げ、ポイントを稼ぐパターンが多い。別の言い方をすれば、自らの得意技で勝利することよりも、相手の技を封じ込めることを優先するような戦い方か。だから、見ていてあまり面白くないし、フラストレーションもたまる。

たしかに、この日は、井上康生が準々決勝で敗退したあと、残るライバルで最有力候補と見られていた棟田康幸との直接対決(準決勝)を制したのだから、代表に選ばれたことに文句はない。しかし、その試合も、完全なこう着状態のなかでの指導の差で制した、内容の乏しいものだった。

さらに言えば、6分間で決着がつかず判定となった、3回戦の高橋和彦戦は、明らかに分が悪かった。結果は、2対1でかろうじて石井が勝ったが、その判定に対して、武道館中から大ブーイングが起きたほどだった。

決勝の鈴木桂司戦も、序盤に有効、技ありをとって、有利になったものの、中盤以降は、鈴木に押され、反則気味の頭、からだの使い方でどうにか、かわしきったものだった。勝者として称えられる内容ではなかった。

生田秀和、高井洋平らがはつらつとした戦いで会場内を沸かせたのとは、対照的だった。もし棟田との直接勝利がなければ、選考結果は違っていたかもしれない。

しかし、石井は北京オリンピックの代表に選ばれた。日本柔道界の代表として、100kg超級に挑む。

今や、日本の国技・柔道だからと言って、内容も結果も、と言うほど世界は甘くないのは十分に承知している。しかし、あえて、石井には、オリンピックの舞台で、石井の代表に疑問符を抱いた人々を見返すような、内容のある柔道で、頂点に立ってほしいと思う。


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戦極-SENGOKU-
2008/3/5 代々木第一体育館の周り

PRIDEの最後の興行から約1年。その流れを受け継ぐ総合格闘技イベント「戦極」が代々木第一体育館でおこなわれた。メインは、吉田秀彦とジョシュ・バーネット。他にも、滝本誠、藤田和之、三崎和雄、五味隆典など、特に日本人サイドが魅力的な顔ぶれになった。

夕刻、仕事で原宿の岸記念体育館を訪れた後、「戦極」の会場である代々木第一体育館に寄ってみた。原宿駅方面から、続々と人が押し寄せる。その中には、ちょっと前に岸体育館で見かけた、女子レスリングの吉田沙保里と栄監督の姿もあった。

PRIDEの火が消えていないことを確信した。開演30分前には、最も安いA席(7000円)が完売していた。その上のS席は17000円で、まさにPRIDEの価格設定。ダフ屋からチケットを買おうとしたが、そのダフ屋も余ったチケットを探すばかりで、売り物がない状態。しばらく、ダフ屋につきあっていたが、結局、A席分の現金しか持っていなかったのと、翌日に出張を控えていたために、生観戦を見送ることにした。

この様子なら、「戦極」の第2回の開催も、そう遠くないと思ったからである。はたして、試合内容はどうだったのだろうか。PRIDEの流れを汲みながらも、PRIDEを超えるものになっていることを願う。


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ケガを理由に夏の巡業を休んでいながら、故郷のモンゴルで中田ヒデらとサッカーに興じていたことが発覚した、横綱、朝青龍に厳しい処分がくだされた。

秋場所と九州場所の2場所出場停止と4カ月間30%の減俸。さらに九州場所千秋楽の日までの謹慎である。謹慎期間中は、自宅からけいこ部屋と病院への外出しか許されないというものらしい。この謹慎を破ったら解雇処分という前代未聞の厳しい処分である。

朝青龍は、その強さは誰もが認めるものの、その振る舞いは横綱としての品格に欠けるということもたびたび指摘されていた。これまでの不満も合わさり、これだけの厳罰となったということか。モンゴルで一緒にサッカーをやっていたヒデも、まったく罪な旅人なものだ。

ところで、この厳しい処分を朝青龍はどう思うのだろうか。前向きに考えれば、これを機会に十分反省し、心身ともにリフレッシュすることで、さらに強い横綱として、来年の初場所に登場することも可能だろう。

しかし、ぼくとしては、もっと前向きに考えて、角界を超えた舞台で、その強さを発揮してもらいたいと思う。朝青龍の総合格闘技への転向である。関取が強いと言われていても、曙のように、現役を引退してからの転向で、無残な姿をさらけだしているケースが多い。

角界でダントツの強さを誇る、今の朝青龍が総合格闘技でどこまでやれるのかを見てみたい。関取の実力を世間に認めさせるいい機会でもある。

K-1プロデューサー、谷川貞治氏が、朝青龍を狙っているのは想像に難くない。今年のおおみそかの総合格闘技イベントの目玉が、朝青龍になることを期待している。

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全日本柔道選手権大会
(2007/4/29 日本武道館)

井上康生が戻ってきたこともあり、例年以上に注目が集まった大会となった。

九段下の駅から日本武道館に向かう途中、田安門のあたりでは、大勢のダフ屋が余ってるチケットを求めていた。午前11時30分に会場に着いたときには、8割がたの席は埋まっていたのではないか。夕方の5時過ぎまでの長い戦い。これまでだったら、ベスト8が出揃う午後3時ぐらいになって満員状態になるところだ。観客の出足も早い。

ケガから復帰の井上康生、昨年の王者、石井慧はまだ学生。雪辱を狙う鈴木桂治。全日本選抜体重別で100kg超級を制した高井洋平。昨年のアジア大会で100kg超級の金メダリスト棟田康幸。昨年のこの大会で3位となった生田秀和、泉浩。他にも虎視眈々と優勝を狙う実力者が揃った。

そして、ベスト8には、棟田、高井、鈴木、石井、泉水、井上が順当に残り、片渕慎弥と庄司武男が加わった。いよいよ、そこからが見どころと思っていたが……。

今年の大会は、膠着状態が続く試合ばかりで、はっきり言って面白くなかった。柔道の醍醐味である一本勝ちが少なかった。ベスト8が出揃ってからの7試合のうちで、一本勝ちは、井上康生が泉浩を押さえ込んだのと、鈴木桂治が片渕慎弥を小内刈りに沈めた2度だけ。

もともと無差別級=最重量級同士の力が接近している対戦なので、そう簡単に一本はとれないと思って見ているが、それにしても寂しい内容だった。

大観衆が判定の結果にどよめくことはあったが、豪快な一本勝ちに歓声をあげることはほとんどなかった大会だった。若手の新たなスターの登場を願う声もあるようだが、井上(28歳)、鈴木(26歳)だって、まだまだ若い。彼らを筆頭に、柔道界全体の精進が必要なのではないか。

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全日本柔道選手権大会
(2007/4/29 日本武道館)

昨年と同じ対戦となった決勝戦を制した鈴木桂治(平成管財)が2年ぶりの優勝を飾った。優勝インタビューで、本人が言っていたように、優勝の要因は、穴井戦で勝ちを拾ったことと、その後の開き直りだった。

鈴木は、2回戦(鈴木にとってこの日の緒戦)で、大藤尚哉(総合警備保障)を小外刈り一本で退け、3回戦で100kg級で台頭しつつある穴井隆将と対戦した。穴井は天理大学を卒業したばかり。傍で、天理大の大先輩、篠原信一が指示と声援を送る。

無差別級の大会にあっては、スピードあふれる試合展開となった。しかし、攻めながらも互いに決め手を欠くなかで、終盤、穴井が積極的に仕掛けて、時間切れとなり、判定に持ち込まれた。

6分間の試合時間の終わりを告げるブザーが鳴ったとき、穴井は、通路で声援を送っていた篠原に向かって、「やった!これでいいですね!」というような自信の表情を見せた。篠原も小さくガッツポーズをしていた。一方の鈴木は小首をかしげ、負けを覚悟したような表情だった。

しかし、判定は2対1で鈴木の勝ち。武道館を埋めた観客からも「エーッ!」というどよめきがあがり、篠原もがっかりした表情で、控え室に戻っていった。

その後の2試合(準々決勝、準決勝)の鈴木には、本来の切れ味が戻っていた。とくに準決勝では、片渕慎弥(JRA)を相手に、開始28秒、小内刈りで鮮やかな一本勝ちをおさめた。そして、決勝戦。旗判定になったが、3対0と石井慧(国士舘大学学生)を見事にくだした。

日本柔道界の精鋭が集結するこの大会で優勝するためには、5試合(または6試合)勝ち続けなければならない。そして、そのためには、実力とともに運が味方してくれることも、時に必要である。

鈴木にとって穴井戦の勝利は、実力よりも運がよかったといえるものだった。ただ、それを無駄にしなかったのは、やはり鈴木の実力があってこそのものだった。

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大晦日におこなわれた“K1 PREMIUM2006 Dynamite!!”のメインイベント、秋山成勲対桜庭和志の試合が無効となった。試合直後に、桜庭が抗議していたように、秋山が体にクリームを塗っていたためである。体に何かを塗るのは違反行為となる。

秋山サイドには反則を犯しているという意識はなかったとされているが、秋山は失格、試合結果は無効、そして秋山のファイトマネーは全額剥奪となった。ボディチェックで、違反行為を見逃した審判団のギャラも半減されるという。

しかし、なんともお粗末な事件ではないか。生死をかけた総合格闘技において、「ルール」はもっともデリケートなものである。以前、ある格闘技イベントに関わったときのこと。そのときは、相手を牽制するという意味もあり、互いが譲らない部分があって、試合当日までルールの詳細を決め切れなかった。

それが、昨年末の“Dynamite!!”では、試合をする選手も、セコンドもルールを完全に把握しておらず、またレフェリーのチェックもずさんこのうえなかったわけである。

昨年2006年は、一昨年までフジテレビが放送していた“PRIDE 男祭り”が地上波放送から消えて、対抗馬がいなくなった。“Dynamite!!”が、地上波テレビ唯一の格闘技イベントとなったがために、大きな油断があったのではないか。すでに、このブログでも言及したように、マッチメイクにおいても、その兆候がうかがえる。

責任者であるイベントプロデューサーの谷川貞治氏が、のんびりとテレビ解説をしている場合ではなかったのではないか。格闘技ファンを裏切った“Dynamite!!”に次はあるのだろうか。



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K-1 PREMIUM2006 Dynamite!! (TBSテレビ)

大晦日恒例となった格闘技イベント“Dynamite!!”は、見どころのないままに終わってしまった。

夕方6時から始まったテレビ中継の、はじめの2時間は過去の試合のハイライトシーンが流された。迫力あるシーンが並んだが、所詮過去のものである。結果がわかっているものに興味はわかない。

8時過ぎからようやく「今夜」の試合の放送が始まった。K1ファイター、シュルトと武蔵は勝ったものの迫力はない。唯一、所英男とホイス・グレーシーの戦いだけが総合格闘技らしい内容だった。ほかは、総合格闘技という名の異種格闘技戦であり、そこには総合初参戦の選手が何人もいて、闘う準備が十分にできていなようだった。結論から言えば、マッチメイクに問題があったということだ。山本キッド、魔裟斗、秋山成勲が順当に勝ったが、その魅力を十分に楽しむことはできなかった。

そして、試合内容よりも、選手入場のパフォーマンスが派手だったのは、なんともTBSらしかった。2006年後半、TBSテレビが中継したボクシングの亀田戦や世界バレーにおいて、その放送内容や大会演出のありかたが物議をかもしたのは記憶に新しい。

2006年の大晦日、TBSの“Dynamite!!”が不発に終わったのは、2006年のテレビスポーツシーンを象徴していたように思えてならなかった。


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K1ワールドグランプリ2006 (2006/12/2 フジTV)

セーム・シュルトが2年連続のK1チャンピオンに輝いた。2m12cmの長身を生かし、リーチの長いパンチと懐に相手を抱え込んでの鋭角的な膝蹴りにますます磨きがかかっていた。「不動」「無敵」という言葉がふさわしい正真正銘の王者といえよう。

しかし、今年の決勝大会の主役は、連覇を果たしたシュルトではなくて、1993年のK1のはじまりから活躍しているピーター・アーツだった。今年、初めてグランプリ決勝への出場権を失ったが、リザーブマッチで武蔵を一蹴し、チャンスを待った。そして、レミー・ポンヤスキー、ステファン・レコのトラブルによって、準決勝への出場が決まった。

準決勝の相手は、極真代表のクラウベ・フェイトーザ。昨年は、クラウベがリザーブマッチからチャンスを得て、アーツを破り決勝に進んだ。昨年と反対の立場での対戦。しかし、結果は昨年と同じ。リザーブマッチから勝ち上がった戦士の勝利。アーツが2ラウンドでKO勝ちし、雪辱を果たした。

決勝戦。アーツが巨人シュルトに果敢に向かっていった。アーツのパンチが的確にシュルトを捉える。はじめてシュルトが後ずさりをした。アーツが久々に王者に返り咲くのか。この日のアーツには、その資格が十分にあったと思ったが……。

ピーター・アーツの姿に、忘れかけていたK1の魅力を思い出した気がした。

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